今回は、何気にタイプ&カラーバリエーションの豊富な天然石~宝石として扱われる「ダイオプサイド&ダイオプサイドキャッツアイ:Diopside & Diopside Cat's Eye」の紹介となります。
様々なタイプと色合いを持ったダイオプサイドですが、大きく分けると透明感のある黄色~緑色系のタイプとキャッツアイ効果やスター効果を有する半透明~不透明な緑色~黒色系のタイプになりますね。
成分的な意味合いでは特に代表的な色合いとなる緑色系のタイプに見られる「クロム・ダイオプサイド」という色の起因がクロムによるタイプとそれ以外のタイプに分かれますが、宝石として扱われるタイプは透明感のある鮮やかな色合いをしたものが中心になります。
比較的に宝石としては少ない色合いのキャッツアイ効果を持った緑色系のダイオプサイドキャッツアイもジュエリー等に用いられる事が多く、黒色系の暗色地にスター効果が見られるスターダイオプサイドはアクセサリー等で用いられる事から、幅広いユーザー層に対応しているので知名度としては高いんじゃないかと思います。
ちゅ~ような感じで、ま~ま~リーズナブルで産出量の多い黒色系のスターダイオプサイドは天然石として扱われる事が多いものの透明感のあるタイプやキャッツアイ効果のあるダイオプサイドは宝石として扱われる事が多くなり、色合い的に珍しいとされる透明石は稀少石や稀少宝石としてコレクター向けのカットストーンにもなっています。
同じ「ダイオプサイド」という鉱物ながら、タイプと色合いにバリエーションがあり、宝石~天然石~稀少石・稀少宝石といった扱われ方での違いもあるので、なかなか興味深く、魅力的な要素があるんですね。
ダイオプサイドについて
多種多様なタイプと色合いがある為、まずは主なダイオプサイドについて簡単に説明しようと思います。
【 いろいろなタイプのダイオプサイド 】
- クロムダイオプサイド:クロムに起因した鮮やかな緑色系の色合いをしたダイオ
プサイドになり、透明石と半透明~不透明なキャッツア
イ効果を持った両方のタイプにあります。個体差にもよ
りますが発色が鮮やかな事から通常のダイオプサイドよ
りも稀少価値が高くなります。 - ダイオプサイドの透明石:クロムダイオプサイドも含まれますが、スターやキャ
ッツアイ効果を持たない透明感のあるダイオプサイド
となり、無色・白色・灰色・黄色・淡緑色・緑色・濃
緑色といったカラーバリエーションが存在し、色合い
によって稀少性が大きく異なります。 - ダイオプサイドキャッツアイ:主に緑色~濃緑色の地色をしたキャッツアイ効果
が見られるダイオプサイドとなり、このタイプで
もクロムダイオプサイドが含まれます。
キャッツアイ効果が特徴になる為、カボッション
カットになります。 - スターダイオプサイト:主に暗色系の濃褐色~黒色の地色に銀色系の十字スター
効果が見られるダイオプサイドとなり、ダイオプサイド
の中では産出量が多く比較的にリーズナブルなタイプと
なります。
ちなみに上部に使った画像のダイオプサイドは、ロシア産の濃緑色をしたダイオプサイドキャッツアイのルースになりますが、一般的にメジャーな色合いとしては緑色系と黒色系のスターダイオプサイドとなり、それ以外の色合いに関しては基本的に稀少カラーとして扱われますよ。
ちゅ~ような感じで、参考までにダイオプサイドの特徴や数値データなんかも紹介しておきますね。
【 ダイオプサイドの特徴や数値 】
- 鉱物名:天然ダイオプサイド
- 宝石名:ダイオプサイド(透明石の場合)
- 宝石名:クロムダイオプサイド(クロムに起因したダイオプサイド)
- 宝石名:ダイオプサイドキャツアイ(キャッツアイ効果のあるタイプ)
- 宝石名:スターダイオプサイド(スター効果のあるタイプ)
- 宝石名:クロムダイオプサイドキャッツアイ(クロムに起因したダイオプサイト
キャツアイ) - 和名:透輝石
- 結晶系:単斜晶系
- 産出形状:柱状結晶、短柱結晶、塊状
- カラー:無色、白色、灰色、淡青色、淡緑色、緑色、濃緑色、褐色、黒色等
- 透明度:透明~半透明~不透明
- 光沢:ガラス光沢
- モース硬度:5.5~6.5程度
- 劈開:一方向に完全
- 断口:不平坦状または貝殻状
- 比重:3.22~3.38程度
- 偏光性:複屈折性
- 屈折率:1.661~1.721程度
- 多色性:認む(クロム緑色石の場合は明るい三色性)
- 分光性:特に必要な吸収を認めず(クロム緑色石の場合はクロムラインを認む)
- インクルージョン:液膜、液体、針状、結晶包有物等
- 産地:ロシア、南アフリカ共和国、フィンランド、マダガスカル、タンザニア、
インド、パキスタン、アメリカ、イタリア、オーストラリア等
