猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

ペリドット(ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョン):Water Liliy Leaf Inclution In Peridot

ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョン・イン・ペリドット

 

梅雨入りしているのかどうかは定かではない、よく分からない、何にも知らないんだけど近所の緑道や街路樹のアンダーポジションなんかでは紫陽花が咲いており、彩りに満ちた時期というか季節になってきたように思う。

 

東京では5月の下旬から夏のように暑い日があったり、ゲリラ豪雨みたいな感じで短時間に集中して雨が降ったり、もう季節感も何もない感じだったりするのだが、紫陽花が咲いているのを見ると感覚的に梅雨を連想し、めっちゃ暑い晴れ渡る青空の下、うん、過去の経験や常識だった事が現代社会に於いては必ずしも通じなくなっておる。

 

ちゅ~ような感じの事を思う機会が増えておって、それはコロナ禍という異常事態の中で拍車が掛かっており、ありとあらゆる事が以前までと違ったルールや基準へと変化しておる訳ですが、そんな風に感じる事ってありません?

 

時代や流行に流される事なく意志の力で継続、こだわり重視みたいな感じで何かを続けるには時代の変化するスピードが速くなり過ぎている訳でありますが、かと言って時代が変化するスピードに常に合わせて対応するのも現実的には無理があり、そういう微妙な状況とか状態の中でバランス良く適応していくのがベストなんだと思ったりもしますが、や、そこは時代や流行に流される事のない意志の力、こだわりを重視する気持ちもあるので悩ましいものです。

 

東京という街は(ま、実際には東京の中でも地域性による差異はあるのですが・・・)基本的に常にスピード感のある変化をし続けている街でして、あたしが勝手に縄張りという扱いにしている徘徊エリアである渋谷、青山、六本木といったエリアでは半年くらいも時間が経過すればすっかりと様変わりしちゃっておる訳ですが、そうやって新しい姿に変わる度に記憶の中にあった想い出の風景や光景が見事に失われてゆくので時にセンチメンタルな気分、メランコリックな気持ちになるものの変わり続ける事こそが東京ならではのスタイルなのです。

 

みたいな感じで、もう慣れちゃっている為、そんな事は特に何にも考えたりしない訳ですが、時々、すべて放り出してドロンしたい気持ちになり、その気持ちマックスに達してドロンしてみたところで全国どこもコロナ禍で地方には地方のローカルなルールや基準があって、それはエスカレーターを使う際に右側に乗るのか左側に乗るのか、や、何だったらエスカレーターに乗っている時は歩いてはいけないとか、マジどうでもいい事とかも含めて実に面倒なので、やっぱりドロンはしない。

 

言うても何だかんだで個人的には日本で東京より活気があって刺激的で魅力的な都市は存在しないから、ぐんぐんに刺激を感じ、その魅力を堪能したいと思っている訳なのであるが、それでも不夜城、眠らない街である東京も現在は休業要請で休業してたり、時短営業をしていたり、或いは廃業や撤退しちゃって特に賃貸料の高い都心部の繁華街では不夜城どころか24時間ずっと眠り続けている。

 

このような訳で仕方なく人の少ないミッドナイト、深夜1時とか2時とかに散策という名の徘徊をしているのであるが、繁華街に行っても人通りや少なくて活気がなくて目に付くのはテナント募集中の張り紙と放置された空き缶とかゴミ袋とかばかりなので、ちょろんと紫陽花を眺める為に散歩したりして、あ、もう梅雨の時期か・・・っていうか、梅雨入りしたの?

 

みたいな感じで思考が延々とループしてストレスがマックス、いっそもうドロンしちゃおうか?って感じで前述のような事を思うのでありますが、やはり前述の通り現在は全国どこも同じようにコロナ禍であって、するって~と東京以外の他の地域ならではの妙味がない、それだったら東京の方がマシ、ずっと刺激的で魅力的な都市だから仕方がないという話しに落ち着くので、しゃ~ないから特に目的地を決めずに習慣となっている深夜の都内を散策をして紫陽花を発見、紫陽花って散り際が汚いんだよなぁ・・・とか思いながら眺めてた紫陽花に気を取られちゃってたら現在地が不明、深夜3時を過ぎた時間帯に迷子になった挙句の果てに完全に朝帰りとなった時、イヤホンから聴こえていた曲はリナリア、今日も変わらず空は綺麗です。

 

や、ちゅ~か、東京の梅雨入りはいつなの?

