本格的な宝石や稀少宝石ばかりだと何なので趣向を変えて・・・ちゅ~か、思いっ切り人造宝石が続いてましたが、今回は天然石の扱いとなる「フローライト(フルオライト):Fluorite」についての記事を書こうと思います。
フローライトは鉱物的に結晶の形状が整った多面体や葡萄状でカラーバリエーションも豊富な上、産地による印象の違い、それに代表的な蛍光鉱物である事からカット研磨されたルース以上に鉱物標本としても人気の高い鉱物になるんだね。
ジュエリー等に用いられる宝石の扱いにはならないのですが、コレクションピースとしてカット研磨が施されたルースやアクセサリー向けのビーズやルース等のバリエーションもあり、多くの愛好家さんや蒐集家さんがいますが、やはり鉱物標本としての人気がもっとも高くなります。
あたしの場合、カット研磨されたルースをメインに取り扱っている為、そんなに鉱物標本には興味がありませんが、一時期、いろいろな蛍光鉱物のルースを好んで蒐集していた時期があったので、見映えの良い大粒サイズのルースを少しだけ取り扱っているんだよ。
ちゅ~ような感じで、フローライトについての記事を書いていきますね。
フローライトってどんな鉱物なの?
鉱物としては世界各地の様々な地域で産出し、産地によって特徴の違いが明瞭なものも多い事や多彩なカラーバリエーションと「フルオレッセンス」と呼ばれる蛍光性を持つ事、鉱物標本としては特徴的で比較的に流通量が多くリーズナブルである事から、特に近年は鉱物標本として石の蒐集を楽しまれる多くの人や愛好家さんに支持されていますね。
こちらのグリーン系の色合いをした立方体が組み合わさったようなフローライトの原石は、フローライトの産地としては人気の高いイギリス(イングランド)のロジャリー鉱山から産出するタイプとなり、この記事のタイトル画像のように紫外線ライトを照射する事で鮮やかで幻想的なブルーに蛍光するんですよ。
鉱物として見た目の造形美が感じられ、透明感のある多彩な色合いを持ち、蛍光性と蛍光色があるので、鉱物標本の中では彩りがあって程々の大きさとなる事から、愛好家さんや蒐集家さんが多いのも納得ですね。
こちらは鮮やかなバイオレットカラーをしたメキシコ産のパープルフローライトになりますが、こうした感じでフローライトには、色合い、産地、蛍光性、結晶の形状、サイズといった多くの選択肢があり、鉱物標本としてだけでなくカット研磨されたコレクション向けのルース、アクセサリー向けのルースやビーズといったものまで幅広い楽しみ方ができるのが魅力になっているんですよ。
フローライトの参考的な情報や数値データ
世界各国の様々な地域から産出する事や色合いやタイプによって特性が異なるので、あくまで参考値ですが、一般的なフローライトの情報や数値データを紹介しておきますね。
【 フローライト(フルオライト):Fluorite 】
- 鉱物名:天然フルオライト
- 宝石名:フルオライト
- 補足:フローライトと呼ばれる事もあります。
- 和名:蛍石
- 結晶系:等軸晶系
- 産出形状:八面体結晶、六面体結晶、双晶、塊状等
- カラー:無色、紫色系で濃淡あり、緑色系で濃淡あり、青色、黄色、橙色、
褐色、ピンク色、斑模様、縞模様等 - 透明度:透明~半透明
- 光沢:ガラス光沢
- モース硬度:4程度
- 劈開:4方向に完全
- 断口:平らな貝殻状
- 比重:3.18程度(タイプによって3.0~3.25程度)
- 屈折率:1.432~1.434程度
- 偏光性:単屈折性
- 多色性:認めず
- 蛍光性:色合いやタイプによって異なる
- 分光性:特に必要な吸収を認めず
- インクルージョン:液体、キャビティー、微小、藻状等の包有物
こんな魅力的なフローライトですが、ジュエリー等に使われるような宝石として扱われない最大の理由がモース硬度が低く劈開がある為、とてもデリケートな鉱物になる事に加えて、鉱物的には稀産ではなく稀少性という意味では必ずしも稀少性の高い鉱物ではないからなんだね。
宝石は美しさだけでなく、稀少性や硬度といったポイントも含まれる為、基本的にはフローライトは天然石の扱いとなり、ごく一部の殆ど瑕疵が存在しない透明度が高い高彩度の大粒なルースのみが稀少石として扱われます。
フローライトのコレクション向けにカット研磨されたルース
最近は鉱物としても人気が高まり、カット研磨されたコレクション向けのルースとしてもサイズや品質よりも産地や色合いが重視される傾向が強まった事から、個々の好みや感覚でいいと思いますが、基本的にはカット研磨されてルースの状態になる事で鉱物標本とは違った美しさが求められるんですよ。
