猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

スファレライト:Sphalerite

スファレライト


時間が経つのは早いものなのか遅いものなのか謎が謎を呼ぶ中で2月、もう半ば近くなっておる。

 

スポーツに何の関心もないので何にも気にしていなかったのだがオリンピックをどこかで開催している様子で何か昨年もオリンピックがあったので時空の歪みを感じておる次第であります。

 

雪国生まれ雪国育ちなので冬に雪が積もっておる事が普通であったのだが、もう都会での暮らしの方が長くなり、今では雪の降らない冬が普通、それが当たり前のようになっている訳でありますが、おやおや、東京でも今季2回目となる雪が降ったよ。

 

真夜中の夜空に舞い散る雪は雨とは違って落下する速度が遅くてスローモーションのようで普段なら絶え間なく走っている車、ま、深夜だと働く車が多いんだけど、そんな車も殆ど走っていなくて静寂、うん、何っていうか妙に風流な感じでありました。

 

東京で雪が積もったりすると何もかも滞るっていうか、東京には東京のスピードってのがあって、そのスピードが東京の魅力であったりするので東京には東京らしい状態ってのをキープしてもらいたいものでありますが、三連休の初日、ま、今日くらいはいっかなぁ~って思います。

 

ちゅ~ても寒い日が多いですし、ちょっと風邪っぽくても新型コロナの影響で神経質になってしまう人も多いと思うので、暖かくしていい感じの連休、週末をお過ごし下さいね。

 

で、楽しくて仕方ないような充実した毎日にしちゃって下さいませ。

 

 

スファレライト:Sphalerite

スファレライト

 

今回のブログでは2度目の登場となるスファレライトになりまするよ。

 

現在ではモース硬度や劈開といった関係で取り扱いに注意が必要な稀少宝石なんかもカット研磨されたルースやジュエリー等に加工された装飾品として扱われるようになったのであります。

 

以前までは宝石という定義は稀少性が高く、モース硬度や劈開といった脆弱性が少なく、そして美しいものという概念があったのですが、現在では情報量の増加に伴った知名度の向上、そうした状況の中で需要が増えた事、ジュエリー等の加工技術の進歩もあって、いろいろな趣味嗜好性やトレンドの変化といった様々な面での多様化に対応した個性的な宝石や稀少宝石が広く流通するようになりましたね。

 

スファレライトという宝石もカテゴリーとしては稀少宝石のひとつになり、スフェーンと並ぶ屈指の光学特性から強い煌きを持っている宝石ですが、モース硬度が3.5~4、劈開が十二面体方向に完全という極めてデリケートな特徴を持っている事から主に宝石のカット研磨をするカッター職人のチェレンジ精神によって稀に観賞用やコレクション用のファセットカットされたルースが流通している程度の愛好家さんや蒐集家さん向けの稀少宝石なのでありました。

 

時代が流れて以前に比べると流通量も増え、そこそこ知名度も上がったものの、まだまだ宝石としては知らない方も多いのではないかなぁ~って思いますが、逆に知っている人は知っていて、スファレライトを好きな人は好きっていう稀少宝石らしいポジションをキープしている宝石となりまするよ。

 

 

スファレライト

 

スファレライト(和名:閃亜鉛鉱)という宝石は、カラーバリエーションも多く、鮮やかな色合いを持っているものも多い上、独特のダイヤモンド光沢(厳密にはダイヤモンド光沢または樹脂光沢となる光沢感)を持ち、更に「ファイア」がダイヤモンドの約4倍と強い事から主にファセットカットが施される事で非常に美しいカット石になるのであります。

 

ちなみに「ファイア」というのは、ファセットカットされた宝石に光が当たると内部での光の分散現象によって反射する光が7色に分かれて外部に出てきてスペクトル色が見られる光学特性となり、宝石の美しさの重要な要素のひとつなんですが、ファイアの強さは宝石の示す固有の分散度によって決まっているんですね。

 

しかしながら前述のようにモース硬度が低く、劈開が完全な非常にデリケートな宝石となる為、一般的に宝石として適している宝石よりも衝撃や外部からの力に弱い事からカット研磨の際、輸送の際、ジュエリー等の装飾品への加工の際といった全ての流通工程で破損率が高く、その美しさは魅力的ではあるもののコストが掛かる事もあってコレクション的な要素が強い事には変わりありませんです。

 

ちゅ~ような感じで、今回は3点ばかりスファレライトのルースを紹介したいと思いまする。

 

 

スファレライト

 

あ、これは以前に書いたスファレライトのブログでも紹介しました内容ですが、煌めくファイアってのは、ファセットカットが施されたカット石の魅力や美しさを表現する重要な要素となってまして、その美しさや魅力を楽しむ事ができる代表的な宝石としては「ダイヤモンド」が挙げられます。

 

ダイヤモンドの場合は基本的に透明無色がスタンダードとなっている為、特にファイアによる煌めきの美しさが際立ちますが、カラーストーンの場合には宝石の色合いであったり、多色性の有無であったり、稀少性であったり、そういう他の要素による印象や好みも生じ易いかとおもいまするよ。

 

ちゅ~ような感じで、参考までに自然界に存在する分散度の高い宝石をいくつか紹介しておきますね。

 