 

 

ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョン・イン・ペリドット

 

ちゅ~ような感じで、今回のブログでは特徴的なインクルージョンが見られるペリドットの紹介となります。

 

実はペリドットというのは宝石名になり、鉱物名としては天然オリビンと呼ばれる宝石で他の宝石種に比べるとカラーバリエーションが少なく、主に透明~半透明をした緑色~薄緑色~黄緑色~緑黄色をしています。

 

鉱物種としての天然オリビンそのものは国や地域によるものの決して稀少性の高い鉱物ではないもののペリドットの宝石名で呼ばれるような透明度が高く色合いの美しい原石や結晶が採れる割合は低くなり、単色タイプの普通のペリドット以外に半透明のキャッツアイ効果が見られるペリドットキャッツアイ、同じく半透明でスター効果が見られるスターペリドット、それに今回のブログで紹介するウォーター・リリー・リーフ・インクルージョン(時代や地域によっては「サンスバングル」という表現をする場合もあります)、そして隕石の中に含まれた状態で発見されたパラサイティックペリドットといったバリエーションが存在します。

 

宝石としての歴史は古く、ペリドットにまつわる様々な逸話やエピソードが残されている事からも宝石の中でも珍重されてきたペリドットは日本でも8月の誕生石として広く名前を知られている宝石のひとつになります。

 

ペリドットという宝石そのものは日本でも極めて知名度の高い宝石のひとつになるもののキャッツアイ石やスター石、ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョンの見られるタイプ等のバリエーションがある事は意外に知られていない為、今回は改めてペリドットの中でもウォーター・リリー・リーフ・インクルージョンが特徴となったルースを3点ばかり紹介したいと思います。

 

 

ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョン

 

まず「ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョン」とは、 名前の通り「睡蓮の葉」のように見える液膜インクルージョンの事になり、ペリドットの中に平面状で円形に広がった状態で内包されています。

 

このような構造の液膜インクルージョンが見られる代表的な宝石が琥珀となりますが、ペリドットの色合いや産出地及びカット研磨といった加工をしていたスリランカやタイやインドといった地域の宗教的な特性もあり、ペリドット以外の宝石に対してはウォーター・リリー・リーフ・インクルージョンという言葉は一般的には使われる事のない表現となっています。

 

その代わりと言っては何なんですが、この「ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョン」は、特に西洋圏では「サンスバングル・インクルージョン」という表現が古くから用いられており、これはペリドットだけでなく琥珀にも使われる表現となっています。

 

ちなみにサンスバングルは正確には「サン・スバングル」となり、「スパングル」と略される場合や「グリッター」と呼ばれる場合もありますが、サン・スパングル(スパングル)の名称は「スパンコール」を意味しています。

 

どちらにしても宝石としての価値を損なうインクルージョンというよりも特にペリドットに関しては特徴的な個性を持った付加価値が生じるタイプのインクルージョンとなり、宝石の愛好家さんや蒐集家さんの間では非常に人気のあるペリドットなのですが、1990年代くらいまでは見掛ける機会も決して少なくはなかったものの現在では殆ど見掛ける機会がなくなってしまった市場流通性の低いタイプのペリドットとなってしまいました。

 

 

ウォーターリリーリーフインクルージョンインペリドット

 

ペリドットという宝石自体が宝石の中では比較的に1ct 当たりの価格が高い上、ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョンの入ったペリドットは稀少性が高くなる事もあって、全体としての景観性を考慮して最低でも10ct 程度のサイズにカット研磨される事が多い事から、どちらかというとルースの価格そのものはリーズナブルとは言い難い宝石となっています。

 

や、ま、安い宝石ってのは逆に宝石なのに安いってのはそれはそれで本当に宝石なの?みたいな話しになってしまいますが、ペリドットという宝石は規格サイズの小さいルースはともかく、ある程度の大きさ、規格サイズでいうと8mm×10mmくらいの大きさを超える辺りから結構なお値段になり、それより大きなサイズのものは規格サイズでは少なく、多くが一点物としてカット研磨されたルースとなっているので、特徴的なウォーター・リリー・リーフ・インクルージョンの入り方とかだけではなくカット形式やサイズ感といったトータル的な判断になるのですが、現実的には流通性が低過ぎて選択肢は驚く程に少ない事から運とか縁とかが重要なのではないかと思います。

