猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

ベリル(特殊タイプ):Beryl(Inclusion Type)

ベリル

 

ミッドナイトに都心部、うん、渋谷とか六本木とから辺りを散歩する習慣がすっかりと定着、コース的には中目黒の方から代官山を経由して渋谷に行き、そこから明治通りを表参道の方に向かって進んで表参道で青山の方に右折、そこから青山を経由して青山霊園を通って乃木坂に出て六本木に向かう場合と青山霊園の方には向かわずに青山通りを赤坂に向かって進む場合とがあるんだけど、うん、まぁ、基本的にはそんな感じ。

 

それか御徒町へ中央宝石研究所とかに行く時なんかだと基本、もう御徒町から中央通りをひたすら銀座まで直進、その後、気分次第で日比谷公園か新橋を経由して虎ノ門に出て、東京タワーを眺めながら外苑東通で六本木に向かい、で、後は普段通りに乃木坂を経由して渋谷に向かうか、六本木通で左折して西麻布を経由して渋谷に向かうか、時々は気分で六本木ヒルズのところで六本木トンネルを通って青山に出たりもする訳だが、このようなルートで日々、そう雨が降ったり、体調が悪かったり、何か他に用事があったりしない限りは、そうね、1日に最低でも15km、ま~ま~歩いたなぁ~って時で40kmくらい歩いている。

 

そのような中で普段通り、至極当然、全く何にも考えないで今宵も渋谷に向かったのであるが、ハロウィンと呼ばれる祭典の只中であって、えぐい、えげつない、ちょ~半端ないっす的な大勢の群衆、その人混みに阻まれて、マジ、これ、すげぇ~人、ちょ、人、多過ぎじゃない?

 

みたいな感じの今夜、や、昨夜になるのか?

 

ま、どっちでもいいんだけど、そんな10月31日、日曜日のミッドナイトであった。

 

先日、青山を散歩している時、いつも注意深くポジションをキープして歩いていないと転げ落ちて大変な事になってしまうって思っているプラダの前を通ったんだけど、プラダのビルと歩道とは微妙に高さが違っていて、その微妙な違いを微妙に傾斜した芝生部分があり、やっぱり、ひゃ、危ない、肝を冷やしたぜ、まったく変なところに微妙な傾斜を付けるなよな、プラダめ・・・って思いながらプラダのビルを見た。

 

するとガラス面だったかにSINCE2003みたいな表示っていうかサインっていうかが記されておって、ん、もうプラダのビルができてから18年以上も経つんだ、うわ、マジかよ。

 

ちゅ~ような事を考えながら渋谷駅まで歩くと、や、もう渋谷の街って10年どころか5年、や、1年も経つと風景が変わる、青山にプラダができた頃、まだヒカリエも渋谷スクエアもなかったし、ちゅ~か、何だったら渋谷駅の東口んとこに東急文化会館ってのがあって、プラネタリウムとかがあったんじゃない?

 

みたいな話しになる訳なんだが、どれだけ過ごしても飽きる事がない街、どこまで変化しても落ち着かない街、どれだけ工事が完了しても終わらない工事が続く街、そんな魅力的で尽きる事のないエネルギーに満ち溢れた渋谷っていう街の緊急事態宣言とか営業自粛要請とかが全て解除された10月31日、日曜日、ハロウィンという状況を失念しておった、うっかりしておった、や、だって、ハロウィンとか特に関係ないっていうか、あんまり興味ないし、や、だって、ハロウィンって10月31日だったの?

 

や、ちゅ~か、ちゅ~か、ちょっと前まではコロナ禍とかで三密を避けようとか酒類の提供は何時までとか、や、や、そもそもお店の営業時間が夜8時とかだったじゃない?

 

スクランブル交差点から道玄坂、センター街と人と人との間に隙間がないっていうか、もう悪い意味で人が人を支え合っているような状態、しかも大勢の人が訳の分からない仮装をしておるし、確実にアルコールが入ってるし、めっちゃ警察官も出動しておるのに車道では都心部では30年くらい前に絶滅したと思っていた昭和スタイルの暴走族が爆音でオートバイを走らせておって、マジでカオス、この世の地獄、修羅の道、何だか分からないけど完全にトリック・オア・トリートであった。

 

ちゅ~ような感じで渋谷はとても刺激的な街だと改めて思い知らされると共にハロウィンなんて嫌いだ。ってなって帰ってきた話しを何か分からないんだけどここに書き残しておく。

 

 

