昨日は七夕でしたね。
皆さんちゅ~ても、人それぞれ生活環境やライフスタイルや家族構成やお住まいの地域なんかによって、違った過ごし方や場合によっては七夕?何、それ、何かあるの?
ちゅ~ような感じで過ごされた方も多いと思いますが、あたし的には引っ越しをする機会が多く、あまり特定の地域に根付いた生活をしてこなかった事もあり、どこの地域に行っても同じような雰囲気が漂うクリスマスとかお正月とかと違って、年々、懐かしさを感じるというか、上手く説明はできないんだけど七夕の何気ない平和で穏やかな雰囲気って好きなイベントとして印象に残っているんですよ。
田舎の方では、ま、子供さんとかがいないと違うかもしれませんが、笹っていうか竹っていうか、そういうのが簡単に手に入って、思わず微笑んでしまうような願い事が掛かれた短冊や提灯みたいなのを模した折り紙細工、どうやって折ったのか分からない四角形が斜めに連なった折り紙細工なんかを見て不思議と幸せな気分になれます。
都会では人通りの多い商店街や人の多いショッピングモールなんかに大きな笹っていうか竹って、そういうのが飾ってあり、通りすがる人、ま、子供さんが多いのですが、やはり微笑ましい願い事を書いた短冊を吊るしているのを見ると家庭的ではないものの同じように願い事がなんであれ叶うといいなぁ・・・って微笑んでしまいます。
時間が過ぎるのは不思議な事に大人になる程に早く過ぎ去っていくように感じるもので、ちびっ子の内はあまりそうした感覚がないから、きっと願えば叶う可能性が高くなると思うから、余計に微笑ましく感じるのかしら?
お正月の神社とかの絵馬になると受験の事や恋愛の事や何気にリアルというか強い願いというか念を感じちゃうのですが、七夕の短冊ってフワッとした感じでいいですね。
ちゅ~ような感じで、ちょっと雑談で始まってしまいましたが、今回は「マウシットシット:Maw-sit-sit」、別名「コスモクロア(コスモクロア輝石):Kosmochlor / Cosmochlore」の紹介をしたいと思います。
マウシットシット(コスモクロア輝石)って、どんな鉱物なん?
いろいろな鉱物がある中で、英語等の外国語での表記を日本語読みにした中で複数の呼称が定着したものもありますが、マウシットシットとコスモクロア輝石では名称の由来が全く違っている上、やはり外国語を日本語読みにした際の呼び方にも様々なものがあるので分かり難いかもしれませんね。
この鉱物が最初に発見されたのは隕石中に存在した緑色をした内包物からで、その為、宇宙の緑というような意味合いをした「コスモクロア輝石」と名付けられました。
しかし、その後、隕石以外のビルマ産や糸魚川産といった翡翠にも含まれている事が分かり、それが発見されたビルマ(現:ミャンマー)の産地名に因んで現地語となる「マウシットシット」という名称が付けられました。
また補足的な話しですが、糸魚川産の翡翠から発見され「コスモクロア輝石」と名付けられる以前に同じく糸魚川産の鮮やかな緑色の鉱物を鑑定した際、「ユレーアイト」名付けられましたが、この時は論文等で発表されなかった為、ユレーアイトの通称で呼ばれる事はなくなってしまったんですね。
現在は日本国内の宝石学的な宝石鑑別機関では「マウシットシット」と呼ばれ、宝石鑑別書にも鉱物名・宝石名共に「マウシットシット」と記載されますが、国によって「マウシットシット」という言葉が侮蔑的な意味合いを持つ事もあり、マウシッシ、モウシッシといった呼び方やコスモクロア輝石を意味するコスモクロアという呼び方や記載となっている場合もあり、宝石鑑別機関や国によって一般的にも正式な形でも呼び方や非記載される名称が異なっているんですよ。
この記事や猫車のオンラインショップでは、基本的に日本を代表する宝石鑑別機関である中央宝石研究所で宝石の鑑別や宝石鑑別書の作成をしている関係で、中央宝石研究所で使っている「マウシットシット」という名称を使っていますので、ご了承下さい。
マウシットシットの特徴について
マウシットシットの原石やカット研磨されたルースの場合、見た目の雰囲気としては大雑把に分けて3種類の異なる印象を持ったタイプがあるんですね。
ひとつは先の画像でも使った黒色と緑色が混在し、コントラストのある柄模様をしたタイプとなり、こちらのルースはマウシットシットとしては珍しいファセットカットが施されているものの黒色と緑色が混在した独特の柄模様になっているのが分かると思います。
コスモクロア輝石というのは、ヒスイ輝石に含まれるアルミニウム成分がクロム成分に置き換えられた微細な結晶鉱物となる為、ヒスイと同じように微細なコスモクロア輝石の集合体となった鉱物になります。