宝石名については、クロムに起因したタイプかどうか、キャッツアイやスター等の光彩効果があるかによって変わり、キャッツアイやスター効果の見られるタイプの透明度は半透明~不透明になりますよ。
ダイオプサイドのいろいろなルース
ちゅ~ような感じで、広義では透明石とキャッツアイ&スター効果のある不透明石のふたつのタイプに分類する事ができるダイオプサイドですが、その中にカラーバリエーションやクロムに起因したタイプなんかがあるので何気にダイオプサイドって石で探すというよりも見た目の印象とか好みで、これは気になる、何だろう、この石?って感じで意識していなかったんだけどダイオプサイドだったって感じで出会う系の石なんですよ。
ま、これはダイオプサイドに限らず、どんな石でも同じかもしれませんが、カラーバリエーションやタイプバリエーションのある例えばサファイアとかトルマリンなんかの場合、ある程度の宝石としての格付けがされた状態で認知されているのに対して、ダイオプサイドは宝石~天然石っていう幅のあるポジションになっている上、あまり知られていない色合いをしたタイプなんかもあるので、えっ?ダイオプサイドなん、これ?って感じで驚く事が多いんですね。
なかなか宝石鑑別機関で鑑別して販売するショップさんや業者さんは少ないので、何気にエンスタイトやコーネルピン等の他の鉱物だったりする場合も多くなりますが、興味を持つと奥が深いというか多種多様なタイプがある分、楽しめるのが魅力だったりします。
こちらは先程も登場したロシア産の濃緑色をしたダイオプサイドキャッツアイになりますが、このタイプの色合いとキャッツアイ効果を持つコーネルピンキャッツアイと見た目の印象が似ているので、色合いや光彩効果ではなく鉱物種や宝石名で探している人は気を付けないと違う石って場合もありますよ。
こちらは色鮮やかさを感じるクロムが起因したクロムダイオプサイドキャツアイとなり、宝石鑑別機関での鑑別書が付属していた方が安心なダイオプサイドの中では少し稀少性の高いタイプになります。
宝石鑑別書では、分光性の欄でクロムラインを認むと表記されます。
先のダイオプサイドキャツアイも同じですが、キャッツアイタイプのグリーンダイオプサイドは古くは「エンスタイト」という鉱物にシリカが浸透したタイプとして扱われていた経緯がある為、デッドストックとかの古い時代のルースが流通する際、エンスタイトの名称で販売されている事もあるので、やはり鉱物種や宝石名で探している人は気を付けた方がいいかもしれません。
こちらは宝石というよりも天然石として扱われるスターダイオプサイドになり、暗褐色~黒色の地色に金色系~銀色系の十字スターが見られるタイプです。
十字スターが二重に浮かび上がるダブルスター効果を持ったタイプなんかもありますが、比較的に産出量が多い事もあり、大き目サイズのルースが中心になるのでスター効果が好きな人にはお薦めです。
こちらは少しマニアックなタイプのダイオプサイドでタジキスタン産の透明黄緑色~透明緑黄色をした通称:タスマリンと呼ばれていたものです。
現在は、こうした宝石タイプの石は通称で呼ばれる事が少なくなっている為、ライトグリーンダイオプサイドというような表現になるダイオプサイドですが、東洋的、オリエンタルな印象を持ったダイオプサイドとして蒐集家さんなんかのコレクションになる事が多いタイプなんだよ。
こちらは発色の良い透明度を感じるライム系のイエローグリーンをしたクロムダイオプサイドキャッツアイとなり、結構、稀少なタイプになります。
キャッツアイタイプのダイオプサイドで透明度が高くなるとキャッツアイ効果は弱くなるのですが、不透明なタイプに比べて圧倒的に産出量が少なく、さらにこうしたネオン感のある高彩度のダイオプサイドは珍しい事から、基本的にコレクター向けのルースとなっています。
こちらは現在では見掛ける機会が少なくなった透明石となるカナリーイエローカラーのダイオプサイドになります。
透明石としては、以前は淡青色系の色合いをしたものが稀少カラーとして扱われていましたが、宝石としては色鮮やかなタイプが好まれる事や淡青色~青みを感じる無色透明なタイプが以前よりも流通するようになり、こうしたタイプが稀少カラーとしてコレクター向けのルースとして扱われるようになったんですね。
ダイオプサイドそのものがスタンダードな宝石というよりも少し個性的な印象を持った宝石~天然石となるので、ダイオプサイドという鉱物種や宝石名よりも見た目の印象や色合いから興味を持つ場合が多いと思いますが、興味を持つとなかなか楽しい鉱物なので紹介してみました。
ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。
ΦωΦ
これまた渋い石が登場したね。
ΘεΘ
シンプルなグリーンのクロムダイオプサイドが登場してないけど。
ΦωΦ
探して一緒に紹介しよ~よ・・・
ΘεΘ
どっかにあるんだけどなぁ。
ΦωΦ