インクルージョンによる特殊なベリル

ベリル

 

宝石の鑑別にて「鉱物名:天然ベリル」、「宝石名:ベリル」と記載されるベリルという宝石は色合いによって固有の正式な宝石名となる為、基本的には固有の正式な宝石名を持ったタイプは除外されます。

 

ちょっと雑談になりますが、鉱物名が天然ベリルとなるものの固有の正式な宝石名を持った代表的な宝石は下記のようなものがあります。

 

天然ベリルの中で固有の正式な宝石名を持っ宝石

  • エメラルド:透明~半透明の緑色をした宝石
  • アクアマリン:透明~半透明の薄~濃水色をした宝石
  • モルガナイト:透明~半透明の薄~淡ピンク色をした宝石
  • ゴッシェナイト:透明~半透明の完全な透明無色をした宝石
  • ビクスバイト(別名:レッドベリル):透明赤色をした宝石
  • ヘリオドール(俗称):透明な黄色~黄金色をした宝石
  • ヘリオドール(俗称):透明な黄緑色~薄緑色をした宝石
  • イエローベリル:透明な黄色をした宝石
  • ゴールデンベリル:透明な黄褐色~褐黄色系の黄金色をした宝石

 

もともとヘリオドールという宝石名は西洋に於いてギリシャ語の太陽を意味する言葉に因んで付けられた宝石名となり、現在でいうイエローベリルやゴールデンベリルに対して古くから用いられれてきた由緒ある宝石名だったのですが、1980年代頃から日本国内でプロモーションネームとして主に透明薄緑色~透明黄緑色系をした薄い色合いのグリーン系のベリルに対しての俗称として用いられた経緯があった事から誤解を招かないように正式な宝石名として「ヘリオドール」の名称は使われなくなりました。

 

従って、現在は天然ベリルの中でも宝石名がベリルとなるのは、色合い的に薄いグリーン系のタイプ、アクワマリンとするには色の薄いタイプ、ゴッシェナイトとするには僅かながら他の色味を感じるタイプ、モルガナイトとするには色の薄いタイプといった上記のような正式な固有の宝石名で扱うには色合い的に薄いもの(ゴッシェナイトに限っては無色ではないと判断されるタイプ)の総称的な宝石名となっています。

 

 

ベリル

 

そんな「鉱物名:天然ベリル / 宝石名:ベリル」の中で色合い的な要素ではなく特殊なタイプとして分類されるのが、インクルージョンが入る事でパッと目ではベリルという宝石とは思えないタイプのベリルとなり、今回のブログではそんな特徴的なインクルージョンタイプのベリルとなります。

 

画像の1枚目が正面から撮影した状態になり、モヤモヤとした金属光沢を感じる灰褐色~茶褐色の色合いをしているのが何となく分かるかと思います。

 

画像の2枚目は側面から撮影した状態になり、ベリルの鉱物的な特徴である多色性(明るい二色性)によって、色合い的にはアクワマリン系のブルー系をした地色の中に微細なインクルージョンが全体的に入っているのが分かるかと思います。

 

こうした金属光沢を感じるインクルージョンが見られるベリルは1990年代頃までは主にブラジルで産出するものの一部で見られ、それ以降はナイジェリア等のアフリカで産出するものにも見られるようになった特殊なタイプとなります。

 

宝石学ではカット研磨されたルースの宝石鑑別をする為、インクルージョンに関しては特に記載はありませんし、それによって何らかの正式な固有の宝石名になる訳でもない為、具体的にインクルージョンが何であるのかは不明となっていますが、イルメナイト(和名:チタン鉄鉱)、ゲーサイト(和名:針鉄鉱)やレピドクロサイト(和名:鱗鉄鉱)といったリモナイト(和名:褐鉄鉱)といった鉱物がインクルージョンとなっています。

 

こうしたインクルージョンとなっている鉱物は通常は異物として宝石の評価に影響する瑕疵的な扱いとなるのですが、今回のブログで紹介する各ルースは全体的に入ったインクルージョンによって本来のベリルとは違った印象と独特の表情を持ったタイプとなり、マニアックなコレクター向けのルースとなります。

 

ちょっとベリルという宝石とは思えない個性的なベリル達を紹介していきます。

 

 

ベリル

 

もけもけとした感じのベルベットのような質感に加え、見る角度や光の当たり方によって特有の金属光沢を楽しめるのが特徴で単純に色合いの濃淡であったり、その色合いの美しさであったりを楽しむ他のベリル種のエメラルドやアクワマリンやモルガナイト等の宝石群とは全く違った楽しみ方ができます。

