猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

カービング(インドカット):Carving(Indian Cut)

インドカット

 

雨なのか雪なのか或いは霙なのか視力の低下しちゃって判断できないからベランダから身を乗り出して天に手を伸ばした拍子に角で肘を打っちゃって今も痛いです。

 

みたいな感じで2月、まだ寒いけど地味に日照時間が長くなってきておる、朝、明るくなる時間が早まってきておるような気がしておって、む、じわじわと春の訪れが迫っておるような気がする。

 

あたしは決定的な花粉症ではないので花粉症の方々のように優秀なセンサーを搭載していないので地味に朝の明るくなる時間とか、夜の暗くなる時間とかで四季の移ろいの兆しを判断、後は付近の草花の様子とかなんかで判断しておるのであるが、天気が悪かったり、東京で2月に雪が降ったりとかイレギュラーな状況下では判断が鈍り、とても鈍感になってしまうのである。

 

ちゅ~ような感じですが、ここで唐突にお知らせとなります!

 

猫車さんの方でメインで使っている中央宝石研究所さんの宝石鑑別書ですが、こちらの記載形式が変更されました。

 

具体的には宝石鑑別書の見開きの左側のページの内容になり、以前までは屈折率、偏光性、多色性、蛍光性、比重、分光性、拡大検査の各欄に数値やコメントが記載されていましたが、これがチェックボックス形式に変わり、数値やコメント等の記載がなくなりました。

 

チェックボックスは屈折率測定、偏光検査、多色性検査、蛍光性検査、比重測定、直視型分光検査、拡大検査、UV-Vis分光光度計、赤外分光(FT-IR)、蛍光X線元素分析、顕微ラマン分光、軟X線透過検査、ダイヤモンドビューTM、LA-ICP-MS、その他という15個のチェック欄があり、検査した項目にのみチェックが入ります。

 

また以前までは備考欄に記載されていた特有の模様が見られる的なコメントも省略されるようになりました。

 

以前までだと例えば、屈折率:1.62-1.61、偏光性:複屈折率、多色性:認む、蛍光性:認む、比重:約3.10、分光性:特に必要な吸収を認めず、拡大検査:管状包有物、液膜包有物みたいな感じで記載されていたので、チェックボックスへのチェック形式だと何だか少し味気ないというか物足りない感じがしなくもないのですが、中央宝石研究所さんの方で正式に形式が変更され統一された事になりますのでご了承下さい。

 

猫車さんのオンラインショップで販売するルース等に関しましても順次、この新しい宝石鑑別書と同じ内容を記載するようになります。

 

や、今回は雑談らしい雑談ができなかったじゃん。

 

ま、それもまた良しです。

 

 

インドカットについて

インドカット

 

今回のブログで紹介する「インドカット」については、以前に1度、ブログで紹介した事があるのですが、1970~1990年頃に主にブラジル産のベリル(アクアマリンやエメラルド等)やトルマリン(主にパーティカラードトルマリン)、クォーツ(ローズクォーツやロッククリスタル等)、それにインド産のフェルドスパー(ラブラドライトやサンストーン等)といった原石をインドに持ち込んで装飾的なカービングが施されたルースや置物のような小物類の通称となっています。

 

その為、宝石科学的には「インドカット」というのは、正式なカット形式の名称ではなく、宝石鑑別書ではファンシーカット等の記載がされます。

 

特徴としては透明度が高くて瑕疵やインクルージョン等が少ない高品質の原石をあまり使わない代わりに大振りなサイズとなり、草花といった植物や幾何学模様といった個性的で装飾的なカービングが施されています。

 

サンゴやシェルといった一部の軟質の宝石を除き、通常の宝石類は硬度と脆性の為、その硬脆材料の特性から刃物による彫刻加工(エングレービング)は困難である事から砥石や砥粒による研磨加工(カービング)によってデザインや柄模様等の装飾的な加工をおこないます。

 

インドカットの場合、現在のようなハイテクな機械ではなく弓式研磨器や手回し研磨器といった手動の研磨機を使う事で味わいのある独特のオリエンタルな雰囲気の柄模様を刻んでいます。

 

広義では「アンティークカット」の一種となり、現在ではインドカットを施す業者さんや職人さんが少なくなり、主に1970年~1990年頃に加工されたルースや小物類のデッドストックが流通する程度になっていますが、その素朴さや温もりのあるハンドメイド感はインドカットならではの魅力になっています。

 

 

インドカット

 

最近では宝石のルースもジュエリーといった装飾品も全般的に小さくて華奢になっている傾向があり、大粒サイズのルースに関しては国内から海外へ流出している状況が続いていますが、インドカットのような装飾的で個性的なルースに関しては宝石特有のギラギラした感じが抑えられてカジュアルに身に着ける事ができるので、ファッションアイテムとしてのジュエリーとして普段から日常的に使い易いものだと思います。

 

ファッションとかテイストと同じように宝石やジュエリー等の装飾品にもトレンドとかブームとかがありますが、ジュエリーとしてのデザイン的な要素を別にすると基本的にはインドカットの施されたルースは個々の趣味嗜好性で楽しめる要素が強いのでコレクションとして観賞用にするのではなくジュエリー等の装飾品に加工して身に着けるのに向いていますよ。

 

ちゅ~ても地金代、特に金相場の高騰が半端ないので地金素材としてK18とかの品位で製作するのは費用が掛かるのですが、予算や好みに合わせてK10やSILVER等の地金を使っても面白い気がします。

 

今回は裏表の両面に装飾的な柄模様がカービングされた手の込んだものやアクアマリンの中でも濃い色合い良質なタイプなどインドカットが施されたルースの中でも特に良いものを中心に猫車さんのオンラインショップにUPしました。

 

ちょっと変わった個性的なルース達ですが、どれも可愛くて面白いと思いますので、興味があれば猫車さんのオンラインショップをご覧になって下さい。

 

  

インドカット

 

珍しく集合写真での紹介になりましたが、何気に個別撮影が大変、なかなかに苦労しました。

 

ちゅ~のも、カボッションカットのようなフォルムに彫刻が施されているので立体感があり、ピントを中心部に合わせるとサイドの彫刻部分がピンボケしちゃうし、60ct を超えるような大きなものなんかもあったので、普段の写真撮影をするセッティングでは上手く納まらなかったりと何気に難しかったっす。

 

こうしたハンドメイド感のある素朴な雰囲気のルースって普通のカボッションカットやファセットカットとかとは違った魅力があって、でも、そんなに多くのストックはないから気が向いた時に単発的に紹介するくらいしかできませんが、こういうルースの楽しみも少しは伝えられたらいいなぁ~って思ってます。

 

ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。

 

ΦωΦ

 

 

中宝研の新しい鑑別書は面白味がない。

ΘεΘ

 

しゃ~ないじゃん。

ΦωΦ

 

ま、そだけど。

ΘεΘ

 

時代は変わるんだよ。

ΦωΦ

 

まぁね。

ΘεΘ