猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

サファイア:Sapphire

 

最近、満身創痍だ。

 

世の中には避けては通れない戦いもあって、進学や受験、就職や出世、或いは場合によっては恋愛なんかでもあると思う。

 

先日、ゲリラ豪雨があり、すごい勢いで急に雨が降ってきたのでベランダに出てタバコを吸いながら外を眺めておったら、排水溝からゴキブリが出てきたのである、4階ですよ、ここ。

 

そして何年か前に勃発したセミとの壮絶な戦いに続いて、第二次ベランダ戦争が勃発、ゲリラ豪雨で土砂降りの中、咥えタバコで排水溝の近くで身を潜めている敵との遭遇戦が始まったのであるが、何の武器もなく激しい雨風で室内に逃げ込む事も困難っていうか、逃げ込んで姿を見失ってしようものなら二度とベランダには出られぬ、心境的には継続的な占領下に置かれる状況となる為、履いていたベランダ用のクロックスで踏み潰す以外に手段がないという極めて不利な戦いとなったのである。

 

や、セミと戦った時だって菜箸とかだけど武器になるものが用意できたから何とか戦えたんだけど・・・

 

しかし、世の中というものは常に思い通りになるものではなく、いつも万全の態勢で臨めるものではない事くらいは十分に分かっている、そうした心得は持っているので、土砂降りの中、咥えタバコ、クロックスでの踏み付けという攻撃手段だけで覚悟を決めて戦いに挑んだのである。

 

初撃、右足でのトゥーキック、排水溝のあるベランダの角に潜んだ敵に対してクロックスのつま先の部分は丸い事もあって攻撃は当たらず、ノーダメージ。

 

クロックスの中が雨でびしょびしょに濡れちゃっていたから危うく右足のクロックスだけ脱げて飛んでいってしまいそうになったところ、敵が攻撃された事を察知して素早く移動、急な移動に驚き、すげぇ~恐ろしくて焦って腰砕け、尻もちをつきそうになったので反射的に両腕を背面に着いて即座に立ち上がるが変な風に腕を着いたみたいで右肩を痛め大ダメージ。

 

咥えていたタバコは雨でびしゃびしゃだった事もあって千切れてロスト。

 

次の瞬間、こちらに向かって敵が平場に躍り出て、高速移動を開始、右肩の痛みを堪えて中予半端に脱げ掛けている右足のクロックスで踏み付け、クリティカル!

 

背水の陣っていうか捨て身の一撃っていうか無我の境地で放った会心の一撃。

 

ギリギリの戦いで敵を屠り、そのまま敵の残骸を排水溝に向けて蹴り飛ばして何とか勝利で終了、ゲリラ豪雨でずぶ濡れになり、右肩を痛めながらも踏み潰した敵の痕跡を完全に抹消できるように敵を始末した雨で塗れたベランダのところで右足のクロックスの裏をゴシゴシこすって綺麗にして、あぁ、雨が降ってて本当に良かった。

 

そうして熾烈な戦いを終えた夜、突然、右足と左足の太ももに鈍痛が襲う、どうやら命懸けの戦いで本来なら発揮できない力と反射速度を無意識の内に出していたようでリバウンド、大ダメージ。

 

や、こんなのオートバイに乗ってた頃、信号待ちしてて10トントラックに後ろから衝突された時以来じゃない?

 

そして数日後、ようやく右肩の痛みも引き、太ももの痛みもなくなった、もうキズは癒えたと思った夜っていうか朝っていうか昼、草むらでクマらしき動物に襲われる夢を見て、そのクマらしき動物の突進を回避・・・したらベットから落下、ずっと五十肩で痛い状態だった左肩と左足の膝をフローリングの床で痛打、目覚めたのか気絶したのか分からない状態で悶絶である。

 

そんな訳で完全に左肩が死んだ。

 

左足の膝も痛くて、びっこ歩きである。

 

マジで世の中は厳しい。

 

 

 

サファイア(Sapphire)

 

カラーバリエーションとタイプバリエーション(キャッツアイ、スター、カラーチェンジ等の光彩効果やトラピッチェ等)が多い代表的な宝石となるサファイアは、モース硬度も高いので取り扱い易い上、色合いやカット形式やサイズといった選択肢が多い事から宝石の初心者さんから愛好家さんや蒐集家さんまで誰もが個々の好みに合わせた一点を見付け易いと思います。

 

あたし自身、数ある宝石の中でもアレキサンドライトとサファイアはマニアックなレアストーンを除くと好きな宝石の双璧でカラーバリエーションが限定的なアレキサンドライトと違ってサファイアは様々なカラーバリエーションやタイプバリエーションを蒐集しています。

 

縦横の寸法が3~4mm程度(カット形式にもよりますが、1~2ct 未満のサイズ)の小粒な量産品扱いの規格サイズや定形サイズのルースであれば、それなりに数が必要でも色や形や寸法を揃える事もできますが、3ct を超える大きさのルースは単純にサイズの大きさ(場面の広さ)もあって同じ色合いのルースでもカット形式や寸法によって色の濃さや雰囲気が違って見える為、好みの一点に出会える機会は限られてくると思います。