 

今回のブログで紹介するルースは全てブラジル産のものになりますが、内包するインクルージョンが褐色系になる為、見た目的には褐色系の色合いをしており、華やかさという意味では地味な印象とはなるものの豊かな表情と存在感のある大粒サイズとなる事から目を惹くんじゃないかって思います。

 

稀少性が高いタイプなのでコレクション向けとはなるもののジュエリー等の装飾品として着用しても何の問題もないルースになり、何気にメインストーンにしてメレダイヤで周囲を取り巻いた宝飾系のペンダントなんかにすると見映えが良さそうです。

 

う~ん・・・どれか一点くらいジュエリーに加工しちゃおうかなぁ・・・って思わなくもないのですが、今回のブログで紹介する3点しか所有していないルースになるので、そこはお客さまの好みでコレクション用のルースとしてもジュエリーとして身に着ける事のどちらの選択肢も選べるようにルースでの販売ですね。

 

 

ベリル

 

このタイプのベリルはカット研磨してルースに加工する際、敢えてインクルージョンによる独特の金属光沢であったり、見る角度や光の当たる角度によって印象が変わる特徴を活かしてルースの正面から見た時に母岩となるベリルの色合いよりもインクルージョンによるボヤボヤとした雰囲気の褐色系の色合いに見えるようになっています。

 

その為、ベリルそのものの色合いはルースの側面方向から眺めないと何色なのか分からないようになっており、宝石鑑別書には透明褐色といった感じにルースの正面から見た色合いが記載されます。

 

比較的にインクルージョンが少ない似た感じのベリルなんかもありますが、全体的に均一に近い状態でインクルージョンが入った原石は稀少な上、そうした原石から意図的にインクルージョンによる金属光沢を感じる光彩効果や色合いを重視したカット研磨が施されたルースは非常に珍しいものになり、特に綺麗なものになる程、サイズ的にも小さなルースを何点もカット研磨するのではなく大き目なサイズのルースにカット研磨されていますが流通性は低いものとなります。

 

全体的に均一に近い感じでインクルージョンが入っていない場合やルースの部分的に入っている場合なんかは小さ目サイズのルースとしてカット研磨が施されており、多少ですが市場での流通が見られます。

 

 

ベリル

 

最後に紹介するのは最初の2点よりも赤味があるタイプになり、この色の違いはインクルージョンの化学変化(主に酸化)によるものになります。

 

インクルージョンによる独特の金属光沢を感じるモヤモヤとした光彩効果が見られるものの基本的に宝石名としてはベリルに分類される為、各種の情報に関してはベリルと同じですが、参考までに記載しておきます。

 

天然ベリル(宝石名:ベリル)

  • 鉱物名:天然ベリル
  • 宝石名:ベリル
  • 和名:緑柱石
  • 結晶系:六方晶系
  • 産出形状:長柱状結晶・短柱状結晶
  • カラー:固有の宝石名では呼ばれないタイプのベリル全般
  • 透明度:透明
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:7.5~8
  • 劈開:不明瞭
  • 断口:貝殻状もしくは不平坦状
  • 比重:2.68~2.78
  • 偏光性:複屈折性
  • 多色性:二色性
  • 産地:ブラジル、ナイジェリア等
  • インクルージョン:微細包有物、液体包有物等

 

そんなに流通性のない稀少タイプになる為、キャッツアイやスターといった光彩効果を持ったルースは目にした事がないのですが、キャツアイやスターといった光彩効果を持ったルースの場合には透明石ではなくて半透明石となります。

 

 

ベリル

 

ちゅ~ような感じで、今回はあまり市場に流通していないタイプの少し珍しい感じのベリルを紹介しました。

 

や、そうそう、そんなに珍しい宝石とか目にする機会の少ない稀少宝石とかを続々とは紹介できないので何なんですが、これからも折を見て珍しいルースを紹介したいと思っております。

 

じゃ、ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

渋谷のハロウィンは滅んでなかったんだ?

ΘεΘ

 

もう廃れた行事だと思っていた。

ΦωΦ

 

渋谷とハロウィンを甘く見たね。

ΘεΘ

 

ハロウィンなんて意識してなかったんだもん。

ΦωΦ

 

おまへの意識とは関係ない。

ΘεΘ

 

ですよね。

ΦωΦ

 

お疲れ。

ΘεΘ