猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

ヘリオドール:Heliodor

ヘリオドール

 

ちぃ~す。

 

梅雨入りはしたものの最初に2日間くらいは雨が降りましたが、その後は天気が良く夏のような暑い日が続いている東京、他の都道府県だと違うの?

 

日本の気候っていうか天候っていうかも昔とは変わってきて、ま、それはあたしが頻繁に引っ越しをする根無し草、浮雲であるからという理由もあるのかもしれませんが、特に東京は街の変化もオリンピックを控えて急速に変わっている最中であるという事もあって何が何だかさっぱりでござるよ。

 

ちゅ~ような感じの中、最近はオーダー注文のあったジュエリーの製作であったり、問い合わせのあった宝石の鑑別書の作成依頼であったり、何かと忙しい毎日を過ごしていたのですが、やっとオーダー注文も一通り完成、宝石の鑑別書の作成は中央宝石研究所の方でのスケジュール次第なので持ち込むだけは持ち込んだので、ちょっぴり時間が空いたから、久し振りにブログを書いてみたりしている次第でおます。

 

これも時代の流れだと思うのですが、ブログというのも以前に比べて書いている人も少なくなり、それこそアフェリエイト等の広告収入を目的にしたサイトを除くとツイッターとかインスタグラムとか発信する方も見る方も気軽で気楽なSNSに移行していると思うんですが、文字数制限やSNSによる特徴なんかで長々とした文章、ちょっと説明とか話しの長くなるような事はブログの方が書き易いっていうか、ブログでないと書けないから、ちまちまとスローなペースで続けていくのであります。

 

きっと、多分・・・

 

でですね、最近、また新たに貸し金庫を開けて来たので様々な宝石のルースが解放されたんですが、なかなか面白い宝石、現在では見る機会の少なくなった大粒サイズのルースとかが大量に出てきたので楽しいんですが、これをですね、選別して中央宝石研究所に持ち込んで宝石鑑別書を作成したもらったり、写真撮影をしたりするのは結構と大変な作業なんですぅぅぅぅぅ・・・

 

写真撮影をする際、肌(肌色)が写り込まないように長袖の鼠色みたいな色をしたスウェットを着て撮影をするのですが、単純に暑いじゃん?

 

まだ下旬に入ったとはいっても6月なのに早くもバテ始めている感じとなっており、梅雨の時期で紫陽花とかが綺麗なので何となく紫陽花をイメージするような色合いの宝石であったり、少し涼し気な印象の色合いをした宝石であったりに意識が向いてしまうのですが、猫車さんのオンラインショップでは色合いが偏らないように意識的にいろいろな色合いの宝石をランダムに出すようにしているんですよ、マジで。

 

こうした地味な苦労、配慮をしている事は知られていないっすよね?

 

あ~駄目だ・・・

 

ちょっと暑さと寝不足で頭が回んなくて集中できない。

 

仕方がないので無駄話は、この辺りで終了して本文の方を書いていきます!

 

もっとも本文の方もなかなかの無駄話になるのがいつもパターンなので全体的に締まっていない感じのブログになってしまう予感、高確率でそんな感じになりそうですが、ま、それはそれですよね?

 

みたいな・・・

 

 

ヘリオドールについて

ヘリオドール

 

今回はですね、いつものように雑談的でありながらも何となく興味のある方には参考になるんじゃないかなぁ~って感じの内容にしようと思っているんですが、いつもの事ながら書き終わった時に想像していた感じと違ったなぁ・・・ってパターンになっているんじゃないかって気が現段階でしていまする。

 

ちゅ~ような訳で今回は「ヘリオドール」という宝石と宝石名についてのお話となりまするよ。

 

もともと「ヘリオドール」というのはギリシャ語で太陽を意味する事から古来よりヨーロッパの方では黄色系のベリルを「ヘリオドール」と呼んでいたんですね。

 

その後、近年、ま、近年って言っても1900年代の後半、そうね、いまいちはっきりしないんですが、1970年~80年くらいに日本では黄色系のベリルの事を馴染みの薄い「ヘリオドール」という表現から見た目に分かり易い「イエローベリル」や「ゴールデンベリル」という名称で呼ぶようになり、そ結果、国内では暫定的な感じで「ヘリオドール」という宝石名はライムグリーンやミントグリーンのような淡い色合いの緑色をしたベリルの名称として定着しちゃったんですよ。