自然界に存在する分散度の高い宝石

 

  • アナテース:0.213~0.259程度(屈折率:2.488~2.497程度)

  • スファレライト:0.156程度(屈折率:2.37~2.47程度)

  • キャシテライト(透明な宝石質):0.071程度(屈折率:2.097~2.101程度)

  • デマントイド・ガーネット:0.057程度(屈折率:1.86~1.89程度)

  • スフェーン:0.051程度(屈折率:1.87~2.21程度)

  • アングレサイト(透明な宝石品質):0.044程度(屈折率:1.87~1.89程度)

  • ダイヤモンド:0.044程度(屈折率:2.41程度)

  • ベニトアイト:0.044程度(屈折率:1.757~1.804程度)

  • ジルコン:0.039程度(屈折率:1.780~1.925程度)

 

 

この中で宝石としてカット研磨されたルースとなるとスファレライト、デマントイドガーネット、スフェーン、ダイヤモンド、ベニトアイト、ジルコンの6種類がメインとなり、その中でもダイヤモンドを基準にした場合にはスファレライトの数値が突出していますね。

 

ちなみにアナテース(モース硬度:5.5~6)はルチルやブルッカイトと同質異像の鉱物種になり、その中で透明石は褐色系や灰色系の色合いをした稀少宝石になり、キャシテライト(モース硬度:6~7)の透明石は主に赤褐色をした稀少宝石になり、アングレサイト(モース硬度:2.5~3)の透明石は無色~淡褐色をした稀少宝石ですが、どれも宝石としての美しさというよりも主に鉱物や稀少宝石の愛好家さんや蒐集家さん向けのコレクターアイテムとなっています。

 

 

スファレライト

 

ちゅ~ような感じで、改めて今回のブログで紹介するスファレライトの中でも特にインパクトのある赤色系のスファレライトです。

 

スファレライトは意外にカラーバリエーションがある宝石で無色、黒色、褐色、赤橙色、橙色、黄色、緑色、灰色等が存在しますが、色合い的に稀少性が高いのは無色のタイプと赤色系と緑色系となり、黒色や灰色は宝石としてルースにカット研磨される事は殆どない色合いになり、スファレライトとしては橙色~黄色系の色合いをしたものがメインとなっているので何となくオレンジやイエローがイメージカラーなんじゃないかって思います。

 

もともと稀少宝石としてマイナーな扱いの存在だった事やデリケートでジュエリー等の装飾品向けの宝石でもなかった事から流通量としては以前よりも増えたとは言っても知名度の高い他の宝石に比べると選択肢が少なく、色合い、サイズ、カット形式の3要素の全てが好みとマッチするルースとの出会いはタイミングっていうか縁みたいなものがないと難しいかもしれません。

 

魅力的な宝石なのは事実ですが、同じようにダイヤモンド光沢と強いファイア(分散度)を持ち、更に大きな複屈折量と強い三色性を持っている上、モース硬度も5~5.5で劈開も一方向に明瞭という強度的な要素でも優れているスフェーンの方が同じくらいの時代に同じような稀少宝石としてマイナーであったにも関わらず人気が高くなって色合いやサイズやカット形式といった選択肢が多いのが少し涙な感じです。

 

ま、スフェーンとは別の宝石なので比較するのも何なんですが、あたし個人的には何だかライバル関係みたいな感じで同じように可愛がっているのであります。

 

 

スファレライト

 

ま、そんな事はいいんですが、スファレライトについての基本的な情報とかも紹介しておきます。 

 

【 スファレライトの情報や数値 】

 

  • 鉱物名:天然スファレライト
  • 宝石名:スファレライト
  • 和名:閃亜鉛鉱
  • 結晶系:等軸晶系
  • 産出形状:六面体結晶、斜方十二面体結晶、三角四面体結晶等
  • カラー:無色、黒色、褐色、赤橙色、橙色、黄色、緑色、灰色等
  • 透明度:透明~半透明(黒色石は不透明)
  • 光沢:ダイヤモンド光沢または樹脂光沢
  • モース硬度:3.5~4程度
  • 劈開:十二面体方向に完全
  • 断口:貝殻状
  • 比重:3.9~4.1程度
  • 偏光性:複屈折性、二軸性
  • 屈折率:2.37~2.43程度
  • 多色性:なし
  • 分散度:0.156(大)
  • 産地:スペイン、アメリカ、メキシコ、カナダ、ナミビア、イギリス、
       スウェーデン、フランス、ドイツ、オーストラリア等
  • 代表的なカット:主にファセットカットや不定形カボッション等

 

 

産地別に色合いに特徴がありますが、スファレライトのような稀少宝石の場合、色合いとサイズとカット形式の3要素が主な判断基準となると思うので、興味のある人は意識してお好みのスファレライトのルースとの出会いをお楽しみ下さい。

  

 

スファレライト

 

ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

腕時計の時間が進んじゃうの・・・

ΘεΘ

 

オーバーホールだな。

ΦωΦ

 

普段から使い慣れているものを身に着けないのは何か嫌だし苦手なの。

ΘεΘ

 

機械とかは仕方ないよ。

ΦωΦ

 

でもなぁ・・・

ΘεΘ

 

他にも持ってるじゃん。

ΦωΦ