 

最近は特に貴金属地金相場の高騰が続き、ジュエリー等の装飾品も使用する地金量を抑えた華奢なデザインのものが主流になっている事もあって国内では大粒サイズのルースの流通量も少なくなってきましたが、宝石の魅力的で神秘的な美しさや稀少性という意味では大粒サイズでないと実感できない部分もあったりします。

 

 

 

今回のブログで紹介しているサファイアは、スリランカ産の非加熱未処理のヴァイオレットサファイア(7.418ct)になり、寸法的には縦:10.50mm×横:12.80mm×厚み:6.52mmという大粒サイズのルースになります。

 

スターサファイア等のカボッションカットをしたサファイアの場合、10ct を超える大きさのルースは特に珍しいものではありませんが、ファセットカットが施されたサファイアの場合、3ct を超える大きさがジュエリー等の装飾品のメインストーンとして見栄えのする大きさの目安になるかと思います。

 

もちろん、華奢なジュエリーを好まれる方や複数の宝石を散らしたように使ったデザインの好きな方もいるので一概には言えないのですが、メインストーンに脇石を配するようなデザインのものやダイヤモンドで取り巻くようなデザインの場合にはメインストーンを大き目にした方がジュエリーらしい風格や存在感が出てきます。

 

以前、法人として大量販売をしていた頃は小粒のルースを使った華奢なデザインのジュエリーも製作していたので、そうしたジュエリーならではの可愛さや繊細な雰囲気も嫌いじゃないし、価格的にもリーズナブルに抑える事ができるので多くの方にアピールできるという楽しみもあったのですが、もう現在は個人で数量を作る事はしていない為、一点だけの特別なジュエリー向けの大粒サイズのルースをメインにコレクター向けのレアストーンや糸魚川ヒスイといった宝石に楽しみが向いちゃっているのです。

 

 

 

このルースも非加熱未処理のスリランカ産のヴァイオレットサファイアで「7.418ct」という現在、国内では流通量も減り、見掛ける機会も少なくなってきた稀少なピースですが、大粒サイズだからこそ分かる幻想的な色のグラデーション感であったり、インクルージョンの面白さであったり、全体的な景観性や雰囲気が楽しめる秘蔵のルースなんです。

 

宝石やジュエリーって何らかの記憶の象徴として残る特別なものだと思うから、いつの間にかどこにいったか分からなくなっちゃった・・・とか、あれ?何かそういえばそんなようなもの持ってなぁ・・・みたいな感じにならないといいなぁ~って風に個人的には考えているんです。

 

【 サファイアの特徴や数値について 】 

  • 鉱物名:天然コランダム
  • 宝石名:サファイア(または色名+サファイア)
  • 結晶系:六方晶系(三方晶系)
  • 産出形状:六角柱状結晶、複六角錐結晶、樽型結晶、礫状
  • カラー:様々な色合い(単色&混色&混在色)
  • 透明度:ファセットカットは主に透明、カボッションカットは主に半透明
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:9程度
  • 劈開:なし
  • 断口:貝殻状
  • 比重:3.99~4.05程度
  • 偏光性:複屈折性
  • 屈折率:1.757~1.776程度
  • 多色性:二色性
  • 分光性:産地によって差異
  • 蛍光性:産地によって差異
  • インクルージョン:シルク状、液体状、ダスト状、結晶、液膜、色帯構造等

 

 

サファイアやルビーの宝石名になる天然コランダムという鉱物は色の改善を目的として一般的に加熱処理が施されている場合が多く、加熱処理そのものは宝石としての評価を著しく損ねるものではないので加熱・非加熱に拘る方でなければ純粋に見た目や見た感じといった第一印象を重視されても良いと思いますが、一部、ベリリウム拡散加熱処理という宝石の表面色を変える人為的な処理が施されている場合があります。

 

このベリリウム拡散加熱処理が施された宝石は処理が施されていない宝石に比べて評価が著しく損なわれる為、気になる方は注意して下さいね。

 

 

 

ヴァイオレット、日本語で言うところの青紫色は、個人的に非常に好きな色でして、宝石でも好まれる色合いになっています。

 

特に優しい印象の色合いをしたヴァイオレットカラーの宝石は少なくなり、こうした微妙なニュアンスの違いを楽しめるのはサファイアという宝石ならではの魅力だと思います。

 

サファイアは宝石としてはメジャーですし、色合いやカット形式やサイズ等も含めて選択肢も多いので、好みに合うものが見つかり易いと思うから興味を持ってもらえると嬉しいです。

 

ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

本当は梅雨の時期に紹介する予定だったんだよね。

ΘεΘ

 

今年の梅雨はあんまり雨が降らなかったからさ。

ΦωΦ

 

で、だったら寒い時期、よし冬に紹介しよう!とか思ったんでしょ?

ΘεΘ

 

でも我慢できなかったんだよ。

ΦωΦ

 

分かるわ。

ΘεΘ