 

成分やインクルージョン等の要因で新産のタイプが以前までのタイプと異なる色合いのイメージで定着するような事はありますが、ヘリオドールのようにイメージする色合いと宝石名が変わってしまうという現象は宝石としても珍しいかもしれません。

 

例えば成分の違いであったり、これまで同じ宝石として扱われていたものが鑑別や分析といった技術革新によって新たな新種の宝石である事が判明したりする事は少なくないのですし、長い歴史の中で宝石が国際的に流通するようになった事で宝石名によって稀少性が変わったり、市場での価値が変わったりする事もある訳ですが、由緒ある宝石名が流通名になり、そのイメージカラーが変わってしまったパターンってのはあんまりないかも・・・

 

宝石学の世界では、こうした曖昧な状態での明確な表現をするのは好ましくないという事から現在は中央宝石研究所といった日本国内の信頼度の高い宝石鑑別機関では「ヘリオドール」という宝石名は使われなくなっています。

 

 

ヘリオドール

 

それでも「ヘリドール」という宝石名は歴史的にも古くから使われてきた事もあるので、現在の認識としては正式な宝石名としては用いられないものの語源となる太陽を意味する鮮やかな黄色系のベリルを「ヘリオドール」として捉える流れになっています。

 

ですが、それこそバブル時代が間に入っている為、その時点での国内での「ヘリオドール」と言えばライムグリーンやミントグリーンのような淡緑色をしたベリルの事を指すのが一般的であったので、ほらね?

 

ちょっと混乱、どちらの意見も正しいというか間違っていないというか、そういう曖昧な状態を経てしまった為、国内の宝石鑑別機関では「ヘリオドール」という歴史ある名称を用いる事がなくなってしまった訳です、はい。

 

海外、特にヨーロッパ等の歴史がある宝石名であったり、英語ではない言語に因んだ宝石名のものは英語に訳された後に日本語に訳される事から発音上の違いであったり、表記上の違いであったりが生じる事も多いのですが、インターネットで誰もが気軽に情報を得る事ができるじゃない?

 

個人でも海外から直接、宝石や原石を買ったりする事もできますし、業者さんも海外のジェムショーやミネラルショー、或いは現地で直接、買い付けたりするのでスペルミスであったり、コマーシャルネームや通称や俗称が混在しちゃっていたりするので、販売する方にしてみたらキャッチーで知名度が高い名称を意図的に使ったり、或いは逆に知名度の低さをアピールポイントにしたりする事もあるので何が正しいのか分かんなくなってきちゃってますよね・・・

 

 

ヘリオドール

 

ま、ま、ちゅ~ても宝石名というのは重要なもので特定の宝石名の宝石を求めている方にとっては絶対的な条件であるのですが、世代によってイメージする色合いが違うという極めて厄介な扱いになってしまっている代表的なものがヘリオドールなんです。

 

その他でも特定の成分が含有しているか否かによって同じ色合いでも宝石名が変わってしまう鉱物、うん、例えば薄緑色をしたスポジュメンなんかはクロムが含有した場合には正式な宝石名が「ヒデナイト」になりますが、クロムが含有していない場合には宝石名は鉱物名と同じ「スポジュメン」になるみたいな場合ですね。

 

赤色のサファイア(同じくクロム含有の有無)、アレキサンドライトではないアレキサンドライトみたいなクリソベリル等も同じくクロム含有の有無だったりするのですが、こうした事は宝石学上の話しで主にカット研磨されたルースの世界での事になり、鉱物学や地質学とは違うので鉱物標本や原石なんかだとまた違った解釈もある訳なので非常にややっこしいですよね・・・

 

あ・・・そういうの以外でも例えばピンク色のスポジュメンは宝石名がクンツァイトとなりますが、日光で褪色する為、褪色しちゃってクンツァイトとなるピンク色の色相から外れちゃうと宝石名はスポジュメンになるし、ピンク色のモルガナイトも同様に褪色して色味が薄くなるとモルガナイトではなくベリルの宝石名になっちゃいますね。

 

う~ん・・・

 

時間という要素、時代という要素、成分とかの要素、いろいろな事で宝石名が変わってしまうものだなぁ~って、今、思った。

 

 

ヘリオドール

 

あたしの世代だと業界的には薄緑色系のベリルがヘリオドールの俗称で呼ばれていたので、何となく馴染みがあるのは薄緑色系のタイプなんですが、ま、若い方、或いは現在の感覚で言うと黄色系をイメージした方がいいんじゃないかな?

