猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

パライバトルマリンの産地鑑別について

パライバトルマリン


久し振りというか、ちょっと冒頭に雑談を書かないブログを書いた記憶が想い出せないくらいなんですが、今回は真面目なブログを書きまするよ。

 

まぁ、普段は雑談がメインなので何ですが、たまには真面目なブログを書かないといけねぇ~かなぁ~とか思ったりした訳です。

 

ちゅ~のもですね、最近、パライバトルマリンの返品があったので、今回は補足的な感じというか、そんな意味合いも含めてパライバトルマリン産地鑑別のブログを書いてみようと思った訳であります。

 

パライバトルマリンは宝石の中では比較的に登場して間もない宝石となり、もともとはブラジルのパライバ州で1980年前後から産出された鮮やかな青色~青緑色~緑色のトルマリンで、その産出地に因んだ宝石名としてパライバトルマリンの名称で呼ばれるようになりました。

 

その後、初期鉱山での産出が途絶えたり、近隣の鉱山での産出が見付かったり、急激に人気を博した宝石ではあるものの不安定な産出~流通状態が続いていた事なんかや以前は色の起因は銅とマンガンと判断されていたものの短期間に人気が高まった事もあって、時代によってパライバトルマリンの定義が宝石鑑別機関でも共通&明確に定まっていない時期があったりして、例えばマンガン含有のタイプはパライバトルマリンの宝石名にならなかったりした時期もあったりしましたが、現時点では銅とマンガンが含有された色の起因が銅となる青~青緑~緑色をしたトルマリンという解釈となっております。

 

また最初はブラジルでしか産出しなかったパライバトルマリンですが、その後はナイジェリアやモザンピーク等の他の産地でも産出されるようになり、通称としてではなく、正式な宝石名としてパライバトルマリンとなっています。

 

人気の高い宝石という事もあって、GIAや中央宝石研究所といった宝石鑑別機関では、過去に蓄積してきた成分比等のデータに基づき、積極的ではないにしても少しずつ産地鑑別をする流れになりつつありますが、これは統計学に基づく産地鑑別なので現時点では絶対ではないんですよね。

 

ちなみに現時点でGIAが産地鑑別をおこなっていますが、早ければ今年の11月~12月、遅くても来年以降には中央宝石研究所でもパライバトルマリンの産地鑑別が開始される予定です。

 

GIAの場合は英語表記になりますが、コメントを和訳すると「地理的起源に関する記述は、一連の観察結果と分析日に基づく専門家の意見です。」みたいな意味合いの内容が記載さます。

 

また、そう遠くない内に産地鑑別が行われる可能性のある中央宝石研究所の場合は「〇〇〇〇産等に見られる特徴を有する(原産地についての結論は、中央宝石研究所によって引き出された現時点での評価であり、検査石の出所を保証するものではありません。)」という感じのコメントが記載されるかと予想さますが、これはパライバトルマリンに限らず、サファイア、ルビー、アレキサンドライト等の歴史のある宝石でも同様のコメントが記載されています。

 

ま、でも、あんまり歴史が古い宝石だと当時の国名だったり国境が変わったりして、それはそれで難解というか、参考適度に過ぎない状態なんですが・・・

 

そんな訳でして、あくまで過去に蓄積したデータに基づいた統計学的な産地鑑別になる為、参考であって絶対ではないという状態になる事から、なかなか産地鑑別は使い難い鑑別だったりするのですが、こういうところが宝石を取り扱うのに難しいところなんですよね。

 

パライバトルマリンの場合は含有する銅とマンガンが検出された青~青緑~緑色系のトルマリンという絶対的な条件があるのでパライバトルマリンかパライバトルマリン以外の宝石かの判断は明確にできるものの産地に関しては例えブラジル産のものでもモザンピークやナイジェリア等の産地に近い数値が出るものがあったり、逆にモザンピークやナイジェリア等の産地のものでもブラジル産に近い数値が出るものがあったりします。

