猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

ヘミモルファイト:Hemimorphite

ヘミモルファイト

 

月初に池袋で開催されていた東京ミネラルショーも終わりましたが、今年は宝石の国の影響もあってか大盛況、多くの人で賑わっていたみたいっすね。

 

ミネラルよりもジェムストーン、鉱物標本よりもカット研磨されたルース、鉱物種よりも宝石種を重視、そうした宝石のルースなんかがメインとなっているあたしの場合、あまりミネラルショーに行く事はないのですが、多くの愛好家さんや蒐集家さんなんかが楽しまれた事と思います。

 

同じ石好きであってもルースの場合は宝石学、鉱物標本や原石の場合は鉱物学に基づいているので、微妙に嗜好性や価値観が違っているから、そこでは重視するポイントが違っているし、出展する業者さんも陳列されて販売されている鉱物なんかも違っているんだけど、やはり、そこは鉱物、石が好きっていう共通するところがありますね。

 

あんまり宝石屋さんやルースの販売業者さん等は出展していないもののマニアックな鉱物や宝石なんかのルース、宝石屋さんでは力を入れて扱っていない小粒サイズのルースなんかを気軽に見たり触れたりできるので、そうした気軽さはあるんじゃないかしら?

 

ただ、あまり王道的な宝石のルースやマニアック過ぎる宝石のルースなんかは少ないし、そもそもルースの販売をしている業者さん自体が少ない上、知識的にも宝石学よりも鉱物学に基づいた判断で販売している業者さんが多くなるから、特にルースに関しては微妙というか明らかに宝石の国を意識した宝石名で販売している業者さんも多く、やっぱ、フィールドが微妙に違っているっすね。

 

こうしたイベントを切っ掛けにカット研磨されたルースのファンが増えるといいなぁ~って思っていますが、宝石のルースだと鉱物標本よりも高価なものが多くなるから、なかなか若い方にはハードルが高いっすよね。

 

宝石の国に出てくる宝石のセットみたいなのが、800万円くらいで販売されていたようですが、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、アレキサンドライトとかの王道の宝石ルース、稀少宝石の中でも別格クラスや大粒サイズになると1pcの価格が、それ以上になるものも少なくないから、その意味ではセットで800万円ってのは特別に高価という感じではなかったりします。

 

微妙に同じ石好きであっても分野が違うとファン層も異なるから何とも言えませんが、鉱物って、いろいろな楽しみ方や選択肢があっていいですよね。

 

ちゅ~ような感じで、いろいろな事を考えたりしますが、狙っていた鉱物や気に入った鉱物標本なんかを紹介されているのを見ると、楽しんでいる様子や喜んで満足している様子なんかの雰囲気が滲み出していて、あたしみたいな少しばかり毛色の違う宝石やルースの愛好家さんであり蒐集家さんであっても、微笑ましいというか嬉しい気持ちになります。

 

 

ヘミモルファイトという鉱物・宝石について

ヘミモルファイト

 

ヘミモルファイトってカット研磨されたルースよりも鉱物標本とかの方が圧倒的に知名度が高くなっている鉱物になるんですが、幻想的な独特の揺らぐような美しい水色系のタイプはカボッション系のルースで稀に見掛ける、かなり稀、滅多に見掛けないような気がするけどね。

 

ラリマーとか、ヴィクトリア・ストーンとか、まぁ、鉱物的には違うっちゅ~か、ヴィクトリア・ストーンは人造宝石だったりするのですが、ブルー系で揺らいだように見える柄模様、或いは実際に変彩効果を持っている宝石の場合、熱狂的なファンが付き易いっちゅ~か、結構、好まれる方が多いんですよね。

 

よく分からないけど、きっと、イルカとかクジラとかが好きでファンシーとファンタジーの狭間的な要素、フワッとした話しですが、そういう感じの癒される的な印象がある何かっちゅ~か、ま、何となく、そんな感じを好まれる方には人気がありそうですね。

 

ま、ちゅ~ても、勝手な印象ですけどね。

 

鉱物としては知名度も高いし、これも宝石の国に出てるキャラクター名になっているから、もう完全に勝ち組、もともと構造的に鉱物標本なんかの愛好家さんや蒐集家さん達だったら知っている中、宝石の国によって違ったファン層も獲得したと思うので、いい感じのポジションを確保したんじゃないかな? 