ちゅ~ような時代や需要の変化はありますが、そうはいっても鮮やかな色合いや瑕疵等の少なさや透明度の高さといった品質的な要素とカット研磨のクオリティーが重要なポイントになり、そんなに稀産の鉱物でないが故にサイズ的には大きくないと稀少石の扱いにはならず、必然的に産地も限られたものになっていました。
【 ブラジル産フローライト:ピーコックカラー 】
堂々たるサイズのブラジル産となる通称:ピーコックカラー(青緑色)をしたフローライトのルースとなり、コーンケープカットという細かな刻みのように見えるスタイルのカット研磨が施されていますよ。
フローライトはモース硬度が低く、劈開の関係もある非常にデリケートな鉱物になるので、美しい煌きを見せるようなファセット系のカット研磨にしたルースは全てコレクション向けのルースとなりますが、見た目の美しさだけでは宝石にも見劣りしませんね。
全てのフローライトが蛍光性を持っている訳ではありませんが、フローライトのひとつの大きな特徴となっている蛍光性はフルオレッセンスと呼ばれ、ピーコックカラーのルースに紫外線ライトを照射する事で幻想的なブルーの蛍光色が見られます。
美しくカット研磨が施されるルースの場合、こうした鉱物の特徴的な要素を強く持っている事も重視されるので、品質や大きさ等も含め稀少石として扱われるんですよ。
【 イギリス(イングランド)ロジャリー鉱山産フローライト 】
単色系のフローライトの中でも結晶形状の美しさや良質な品質の原石が産出する事で有名なイギリス(正確にはイングランド)のロジャリー鉱山産のスタンダードながらも美しいグリーンカラーをした大粒のルースになります。
この産地のフローライトは強いフルオレッセンスを持つ事でも知られ、普通の状態で見られるグリーン系の色目とブルーの蛍光色の劇的な違いが楽しめます。
宝石や稀少宝石の中にも蛍光性を持つものは多く、それが好まれる場合と好まれない場合がありますが、フローライトに関しては蛍光性が強いもの程、好まれる傾向がありますね。
あたしも蛍光鉱物は基本的に好きなので、蛍光色が鮮やかで劇的に違う色だと何気に嬉しいです。
【 ナイジェリア産フローライト:カラーチェンジ・フローライト 】
あたしの取り扱っている宝石や稀少宝石、それに天然石の殆どが1990年代半ばから200年代の半ばに海外のジェムショーで買い付けてきたものになるので、その時代と比べると何ですが、当時、フローライトに関してはカット研磨されたルースって目にする機会が少なかった気がします。
そんな中で一目見て気に入ったフローライトがこのカラーチェンジタイプのフローライトになり、正直、それ以外は何となくの気分というかバリエーション的に少し良いルースがあれば買っておこうかな・・・って感じだったんだよ。
自然光や蛍光灯といった光源の下では、あたしの大好きな鮮やかで透明感のある美しいブルーのフローライトですが、白熱灯や炎といった光源の下では鮮やかなパープルにカラーチェンジするタイプになります。
このカラーチェンジタイプのフローライトに関しては稀少性が高い事から最初から天然石としてではなく稀少石として取り扱われるんですよ。
あたし自身、特に天然石は好まないという訳ではないので、宝石であれ天然石であれカット研磨された何らかの特徴的な魅力を感じたものは何でも好きなんです。
ちゅ~ても、そこは宝石でも天然石でも品質やサイズによる稀少性の違いや価値や評価といった基準が変わってくるので、ピンキリじゃない?
そんな事もあって、大粒サイズで品質の良いものを中心に取り扱っているし、そんなに知られていないマニアックな稀少宝石や稀少石なんかを好んでいるんですよ。
今回は、天然石として取り扱われるタイプが中心になっている上、カット研磨されたりしていない鉱物標本のような原石の方が人気の高いフローライトの記事って事で知識不足なところもあり、最初に思っていた以上に書き難い記事になってしまいましたが、やっぱり、どんな石であっても魅力的なものは改めて、その魅力を実感しちゃいますね。
現在は膨大な数量の宝石や稀少宝石、稀少石、天然石を販売する立場になっていますが、こうした様々な石の魅力をブログを通じて発信できればいいなぁ~って思ってます。
ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。
ΦωΦ
ちょっと最後にまともな事を書いたね。
ΘεΘ
いつも真剣に書いているちゅ~の。
ΦωΦ
あたしら石が大好きだからね。
ΘεΘ
おまへはジュエリー製作が好きだろ?
ΦωΦ
どっちも好き。
ΘεΘ