 

これがカット研磨されていない母岩付きの原石や特徴的なインクルージョンが内包したいる場合であれば、もう少し正確性の高い産地が特定できる場合もあるのですが、カット研磨されたルースの場合には単純に成分含有率等の傾向を統計した現時点での判断為、断言的な事は記載されずにコメント欄で濁さざる得ないのが現状なんです。

 

今回、返品があったのはブラジル産として買い付けをしたルースなんですが、ブラジルでは一時期、パライバトルマリンに近い薄めの色合いのクロムを色の起因としたトルマリンが産出した為、そうしたトルマリンがパライバトルマリンとして流通しているケースもあり、ちょっと半信半疑だったのですが、キャラ目もあり、ま~ま~石質も良く、カット研磨も丁寧だったので、なかなか魅力的だったんですよ。

 

宝石鑑別機関もいろいろで同じルースでも異なる色名や最悪、別の宝石名になる場合もあり、さらに産地鑑別となれば蓄積データの統計的な傾向になる為、サンプルデータの蓄積量であったり、検査する設備が異なったり、宝石鑑別機関によって差異が生じる事から、どこでも共通の結果が出るとは限らないのですが、人気のある宝石ですし、産地による価格差もありますし、産地に拘る方もいるかと思いますので、今回はイレギュラーに補足的な感じで追記のブログを書いているんですね。

 

宝石の場合は知識も必要ですが、基準であったり、宝石鑑別機関がニーズに合わせて新たなサービスを提供する場合であったり、新しい研究結果による情報の修正等もあるので常に全ての宝石鑑別機関で共通となる最先端の知識を持つ事は難しい事から、気に入ったショップや業者さんからお買い求めになる事や疑問点や確認点といった事は問い合わせをして納得がいくものをお買い求めする事をお勧めします。

 

まぁ、技術の進歩や何かで先の事は分からない部分もあるのですが、そうした様々な技術の進歩なんかを経て現状がある訳ですもんね。

 

あたし的には大量生産の規格品を取り扱う事は10年以上も前に止めてしまったので、気に入った一点物となるルースをメインに取り扱っていますが、それだからこそフィーリングの合う方にご満足を頂けるように心掛けていますが、もし何かあれば事前にご相談やお問い合わせを頂ければ可能な限り誠意を以って対応したいと思っております。

 

あ、ちなみにですね、返品のあったルースは未使用であったとしても一度は他の方に所有されたルースとなる為、そういうのは何となく再販したくないので、ジュエリーに加工して顧客さんへのプレゼントとしちゃいます。

 

やっぱり気に入って頂ける方に所有して、願わくば大切に愛用して頂けるのが何だかんだで一番じゃないですか?

 

や、分かりませんけど、あたし的にはジュエリー製作に携わっているので、余計にそういう感覚があるのかもしれないっす。

 

だから、猫車さんのオンラインショップでなくても全然、構わない、何となく気になったショップや業者さんのところでお買い物をされても何にも問題ない、そこは自由、好きなように判断するのが良いと思うのですが、宝石との出会いも一期一会なので多くの皆さまに良い宝石やジュエリーとの出会いがあると嬉しいです。

 

ま、そういうのは宝石やジュエリーに限らず、どんな事でも同じですけどね。 

 

どんな事でも良き出会い、いい感じの巡り会いがあって、そうしたご縁が長く続き、楽しく充実した人生をお過ごしくださいませ。 

 

ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

 

いい感じにお客さんとコミュニケーションが取れるといんだけどね。

ΘεΘ

 

そこはネット販売だからお客さんが望んでなければ難しいねぇ。

ΦωΦ

 

ま~ね。

ΘεΘ

 

ちゅ~か、画像のないブログは味気ないなぁ。

ΦωΦ

 

無駄話がないからじゃない?

ΘεΘ

 

だからか!

ΦωΦ

 

無駄話こそがメインなのにね。

 ΘεΘ