 

【 ヘミモルファイトの特徴や数値 】 

  • 鉱物名:天然ヘミモルファイト
  • 宝石名:ヘミモルファイト
  • 別名:カラミン
  • 和名:異極鉱
  • 結晶系:斜方晶系
  • 産出形状:卓状結晶、小柱状結晶、扇状集合
  • カラー:白色、無色、淡青色、帯緑色、帯黄色、灰色、褐色
  • 透明度:透明~半透明
  • 光沢:鈍いガラス光沢、絹糸光沢
  • モース硬度:4.5~5程度
  • 劈開:一方向に完全
  • 断口:亜貝殻状、平坦状
  • 比重:3.4~3.5程度
  • 偏光性:複屈折性(潜晶質反応)
  • 屈折率:1.614~1.636程度
  • 多色性:微弱な三色性
  • 分光性:吸収特性なし
  • インクルージョン:特有の構造
  • 産地:メキシコ、アメリカ、ブラジル、ナミビア、コンゴ、中国等
  • 補足:無色透明石がメキシコで産出するが稀産稀少

 

その他の情報としては、しばしば「ヘミモルファイト(和名:異極鉱)」って、「スミソナイト(和名:菱亜鉛鉱)」と混同される事があり、その両者に共通した「カラミン」という別名で呼ばれる場合があるって事っすけど、あまり宝石として扱われない、カット研磨されたルースよりも結晶構造や色合いの妙味から鉱物標本としての人気の方が高いし、最近ではヘミモルファイトとスミソナイトも個別で扱われる事が殆どなので日本国内では「カラミン」の別名で呼ばれる事は少ないんじゃないかなぁ。

 

カット研磨されたルースとしては、主にカボッション系のカット研磨になっていて、ヘミモルファイトの場合は稀少種として透明無色のタイプがあるものの代表的な色合いとしては半透明薄青色~淡青色~水色系の独特のボヤボヤとした滲むような色合いをしたものになり、次いで彩度の低い半透明帯緑色系のタイプが主になっているのに対して、スミソナイトの場合は同じくカボッション系のカット研磨ながらも色合い的には半透明ベージュ色~ピンク色が主になっていますよ。

 

ヘミモルファイトの和名の通り、異極像(タブルターミネーテッド)と呼ばれる晶癖、結晶の構造に由来した名称になり、同様の晶癖をした鉱物だと天然トルマリンなんかの結晶も異極像になっちょりますね。

 

 

雑談:宝石の国に登場する宝石なんかのルース 

ヘミモルファイト

 

ちょろっとだけ宝石の国に話しが触れたので、ヘミモルファイトとは関係ないんだけど宝石の国に出てくる宝石の雑談をするっす。

 

あたしの場合は鉱物標本とか原石なんかよりもカット研磨されたルースがメイン、それは系統的には鉱物学じゃなくて宝石学に寄ったスタンスっちゅ~事になるんだけどね、宝石の国に登場する宝石の中でルースとして考えると稀少宝石、稀少石、宝石、天然石、その他の鉱物って感じに分類できて、まぁ、カット研磨されたルースの場合、そもそも宝石質である事が条件なので前提として最初から稀少は稀少なんですけどね。

 

それでも例えばカット研磨する事が難しい石、サイズ的に大粒サイズの結晶が殆どない石、産出量が少なかったり枯渇しちゃったりな石なんかが稀少宝石になり、そうした訳ではないけど基本的に古くから価値を見い出され珍重されてきた石なんかが宝石になり、宝石という扱いにはならないものの稀少性が高くなる要素を持った稀少石、そして基本的には宝石として扱われる事は少ないものの古くから珍重されてきた天然石って感じで区別されているかなぁ。

 

【あくまでカット研磨されたルースとして考えた場合】】 

  • 稀少宝石:フォスフォフィライト、ユークレース、
         レッドベリル(ビクスバイト)、ベニトアイト等
     
  • 宝石:アレキサンドライト、ダイヤモンド(金剛)、イエローダイヤモンド、
       モルガナイト、ゴッシェナイト(ゴーシェナイト)、ジルコン、
       パパラチアサファイア、ウォーターメロン・トルマリン、
       ジェード(ジェダイト)等

  • 稀少石:ルチル、ヘミモルファイト、スフェーン等

  • 天然石:アメジスト、ペリドット、オブシディアン、
        ボルツ(ブラックダイヤモンド)等

  • その他の鉱物:アンタークチサイト、ネプチュナイト、シンシャ(辰砂)等

 

 

ちゅ~ような感じに分類されると思いますが、ペリドットなんかは以前は半貴石と呼ばれる天然石の中でも宝石寄りとなる石になるし、ボルツ(ブラックダイヤモンド)は産業用鉱物として扱わる場合の方が多いですし、産地によっては稀少石や稀少宝石として扱っても問題ないような石もあるので、あくまで宝石業界での一般的な分類って感じっすよ。

 

その他の鉱物って扱いにしてあるのは基本的にカット研磨されたルースが存在しないというか、一般的にルースとして流通する事がない石、鉱物として扱われるタイプのものになりますが、これら以外にもあたしが知らないだけで様々な石が登場しているんじゃないかしら?