 

インクルージョンは一般的には宝石の価値を損なう要素として存在しますが、ホーステール・インクルージョンの見られるデマントイドガーネットなんかと同じでウォーター・リリー・リーフ・インクルージョンの見られるペリドットはインクルージョンの見られない場合よりも評価される珍しいケースとなっています。

 

 

ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョン

 

ペリドットという宝石は表面が油脂を塗ったような独特のオイリーな艶やかさを持っているのが特徴ですが、それ以外にも石の内部に入った光が二重の光となって出ていく複屈折率を持っている為、宝石の中では写真撮影が難しいタイプとなります。

 

今回のブログで紹介している3点のウォーター・リリー・リーフ・インクルージョンの入ったペリドットは全て中央宝石研究所で通常の宝石鑑別書に加えて宝石の内部世界というインクルージョンの様子を拡大した画像が入った特別な宝石鑑別書としたのですが、複屈折率の影響でウォーター・リリー・リーフ・インクルージョンの撮影をするのが大変だったと思います。

 

またペリドットそのものは含有する成分によって微妙に色合いが異なり、鉄の含有率が高いと緑色が強くなり、マグネシウムの含有率が高いと黄色が強くなります。

 

ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョンの入ったペリドットは個人的に好きなのでアメリカ産や中国産といった他の産地のものも所有していましたが、今回のブログで紹介したペリドットはミャンマー(モゴック)産のもので鉄の含有量が高い緑色を強く感じるタイプとなっており、どれもサイズ的には10ct 以上の大きさのルースになっています。

 

 

ウォーターリリーリーフインクルージョンインペリドット

 

ペリドット(ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョン)の基本的な情報や数値データについて

 

鉱物としては普通のペリドット同様に天然オリビンとなり、違いとしては主にインクルージョン及びインクルージョンに起因する特徴的な光彩効果になる為、鉱物的な情報や数値データについては、基本的にはスタンダードなペリドットと殆ど変わりません。

 

【 ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョン・ペリドットの情報や数値 】

 

  • 鉱物名:天然オリビン
  • 宝石名:ペリドット
  • 俗称:サンスパングル・インクルージョン・イン・ペリドット
       ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョン・イン・ペリドット
       ウォーター・リリー・パット・インクルージョン・イン・ペリドット
  • 和名:橄欖石
  • 結晶系:斜方晶系
  • 産出形状:塊状、扁平結晶
  • カラー:黄緑色、帯緑黄色、薄緑色、帯褐緑色
  • 透明度:透明、キャッツアイは半透明
  • 光沢:ガラス光沢(油膜状光沢)
  • モース硬度:6.5~7程度
  • 劈開:弱または不完全
  • 断口:貝殻状
  • 比重:3.22~3.45程度(含有する鉄分により変動)
  • 偏光性:複屈折性
  • 屈折率:1.650~1.690程度
  • 多色性:見かけの二色性(明)
  • 蛍光性:認めず
  • 分光性:アイアンバンドを認む
  • インクルージョン:クロマイト、ウォーターリリーリーフ、液体、液膜、微小、
             結晶等
  • 産地:アメリカ、中国、パキスタン、ノルウェー、ミャンマー等
  • 代表的なカット:特になし

 

 

どちらにしても印象的なインクルージョンとインクルージョンによる虹彩効果が見られるのでパッと見でも直ぐに分かるタイプのペリドットとなります。

 

 

ウォーターリリーリーフインクルージョン

 

比較的に認知度が高く何となく誰もが知っている宝石でもインクルージョンや色合いや特殊な光彩効果なんかが見られる事で別名で呼ばれる場合や稀少性が高まる場合もあるので気が付くと同じ種類の宝石でもコレクションのバリエーションが増えていってしまいますが、スタンダードなタイプとは違った魅力があるので宝石やジュエリー等が好きな方や興味のある方だと終わりがなく永遠に楽しめちゃいますよね。

 

ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

ペリドットは基本的に好きだもんな、おまへ。

ΘεΘ

 

おまへって言うなよ。

ΦωΦ

 

あたしも好きな宝石のひとつだけど大粒サイズ限定であります。

ΘεΘ

 

知ってます。

ΦωΦ