猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

ベリル:Beryl(特殊カット)

ベリル

 

ぐんぐんに金、ゴールドの地金価格が騰がっておって、先月に比べて¥1,000/g、2ヶ月前に比べて¥1,700/g、3ヶ月前に比べて¥2,000/g、1年前に比べると¥2,600/g ってな感じになってしまっておりますなのであります!

 

ぐんぐんと地金相場が高騰しちゃってて、昨年くらいにも今って金の地金価格が高騰、ちょっと高い水準にあるから様子見でもいいかも・・・な~んて思っていた事を後悔しちゃうくらいの水準で地金相場が右肩上がりとなっている。

 

ま、ロシアによるウクライナ侵攻が急騰した最大の要因ではあるものの流石にインパクトのある地金の高騰傾向にジュエリーの卸販売をしている業者さんなんかは商品から石を外して地金としてガンガンに売却をしているレベルとなっている有様。

 

仮にロシアが今後、保有する金の地金を放出するような事態になったとしても貴金属地金が高騰する傾向は継続するんじゃないかなぁ~って思うんですが、それに加えて急激に円安が進んでいるから何だか動き難い状態になりつつあるような・・・

 

ここ数年は新型コロナで何となく景気が落ち込んじゃってるような状況下、もっと景気が後退しちゃいそうな不穏な気配を感じる訳ですが、ま、その時はその時、何にも分からない先の事を憂いていても仕方がないのでちょっと雑談、ま、ちゅ~てもここまでも完全に雑談なんですけどね。

 

先日、ちょっと機会があって15ctくらいの巨大なピンクダイヤモンドとか10ctくらいの巨大なビルマ産の非加熱ルビーとかの雲上レベルとなる宝石のルースを何点か見せてもらったんですが、その大きさに目を奪われて何だか意味もなく欲しくなっちゃったものの予算が全く足りない、とても手が届かない、足りない上に手が届かないという正に手も足も出ない感じで完敗だったのでありんす。

 

でも恐ろしい事にそれらを見た後、5ctくらいのダイヤモンドとかルビーとか見たら何だか普通に買っちゃえそうな気がしてきて、や、危ない、もう完全に感覚が麻痺しちゃっているし、こいつらを買ったら後から追加で付加効果が発動して確実に気絶、意識を失っちゃうわ!ってなったっす。

 

でも、まぁ、大きな宝石はジュエリーにして普段から日常的に身に着けたりするには不向きであるかもしれないけどコレクションとして所有するんだったら最高だなぁ・・・って改めて思ったのであります。

 

ちゅ~ような感じで大きいは正義っていうか鈍器、一撃必殺のクリティカルが発動しちゃいそうな感じが何だかとっても好き、や、ちょ~大好き!

 

 

ベリル:Beryl

ベリル

 

宝石機関の鑑別書によって「宝石名:ベリル」と記載される宝石は「天然ベリル」という鉱物の中で固有の特定の正式な宝石名を持たないタイプとなります。

 

天然ベリルという鉱物は、色合いや含有成分等によって様々な固有の正式な宝石名を持った宝石として扱われますが、その中でも代表的な宝石が下記のようになります。

 

天然ベリルの様々な宝石種

 

  • エメラルド:透明~半透明の緑色系
  • アクアマリン:透明~半透明の淡青色~薄青色~青色系
  • モルガナイト:透明~半透明の淡褐ピンク色~淡ピンク色~ピンク色系
  • ビクスバイト(レッドベリル):透明~半透明の赤色系
  • ゴッシェナイト:透明~半透明無色
  • イエローベリル:透明~半透明の黄色
  • ゴールデンベリル:透明~半透明の黄褐色~褐黄色系

 

★ちなみに半透明石は主にキャッツアイ石になりますが、ミルキーアクアマリン等、一部はキャッツアイ効果のない半透明石でも流通しています。

 

そして現在では誤解を招く可能性があるという事で使われなくなった宝石として、上記以外に「ヘリオドール」という宝石名を持ったタイプが存在します。

 

「ヘリオドール」とはギリシャ語で太陽を意味する透明黄色~黄褐色系をしたベリルの宝石名で古来より主にヨーロッパ圏に代表的な天然ベリルのカラーバリエーションのひとつとして珍重されてきたのですが、日本では1970年代~80年代頃から透明薄緑色をした淡いグリーン系の色合いをしたベリルに対して「ヘリオドール」の名称を適用して流通させていた時期があったのです。

 

その為、イエロー系の色合いと淡いグリーン系の色合いをしたベリルの両方が「ヘリオドール」として扱われていた時期があった事から誤解を招く可能性が生じてしまったので現在は日本国内では色合いに関わらず「ヘリオドール」という宝石名が宝石鑑別書に記載される事はなくなりました。

 

海外の宝石鑑別機関による宝石鑑別書では透明黄色系の天然ベリルに対して「ヘリオドール」の宝石名が記載される場合がありますが、日本国内では「ヘリオドール」という宝石名は淡いグリーン系の色合いをした天然ベリルの事だと思っている方もいる事から、一般的には使われる事がなくなっちゃった由緒正しい宝石名なのに何だか悲運の宝石名となっちゃったのです。

 

 

ベリル

 

ちゅ~ような感じで、今回のブログで紹介するのは、鉱物名:天然ベリル&宝石名:ベリルとなる透明黄色をした大粒サイズのルースになります。

 

天然ベリルという鉱物は結晶系が六方晶系になり、長柱上結晶や短柱上結晶といった産状で産出しますが、カット研磨されるルースの場合、透明度が高く、明瞭な色合いをした高品質の宝石用の原石が用いられます。