その為、ヒスイと同じように他の鉱物や元素が混じり合った状態の原石が多く、マウシットシットの場合、コスモクロア輝石を主成分とし、アンフィボール・クロライトやフェルドスパー等の鉱物が混じり合っています。
補足ですが、ヒスイの緑色に見える発色起因には、このコスモクロア輝石やオンファス輝石の成分によるものとなり、ヒスイ輝石の含有量よりもコスモクロア輝石の含油量の方が多く、主成分としてはコスモクロア輝石となるものは、マウシットシットとなりヒスイとは区別されますが、糸魚川ヒスイに関しては緑色の発色起因となるのがコスモクロア輝石よりもオンファス輝石が優勢である為、糸魚川ヒスイでコスモクロア輝石が勝ったマウシットシットが採取できる事は確立としては低くなりますよ。
また、コスモクロア輝石の場合、純度が高くなる程、パッと目の色合いとしては黒色に近い暗色系になる為、緑色をしたマウシットシットよりも暗くて黒っぽい色合いをしたタイプの方がよりコスモクロア輝石の純度が高い良品となります。
ちゅ~ような訳で、緑色と黒色のコントラストのある特徴的な柄模様をしたタイプのルースはヒスイにはないコスモクロア輝石を主成分としたマウシットシットらしいタイプとなり稀少性が高くなるんですね。
こちらは特徴的な緑色と黒色のコントラストのある柄模様をしていないものの全体的に明らかに濃く黒っぽい緑色をした上質のマウシットシットとなります。
黒色の柄模様がない変わりに表面には葉脈状の柄模様が入っており、色合い的にも光沢感的にも単色系なので純度的にも均一性が見られるルースとなっています。
このルースのように均一性を持った品質のマウシットシットは逆に少な目となり、緑色と黒色のコントラストのある個性的な柄模様が見た目的に好きな方には物足りなさを感じるかもしれませんが、マウシットシットとしては上級品となりますよ。
このタイプのマウシットシットが、もっとも一般的というか見る機会や産出量の多いタイプとなり、緑色の部分は比較的に明るい緑色で黒色と緑色のコントラストがある柄模様というよりも全体的に混じり合ったような感じになっています。
ヒスイと同じで、コスモクロア輝石は微細な結晶となり、その集合体になるマウシットシットの原石も他の鉱物が混じり合ったタイプが多くなります。
こうしたマーブル模様というか均一性のない色柄模様をしたマウシットシットは石質という意味では、先の2つのタイプに比べて劣るものの自然界の作り出した鉱物としては独特の自然美を感じる事ができると思います。
★猫車さんで取り扱っている各種マウシットシットは下記のバナーからご覧下さい。
こうして書いてみるとコスモクロア輝石とヒスイ輝石、コスモクロアとヒスイは異なる鉱物ではあるものの類似した鉱物種になり、ヒスイでも石質や柄模様にバリエーションがあるようにコスモクロアにも石質やバリエーションの幅がありますね。
根っからのヒスイ好き、ヒスイ至上主義の方にしてみるとコスモクロア、つまりマウシットシットはヒスイもどきのように感じられるかもしれませんが、コスモクロア、マウシットシットも素晴らしく魅力的な宝石となり、隕石中から始めて発見された事や糸魚川ヒスイの中からも検出された事など、そうした過程にはロマンやストーリー性があり、良し悪しではなく好みの問題なんですよ。
【 マウシットシット(コスモクロア)の特徴や数値について 】
- 鉱物名1:天然マウシットシット
- 鉱物名2:天然コスモクロア
- 宝石名1:マウシットシット
- 宝石名2:コスモクロア
- 別名:マウシッシ、モウシッシ、モウシットシット等
- 結晶系:単斜晶系
- 産出形状:塊状、粒状
- カラー:緑、濃緑、黒緑、黒色等
- 透明度:不透明
- 光沢:ガラス光沢
- モース硬度:6程度
- 劈開:2方向に明瞭
- 断口:不平坦状
- 比重:3.6程度
- 偏光性:検査不可
- 屈折率:検査不可
- 多色性:検査不可
- 分光性:クロムラインを認む
- 拡大検査:特有の組成
- 産地:ビルマ(ミャンマー)、日本等
またまた気が付くと糸魚川ヒスイの話しに逸れていきそうになっちゃいましたが、そろそろまた糸魚川ヒスイの記事でも書こうかしら?
もう秘蔵の糸魚川ヒスイの原石とかも放出しちゃおうと思っているので、書けない事はないんだよね・・・
糸魚川ヒスイの原石も本当に魅力的なんだけど、カット研磨されたルースと違って場所を取るので、少しずつ整理していかないといけないですね。
ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。
ΦωΦ
どんくらい糸魚川ヒスイの原石を隠し溜めているの?
ΘεΘ
ま~ま~の大きさの段ボール1箱分くらいかな。
ΦωΦ
重くて動かせないじゃん・・・
ΘεΘ
どうせ一気には出せないもん。
ΦωΦ