 

入手難易度って意味では、単純に高価だからって理由を除外して考えた場合、当然ながら稀産稀少な宝石になる程、入手難易度が高くなりますね。

 

カット研磨されたルースの場合、基本的に宝石学に基づいた宝石名が正式な宝石名になるから、その意味では「ゴッシェナイト」と「パパラチアサファイア」の二種類の宝石は宝石鑑別機関の基準でゴッシェナイトやパパラチアサファイアという扱いの宝石として判断されない場合が多くなりますよ。

 

宝石屋さんや宝石をメインとしたルース販売店でないところで販売されているルースは、宝石学ではゴッシェナイトやパパラチアサファイアの扱いにはならない可能性が高いので、ちょっと注意が必要かしら?

 

いろいろな展示会やイベント、或いはショップ等で購入しても実際には宝石鑑別書を作成すると違う宝石名になる場合が多いので、この二種類の宝石に関しては特に注意が必要なんだけど、販売する方も違いが分かっていなかったり、知識が乏しくて意図的ではなく、知らずに普通に間違ったものを販売している場合もあるから、間違いないものを望まれているなら少なくても簡易ソーティングくらいはしてあるルースを選んだ方がいいっす。

 

ちゅ~ても、どこの宝石鑑別機関の簡易ソーティングや宝石鑑別書が付属しているかとかまで言い出すとキリがないので、どこまで拘るかは各々の判断になってしまうんですけどね・・・

 

 

 ちゅ~ような感じで、ヘミモルファイトのルース

異極鉱

 

基本的には好みなのですが、代表的なブルー系の色合いをしたルースがもっともヘミモルファイトらしさを感じる事ができると思います。

 

彩度の低い帯緑色系のルースは何だか地味な印象が強く、華やかさに欠ける部分があるのですが、それはそれで好みの問題なので別に問題ないっすよ。

 

最近は中国産のタイプで比較的に鮮やかな色合いを持ったルースなんかが増えてきましたが、コンゴやナミビア等のアフリカ産のタイプが品質的にも色合いや彩度、独特のボヤボヤとした雰囲気の全てが良いので、あたし的にはお薦めです。

 

あまりモース硬度も高くない上、劈開も一方向に完全という事もあり、すこしばかりデリケートな鉱物であり宝石になりますが、ジュエリーに加工できなくもない石となっています。

 

さすがにフォスフォフィライトやユークレースは、ま、現在は宝石の国による効果もあるかと思いますが、もともと手に入り難かった上、さらに手に入り難くなってしまったので、ジュエリーに加工する以前の問題だったりしますが、実用的な意味でも装飾品ととして着用するには適していない稀少性の高い宝石って感じっすね。

 

他の宝石でもカット研磨されたルースとなると高価なものとか、カット研磨されたルース自体が少ないものもあるから、なかなかルースでのコンプリートは難しいと思いますが、何かを少しずつ探して集めるのって楽しい事ですよね。

 

ほんと、石との出会いって縁とかタイミングみたいなものなので、ブームとか関係なく気に入ったものは迷わず買っておいた方がいいと、あたしは思う。

 

ちゅ~ような感じで、ヘミモルファイトのルースは2018年になってから販売を開始すると思いますが、ま、あくまで何となくの予定ですね。

 

またブログの更新頻度が落ちちゃいそうな感じですが、ボチボチと書いていきたいと思っているって事で、ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

そろそろ録り溜めた宝石の国のアニメを観る?

ΘεΘ

 

そだね。

ΦωΦ

 

もう今年も1ヶ月を切ってるしね。

ΘεΘ

 

ちゅ~か、年内に出せる商品とかあるの?

ΦωΦ

 

あるけど、きっと出さないと思います。

ΘεΘ

 

マイペースっちゅ~か、スローペースだなぁ・・・

ΦωΦ