前回に引き続いて「神秘的なインクルージョンの世界と魅力:2」という感じで前回とは異なるタイプのインクルージョンが内包した宝石の紹介をしていきたいと思っているでありんすよ。
液膜包有物や液体包有物についての説明
前回の記事で下記のような主なインクルージョンの説明をしたんすよね。
- 管状包有物:チューブ状の管状になったインクルージョン
- 針状包有物:細い針状のインクルージョン
- 結晶包有物:ルース内に同一鉱物または他鉱物の結晶インクルージョン
- 液膜包有物:液膜状のインクルージョン
- 液体包有物:液体上のインクルージョン
- シルク状包有物:コランダム等の宝石に見られるシルク状のインクルージョン
- 葉片状包有物(通称):葉片のように見えるインクルージョン
- その他:特定の宝石にのみ存在する特殊なインクルージョン
この中で、管状包有物と針状包有物とシルク状包有物に関して前回の記事で紹介しましたが、液膜包有物と液体包有物については、どちらかと言えば天然未処理石の証明であったり、瑕疵等のマイナス評価に近いタイプのインクルージョンとして扱われる事が多い事から、それぞれ特殊なケースを除いて「神秘的なインクルージョンの世界や魅力」といったテーマに沿わない事から簡単な紹介とさせて頂きますね。
ちゅ~ても、液膜包有物や液体包有物がインクルージョンとして内包したタイプの宝石でも例外的に特殊な光彩効果が生じるものがあり、その代表的なものが油膜のようなレインボーがルースの内部に光彩効果として見られるものです。
こちらのルースは、イエロートパーズになりますが、液膜包有物と液体包有物の両方のインクルージョンが内包したルースとなり、それらの包有物が光の干渉で虹色の光彩効果を生み出しています。
質の悪い水晶等の場合、加熱急冷する事で人為的にクラックを入れる事で似たようなレインボー効果を出す場合もありますが、あたしの専門分野は宝石や稀少石、それに過度な人為的な処理の施されていない天然石なので、そうした過度な人為的な処理を施したルース等については興味がないんだよ。
ついでに同じく油膜のようなレインボーが生じるクンツァイトのルースも紹介しておきますね。
こちらのクンツァイトは、液体包有物と管状包有物がインクルージョンとして内包している事でレインボーが見られますよん。
結晶包有物についての説明
結晶包有物は様々なタイプのインクルージョンがある中でも愛好家さんや蒐集家さんに人気のあるインクルージョンになり、これは鉱物標本等のコレクションにも通じる鉱物的な個性や魅力が感じ易いからだと思いまする。
【結晶包有物の定義について】
- 母岩となる主結晶とは異なる鉱物のインクルージョン
- 母岩となる主結晶と同じ鉱物鉱物で輪郭や存在が認められるインクルージョン
少し難しいかもしれませんが、結晶包有物の場合は内包する結晶が母岩と異なった鉱物でも同じ鉱物でも鉱物により形状や色合いには様々なバリエーションがあります。
特に母岩となる主結晶と異なる鉱物が内包されたタイプは、多くの場合は生成過程中に変質や変化を受けて触融や破片や塊りや粒子や板や薄破片等の本来の形状とは異なってたり、これらが集合体となって不明瞭な形状となる場合もあり、これらの結晶包有物はルチル・インクルージョンのような鉱物名で呼ばれるものと、シルク状インクルージョンのような形態的な特徴で呼ばれるものがあるんですよ。
今回の「神秘的なインクルージョンの世界と魅力」では、ルチル・インクルージョンやシルク状インクルージョンは、「神秘的なインクルージョンの世界と魅力:1」の管状包有物や針状包有物の方で紹介しましたので、こちらでは主に粒子状や結晶状の内包物を紹介したいと思っているんだよ。
様々な結晶包有物が内包した宝石や稀少宝石や稀少石
結晶包有物がインクルージョンとして内包された宝石には様々な種類のものがありますが、今回は宝石と稀少宝石と呼ばれるタイプのルースを中心に紹介しちゃいます。
ちゅ~のも天然石と呼ばれるタイプの石の場合、インクルージョンの種類に限らず稀少性が宝石のように高くない事から普通にインクルージョンの内包したルースが多くなり、よっぽど特殊なタイプでない限り特に珍しくはないからなんだよ。
殆ど流通する事のない珍しいタイプの稀少石やハイエンドの宝石なんかに結晶包有物がインクルージョンとして内包されたルースと稀少性としては低いものの特徴的で特殊な光彩効果を持った結晶包有物を内包したを紹介していきますよん。
最初に紹介するルースは稀少宝石のひとつ「コバルト・スピネルとなり、画像中央の少し斜め右上の白く輝いている部分に同じくコバルト・スピネルの結晶包有物が内包されていますよ。
こちらは正統派の知名度の高い宝石である「ルビー」となり、やはり画面中央の少し斜め右上に不定形の同じくルビーの結晶包有物が内包されていますよ。
こちらのルースは稀少石である「スキャポライト」に黒いトルマリンの結晶包有物が見られ、そのトルマリンの結晶包有物の周囲には液体包有物が内包された珍品のコレクションルースになりますね。
このルースはベリル(アクアマリン)に「イルメナイト(チタン鉄鉱)」 の結晶を包有した通称で「イルメナイト・インクルージョン・イン・ベリル」とか「イルメナイト・インクルージョン・イン・アクアマリン」と呼ばれている稀少石でイルメナイト(チタン鉄鉱)は黒色をしていますが光を反射する為、銀色の金属質の煌きに見えますよ。
こちらは現在では特に珍しいとは言えなくなりましたが、ブラッドショットタイプの「アイオライトサンストーン」のルースとなり、レピドクロサイトの赤色と粒子状の多彩に煌くアベッチュレッセンス効果を持ったサンストーンが内包した天然石です。
アイオライトは何気にインクルージョンを内包したタイプのバリエーションが多く、こちらの画像のような葉片状のインクルージョンや針状包有物によるキャッツアイ効果を持ったタイプ等のバリエーションがありますよ。
こちらは黄色のリモナイトが虎模様に入ったホワイト・トパーズで「リモナイト・イン・トパーズ」という稀少宝石になり、トパーズも様々なインクルージョンを内包したタイプが存在する宝石ですね。
ちゅ~ような感じで、まだ少しだけ神秘的なインクルージョンの世界と魅力を伝えたいルースが残っているので、やっぱり次回に続くっすね・・・
ち~ゆ~。
ΦωΦ
この手の記事を書き始めたら終わりがないっすよ・・・
ΘεΘ
そうなんっすよね・・・
ΦωΦ