お気に入ったものになればなる程、それを使わずに大事に保管しておく習性がある。
これは蒐集癖とも密接な関係があるのだが、ものによっては収容スペースであったり、維持管理に掛かるコストであったり、或いは自身のライフスタイルやプライオリティなんかの変化によっても変わってくるので何とも言えないのだが、あたしは基本的に気に入ったもの程、隠し持って大事に保管する傾向が強いのである。
今年の夏、長引くコロナ禍で何とも言えない閉塞感が漂う中、2001年に当時のガールフレンドから誕生日だったかクリスマスだったか思い出せないのだが、そんな何かの機会にプレゼントとして頂いたドルチェ&ガッバーナ、うん、当時はD&GっていうブランドのラインであったTシャツを開封、これを結構な頻度で着用しておった。
たかがTシャツである。
たかがTシャツであるにも関わらず、20年間も一度も着用しないで保管しておった訳であるが、このような感じでプレゼントとか自分で購入したとかに関わらず気に入ったものは時が来るまで・・・っていうか、その時が来ないと分からないので時が来るかどうかも定かではないのであるが、ま、そんな感じが極めて普通、それが通常って感覚なのである。
ずっと体型が変わっていない事もあるので洋服もお気に入りのものは基本的に着用しないっていうか、そんな気に入った洋服を着たいけど大切だからこそ着たくない代用として2番目に気に入ったよく似たデザイン、或いは全く同じものをもう一着用意、それを着るという何とも訳の分からない人生を送っている。
しかしながら、あたしも半世紀ばかり生きた、もう生まれて半世紀という世代となり、や、マジ、もうそろそろ使っていく側、そっち側のサイドでお気に入りのものを溜め込むのではなく使用していく人生を送ってもいいのではないか?
って思い始めたので、ごそごそと洋服を漁ってみたりするのは季節的に夏から秋へと移り変わり、そろそろ衣替えな感じだったからであるのだが、Tシャツでさえも20年も寝かすくらいの筋金入りの人なのでジャケット、特にレザージャケットなんかに至っては余裕で一回も着用した事がないお気に入りのアイテムが眠っておって、それを改めて眺めるとデザインが素敵、とっても気に入ったのであろう過去の自分を褒めて称えたい気持ちで満ち溢れてきちゃって、更に愛着が湧いてきちゃって、そのまま再び封印、永い眠りに就く・・・みたいになっちゃいそうで、あわわ、これはいかん、や、もう使用していく側の人間、そっちサイドになろうって思ったじゃん。
ちゅ~ような感じで、しゃ~ないので、もう本当に無理無理、我慢に我慢を重ねて、ある意味、もう信念を曲げるくらいの感じで何年か前に購入した比較的に最近の寝不足な感じがしなくもないリックオウエンスのレザージャケットを渋々ではあるが今年から着ようかと思っている。
もちろん、それ以上にお気に入りのが眠っているからである事は言うまでもなかろう。
こうした習性、或いは傾向はポケモンGOでも具現化しており、個体値100%とかの好きな感じのポケモンがいたら敢えて寝かせておき、わざわざ個体値98%とか96%とのナンバー2のポケモンを強化、育成し、これをヘビーローテションで使用しており、マジ、もうナンバー1ってのは逆に必要なのかとか思ったり・・・するような性格であれば、このような習性、或いは傾向を持ってはいない。
生きるという事は本当に難しいものであるが、結論としてはナンバー1を大切にする人は結果的にナンバー2との付き合いの方が深く長いものとなりがちだと言えます。
え~っと・・・なんじゃそりゃ。
パライバトルマリン・イン・クォーツ:Paraiba Tourmaline In Quartz
今回のブログで紹介するのは「パライバトルマリン」の柱状結晶が貫入した状態の水晶や柱状結晶の一部を残してカット研磨された状態のクォーツとなります。
通常、インクルージョン系のクォーツ類の多くはクォーツの成長過程で他の鉱物が内包物(インクルージョン)として取り込まれた状態のものとなりますが、パライバトルマリン・イン・クォーツの場合、稀少性の高いパライバトルマリンがメインになる為、パライバトルマリンの柱状結晶が貫入した状態のクォーツという扱いになる事から厳密には「パライバトルマリン・イン・クォーツ」という表現は通称的なものとなっています。
パライバトルマリンの柱状結晶といった原石は産地に関わらず殆どの場合、クォーツを母岩としていますが、クォーツといっても透明無色の水晶ではなく、半透明~不透明の石英になる為、パッと見の印象としては半透明~不透明の白色~乳白色のような色合いをしたクォーツに青色~水色系のパライバトルマリンの柱状結晶が入った色合いのコントラストや柄模様の雰囲気を楽しむタイプのルースになります。