 

ちなみに宝石やジュエリーといったベリルという鉱物は色合いや成分によって異なる宝石名を持つのが特徴で過去のブログ記事でも紹介しているのですが、下記のような感じの宝石がありまする。

 

 

ベリル系の様々な宝石

 

  • エメラルド:クロムを起因とした緑色のベリル
  • アクアマリン:淡い水色~青色までの海のような青色のベリル
  • モルガナイト:マンガンを起因としたピンク色~淡赤紫色のベリル
  • ゴッシェナイト:カラーレス(透明無色)のベリル
  • ビクスバイト:マンガンを起因とした赤色のベリル
  • ヘリオドール(俗称):紆余曲折しつつも現在では黄色のベリルを示す俗称
  • ベリル:各固有の宝石名とはならない淡色やインクルージョン系のベリル
  • 各キャッツアイ:半透明石の扱いになるキャッツアイ効果のタイプ
  • その他:トラピッチェ等の構造が特徴となったエメラルド等

 

 

また、これら以外にもセシウムを含有するセシウム・ベリルというタイプ等もあり、こうした組成内容が異なるベリルは宝石学上では鉱物名がベリルとならずに宝石名と同様の名称になるものもあり、鮮やかなネオンピンク色をした「ペッツォタイト」、淡青色系の色合いをした「ボロビエバイト」等がありんす。

 

 

ヘリオドール

 

日本では黄色って何だか微妙な扱いで他の色合いに比べると人気が低い傾向が強いのですが、海外では黄色の宝石は人気が高い色目になってて、ま、海外って言っても広いから何なんですが、ラテン系のノリっていうの?

 

明るくて元気なイメージだからダイヤモンドにしてもベリルにしてもコランダム(サファイア)にしてもトルマリンにしてもクリソベリルにしても何気に日本より人気があって評価が高いんですよね・・・

 

ま、ここは日本だし、あたしも日本人なので何なんですけど、深紅、いわゆるルビーレッドですね、とか、ブルーとかパープルとかグリーンとか何だったら透明無色やパールのようなホワイト、オパールみたいな遊色効果が見られるものとか基本的に宝石の場合は鮮やかで濃い色合いのものが評価が高い中、最近はファンシーというか淡い色合いのものが人気な気がします。

 

う~ん・・・

 

あ、ちょっと考え込んでいました。

 

ま、あたし的には気分によるので特に何色が好きって感じではないんですけど、何となく単色として馴染みのある色、赤、青、緑、黄、紫、ピンク、黄緑、白、黒みたいな感じでアバウトにイメージすると青と紫が好きかなぁ・・・

 

ま、宝石ってのは様々な色合いのものがあるし、鉱物種や宝石名が違うものでもざっくりとした色でいうと同じ色で表現されるものもあるから好きなものを好きなように好きなだけ愛するのがいいだろうし、それこそ年齢や気分によって好みが変わってくるかもしれないもんね。

 

 

ヘリオドール

 

何だか途中から話しが脱線したような気もするし、そもそも最初から脱線気味だったような気もするし、ちょっと微妙な感じですが、ま、いいよね?

 

ブログの更新頻度は少ないし、きっと少なくなる事はあっても以前のようにハイペースで更新する事はないので気が向いた時に書くって感じですけど逆に気が向いた時に読んでもらうって感じでいいからイーブン、引き分けです。

 

ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

ヘリオドールは薄緑色のベリルじゃないの?

ΘεΘ

 

それ、昭和の感覚ですね。

ΦωΦ

 

おいおい、マジかよ。

ΘεΘ

 

時代は黄色。

ΦωΦ

 

う~ん・・・

ΘεΘ

 

時間は流れ時代は変わるんだよ。

ΦωΦ