 

色合い(=天然ベリルの場合は固有の正式な宝石名)によって石質が異なり、エメラルドやビクスバイトは比較的に瑕疵やインクルージョンが多くなり、アクアマリンやモルガナイト等の他の宝石名になる色合いのものは前者に比べて瑕疵やインクルージョンが少な目のものが見られます。

 

今回のブログで紹介するルースは、透明度が高く、瑕疵やインクルージョンが少なく、色合い的にはイエロー系をした最高品質の天然ベリルとなり、最大の特徴はルースの裏目が原石のままの自然な状態で六方晶系の凹凸感やナチュラルな質感を意図的に残し、ルースの表面や側面といった他の面から天然ベリル独特の成長過程が見られるようにカット研磨されいる事です。

 

ルース自体も一般的に用いられるジュエリー用のサイズとは比較にならない大きさとなっていますが、天然ベリルの鉱物的な面白味や自然の作り出した造形美に加えて、カット研磨されて鏡面にした事でコントラストと景観性を楽しめるようになっています。

 

単純に大きな原石だったり、単純に高品質な原石だったりというのであれば、まだ簡単な話しになるのですが、こちらのルースの場合、このルースのサイズに合わせた絶妙な自然の凹凸感であったり、バランス感であったり、サイズ感であったりを見極めなければ面白味に欠けてしまう為、完全に歩留まりを無視した贅沢の極みっていうか、趣味の極みっていうか、ま、そんな感じのルースなのです。

 

 

ベリル

 

あたしだけじゃないと思うんですが、所有している物の中で手放したくないっていうか、手放すつもりがあんまりない物ってあるかと思うんですが、あたしの場合、それは宝石のルースでして、ま、最近は少しずつ整理が進んでいるものの手放したくないルースとして君臨していたもののひとつが、こちらのルースなんです。

 

好きなものを扱った商売っていうか仕事をしていると時々、こんな風に商品って感じではなくて完全にプライベートなコレクションと化するものも出てくる訳ですが、もともと次世代の所有者に引き継ぐ事を考え始めた事が切っ掛け、そういう経緯もあって猫車さんのオンラインショップを立ち上げたので、ちょっと思い悩んだものの出しちゃいました。

 

ちゅ~ような感じですが、一応、天然ベリルの基本的な情報を記載しておきます。

 

 

天然ベリル

  • 鉱物名:天然ベリル
  • 宝石名:ベリル 
  • 和名:緑柱石
  • 結晶系:六方晶系
  • 産出形状:長柱状結晶・短柱状結晶
  • カラー:緑色系~青色系~黄色系~赤色系~ピンク系~無色系 etc
  • 透明度:透明~半透明(半透明はキャッツアイ石やスター石等)
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:7.5~8
  • 劈開:不明瞭
  • 断口:貝殻状もしくは不平坦状
  • 比重:2.68~2.78
  • 偏光性:複屈折性
  • 多色性:二色性
  • 備考:色合い等によって固有の正式な宝石名で呼ばれます。

 

尚、2022年より中央宝石研究所で発行する宝石鑑別書の仕様が変更され、これまでコメントで記載されていた内容が、検査項目のチェック欄へのチェック方式になりました。

 

インクルージョンのタイプであったり、各宝石に固有の何らかの特徴(例:ジルコン等のダブリングとかコンクパールの火焔模様等)といった備考として記載されるコメント文も省略されるようになり、何だか味気ないというか素っ気ない感じの宝石鑑別書になってしまいましたが、こういうのも時代の流れっていうか、や、不景気だからか?

 

もう20年以上くらい中央宝石研究所とは付き合いがあるんだけど最初の頃はシルクみたいな編み紐の取っ手が付いた分厚くて光沢感のあって底紙が入った高級な紙製の手提げ袋だったのが、5年くらい前からシルクみたいな編み紐の取っ手じゃなくてビニール製の編み紐の取っ手の付いた少し厚みの薄い安っぽい紙製の手提げ袋になって、現在では取っ手の部分は紙製になり、ぺらっぺらの折り返しすらない薄っぺらなチープな手提げ袋になってしまったんです。

 

や、まぁ、マジ、どうでもいい話しなんですけど何だか現実って切ないよね。

 

 

ベリル

 

最後に載せている4枚目の画像はルースの裏面になります。

 

1枚目~3枚目は角度を変えて撮影した表面~表面から側面に掛けての画像ですが、裏面から見ると何の人為的な処理(カット研磨も含む)が施されていないナチュラルの状態、自然のままの天然ベリルの凹凸感がある六方晶系の結晶系の様子が堪能できます。

 

尚、ルースの裏面は研磨もしていない自然の状態なのでフラットな面ではない為、中央宝石研究所の宝石鑑別書の寸法として記載される厚みに関しては測定不可となっています。

 

ずっと宝石とかジュエリーとかの仕事に携わってきてもフィーリングっていうか、直感的に一瞬で心を奪われてしまうようなルースって限られているのですが、そんな宝石やルース、或いはジュエリーとの素敵な出会いがあるといいですね。

 

ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

もう4月も中旬っていうか下旬寄りだよ・・・

ΘεΘ

 

もう桜も完全に散っちゃってるしね。

ΦωΦ

 

早く冬になんないかなぁ。

ΘεΘ

 

や、夏もまだじゃん。

ΦωΦ

 

夏、嫌い、苦手・・・

ΘεΘ

 

ま、ま、先の話しの事を考えても仕方がないので忘れよう。

ΦωΦ

 

今を生きる。

ΘεΘ