主に2パターンのタイプが存在し、ひとつは半透明~不透明の水晶に対して柱状結晶のパライバトルマリンがルースの表面から裏面まで貫入しているタイプとなり、もうひとつは貫入タイプを横向きにした状態でカット研磨してパライバトルマリンの柱状結晶がルースの表面に部分的に見えるようにした状態のものになります。
ルースの表面から裏面までを貫くようにパライバトルマリンの柱状結晶が見られるタイプはトルマリン特有の柱状結晶が確認できる事や柄模様や色のコントラストを強く感じられるのが特徴になり、ルースの表面にパライバトルマリンの柱状結晶の一部が残された状態でカット研磨されたものはパライバトルマリンの柱状結晶が確認できない代わりに比較的にルース表面の広い範囲にパライバトルマリンが見られる事や柄模様や色のコントラストが楽しめるのが特徴です。
ルースとしては入っている稀少性の高いパライバトルマリンの色合い、比率、ルース全体として見た際の景観性が価格に影響し、パライバトルマリンの柱状結晶が貫入している状態のルースの方が鉱物学的な魅力も感じ易い事からルースの表面に部分的にパライバトルマリンが見られるものよりも稀少性が高い事もあって価格的にも高めになります。
それ以外にも半透明~不透明のクォーツの透明度が高かったり、ルース自体のプロポーションやサイズなんかも価格に影響する要素になりますが、パライバトルマリン単体ではなく母岩となるクォーツも含まれたルースになる事から見た目の雰囲気や直感的な好みを重視した石選びをすれば良いかと思います。
ここまでに紹介した2点の画像は水晶の表面から裏面までパライバトルマリンの柱状結晶が貫いている貫入タイプのルースになり、パライバトルマリンの柱状結晶がパッと見で確認できるのが分かるかと思います。
また最初の1枚目の円形をしたルースと2枚目の楕円形をしたルースでは同じ貫入タイプとは言え、貫入しているパライバトルマリンのグレードが大きく異なっており、1枚目の円形をしたルースに貫入したパライバトルマリンの方が色合いが濃く鮮やかとなっており、より稀少性の高いグレードのパライバトルマリンとなっています。
パライバトルマリン自体が特にブラジルでの産出が殆ど途絶えている事もあり、モザンピークやナイジェリアといった新産地での産出はあるものの色合い的に濃く鮮やかでトルマリン独特の光沢感(テリ)やネオン感のある良質なものは少なく、現在では色合いの薄いものや淡いもの、それに小粒サイズのものがメインとなっています。
その為、こうして以前までは見掛ける事が殆どなかったパライバトルマリンが貫入したクォーツだったり、部分的にパライバトルマリンが入ったクォーツを母岩ごとカット研磨してルースとして流通するようになってきました。
ルース全体でパライバトルマリンの占める割合が少ない為、通称的には「パライバトルマリン・イン・クォーツ」といった呼称で呼ばれていますが、宝石学上では「鉱物名:天然クォーツ」&「宝石名:クォーツ」等と分類され、宝石鑑別書でも記載も同様となっています。
今回のブログで紹介する全てのルースはブラジル産のものになり、鉱物標本的な扱いの原石をカット研磨したルースになりますが、鉱物標本の場合は母岩付きのパライバトルマリンは非常に人気があり、高価な部類のものとなる為、もしかするとカット研磨しない鉱物標本的な状態の方がニーズが高かったかもしれませんが、ジュエリー等の装飾品として普段から身に着けられる楽しみもできるのでカット研磨してカボッションのルースとして猫車さんのオンラインショップで販売中です。
パライバトルマリン・イン・クォーツの場合、他のインクルージョン系となるクォーツと違って、メインはパライバトルマリンで水晶に関しては母岩という扱いになる為、パライバトルマリンの部分とクォーツの部分では鉱物的な情報が異なっています。
そこで今回はパライバトルマリンの情報とクォーツの情報を分けて紹介しておきますね。
【 パライバトルマリン / Paraiba Tourmaline 】
- 鉱物名:天然トルマリン
- 宝石名:トルマリン
- 別名:パライバトルマリン
- 結晶系:六方晶系(三方晶系)
- 産出形状:長柱状結晶(異極像)、累体構造
- 色の起因:銅とマンガンの含有による
- カラー:青~青緑~緑青~緑色系
- 透明度:透明~半透明~不透明(不透明は主に鉱物標本等)
- 備考:半透明はキャッツアイ効果等を含む
- 光沢:ガラス光沢
- モース硬度:7~7.5
- 劈開:1方向に不完全
- 断口:貝殻状もしくは不平坦状
- 比重:3.03~3.31程度(成分差による変動値:大)
- 偏光性:複屈折性
- 多色性:二色性
- 分光性:色合いや透明度によって異なる
- インクルージョン:チューブ、ひび割れ状の液体包有物、二相、結晶包有物等
- 産地:ブラジル、モザンピーク、ナイジェリア等
鉱物的な強度や丈夫さとなるモース硬度や劈開は上記の通りですが、パライバトルマリンの周囲を水晶に覆われていたり、パライバトルマリンの後ろが水晶だったりするので、あくまでもパライバトルマリン単体での情報となります。
次は水晶についての情報を記載しますが、通称:パライバトルマリン・イン・クォーツの場合は母岩となるクォーツ部分が透明無色のロッククリスタルではなく半透明~不透明の石英となる為、石英としての情報を記載しておきます。
【 クォーツ / Quartz 】
- 鉱物名:天然クォーツ
- 宝石名:いろいろ
- 和名:石英
- 結晶系:六方晶系(三方晶系)
- 産出形状:長柱状結晶、群晶、双晶、塊状等
- カラー:無色~黄色~褐色~黒褐色~ピンク色~紫色~緑色~青色~白色等
- 透明度:半透明~不透明
- 備考:半透明はキャッツアイ効果等を含む
- 光沢:ガラス光沢
- モース硬度:7
- 劈開:なし
- 断口:貝殻状
- 比重:2.65程度(ほぼ一定)
- 偏光性:複屈折性
- 多色性:一般的に二色性は弱(紫色石は明瞭な二色性)
- インクルージョン:液体包有物、二相、結晶包有物、ルチル、トルマリン、
マンガン等、非常に多数となる鉱物 - 産地:ブラジル、マダガスカル、アメリカ、スイス、オーストラリア、カナダ、
メキシコ、ミャンマー、スリランカ、日本等
パライバトルマリン・イン・クォーツの母岩となるクォーツは殆どが半透明~不透明をした白色~乳白色系の色合いをしていますが、クォーツ自体は様々なカラーバリエーションやインクルージョンが見られる鉱物種となります。
3枚目~6枚目(次に掲載されている画像)までの画像はパライバトルマリンの柱状結晶の一部が母岩となるクォーツの表面に見えるようにカット研磨されたルースになり、ルースの表面から裏面までトルマリンの柱状結晶が貫入したタイプと違って、ルースの裏面にはパライバトルマリンが露出していません。
特に次に掲載されているルースはパライバトルマリン・イン・クォーツとしては珍しく水晶部分の透明感が比較的に強いのが特徴となっており、他のタイプとは少しばかり違った趣きを持っています。
以前から存在していたルースではありますが、最近になって急に見掛ける機会が増えたパライバトルマリン・イン・クォーツは、観賞用のコレクションとしても楽しめますし、ジュエリー等の装飾品に加工しても楽しめる事からインクルージョン系の宝石が好きな人も水晶系の宝石が好きな人もパライバトルマリンが好きな人も楽しめるものだと思います。
構造的に主にカボッションカットや不定形のファンシーカットといったカット形式になり、ファセットカットのルースは殆どありませんが、母岩のクォーツが半透明~不透明なのでファセットカットを施しても光の内部反射が期待できないので、単純に色合いやサイズ感、カット形状、柄模様といったパッと見の感覚でお気に入りのルースとの出会いをお楽しみ下さいね。
ちょっと珍しくブログ内で紹介した商品点数が多かったので、各ルースの正面から撮影した画像しか載せませんでしたが、猫車さんのオンラインショップでは各ルースの画像を4枚~5枚アップしているので、興味のある方はお気軽にご覧下さい。
ちなみにクォーツっていうと日本語でいうところの水晶ってイメージになるかもしれないけど、正確には石英っていう鉱物の事となります。
なので、クォーツっていうのは必ずしも透明な水晶という意味ではなくて、不透明~半透明のタイプも含まれ、〇〇〇クォーツみたいな通称のものでも透明石~不透明石まで様々なバリエーションがあります。
固有の正式な宝石名を持ったクォーツ系の宝石だと主に色合いでローズクォーツ(ピンク色系)、アメジスト(紫色系)、スモーキークォーツ(煙色~褐色系)、ロッククリスタル(無色透明)、シトリン(黄色系)とかが有名でインクルージョンの見られるタイプではルチレイティッドクォーツ(ルチルクォーツ)なんかは固有の正式な宝石名になります。
ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。
ΦωΦ
クォーツ系はバリエーションが半端ないっすね。
ΘεΘ
そんなところが魅力なのであります。
ΦωΦ
ちみ、何が好き?
ΘεΘ
その時々の気分っすかね。
ΦωΦ
ちょ~気分次第じゃん。
ΘεΘ
ですね。
ΦωΦ