最近はシリーズものというか連作となる記事を書く事が作業的になってきちゃったように感じてしまっているので、ちょっとばかり悩んだのですが、前回と同じ「スキャポライト」でもキャッツアイやレインボーといった特殊な光彩効果を示すタイプっていうの?
そうした少し特性上、前回の記事で紹介したスタンダードな「スキャポライト」とは同じ鉱物ながらも宝石や稀少宝石として扱われる事が多い事から、記事の流れとして「スキャポライトキャッツアイ:Scapolite Cat's Eye」や「レインボースキャポライト:Rainbow Scaopolite」や「その他の少し変わったタイプのスキャポライト」の紹介をしたいと思います。
もともとは、あたし自身がスタンダードなスキャポライトよりも「スキャポライトキャッツアイ」に魅了され、その延長線上でスタンダードなタイプや特殊な成分との固溶体になったタイプ(このタイプはいつか紹介しますね。)にも興味を持った事から、あたしの中で代表的で特に印象に残っているタイプが「スキャポライトキャッツアイ」になります。
あたしの人生でもベスト10に入るのではないかと思う恐らく2度と出会う事がないであろう「スキャポライトキャッツアイ」のルースがこちらです。
こちらは数々のスキャポライトキャッツアイを目にして所有してきた中でも別格となる神秘的な美しさと他のルースでは感じる事ができない心を惹き付けて止まない魅力的な
スリランカ産のペールピンクというかシルキーで神秘的な光沢感が特徴となった「6.652ct」となる殆ど球体のようなダブルカボッションカットとなっています。
とても大切なルースだったのですが、ご縁のあったお客さまにお譲りしてしまったので、あたしに代わって末長く大切にしてもらいたい宝石だといつも思っています。
スキャポライトキャッツアイと鉱物的な情報なんかについて
キャツアイやレインボーのような特殊な光彩効果を持っていますが、基本的な鉱物としては同じくスタンダードなスキャポライトと類似性が多くなります。
それなりに多彩なカラー刃レーションが存在しますが、稀少性の高さでは、ピンク色、青色~無色透明~乳白色(白色系)の順に産出量が少なくなり、多くの場合、褐色系や赤褐色といった色合いをしています。
スタンダードなスキャポライトと同様に大粒サイズのルースが少ない為、褐色や赤褐色をした比較手に見掛ける事の多い色合い以外のスキャポライトキャツアイは「6ct~10ct」程度のキャラ目があれば大粒なサイズと「なります。
こちらのルースはカラーレス系のスキャポライトキャッツアイとなり、白色~乳白色~カラーレス系のスキャポライトキャツアイは、どことなくムーンストーン等のフェルドスパー系の天然石に似た雰囲気を持った大粒サイズのスリランカ産となる「11.961ct」のスキャポライトキャツアイになります。
少し照明の当て方を調整してキャッツアイ効果が明瞭に分かるようにした画像になりますが、このルースの場合は少しブルー系の神秘的なキャッツアイ効果と全体的にシルキーとうかペールカラーに見える独特の光沢感と色合いに見える美しいルースとなっています。
個体差はあるものの基本的にキャッツアイ効果を示すスキャポライトであっても特徴的な蛍光性と鮮やかなピンク系の蛍光色を持っています。
通常に見た感じとキャッツアイ効果を示している感じと蛍光性を示している状態で同じルースでも表情や雰囲気がまったく違っているので、そんなところも眺めていて飽きる事のない魅力じゃないですかね。
こちらも同じくスリランカ産のカラーレスタイプのスキャポライトキャッツアイのルースとなり、キャラ目としては「8.296ct」と先程のルースよりも少し小さ目となりますが、それでも殆ど見掛ける事のない大きさなんですよ。
カラーレスタイプのスキャポライトキャッツアイは、その神秘的な色合いや朧げな様子から人によってはパープル系やピンク系の色合いよりも好まれるのですが、満月のお月様のような美しさが感じられますね。
蛍光性や蛍光色も明瞭で宝石としてはパープル系のスタンダードなスキャポライトの方が一般的に知られていますが、キャッツアイタイプのスキャポライトは稀少宝石として宝石としてのパープル系のスキャポライトよりも愛好家さんが多いかもしれません。
あたし個人的にもパープル系のスキャポライトよりも高品質で大粒サイズのスキャポライトキャッツアイの方が好きなのですが、その理由については不明で強いていうなら感覚的なものかしら?
【 スキャポライトキャッツアイの情報や数値について 】
- 鉱物名:天然スキャポライト
- 宝石名:スキャポライトキャッツアイ
- 名称補足:スカポライトキャッツアイとも呼ばれる。
- 和名:柱石
- 結晶系:正方晶系
- 産出形状:柱状、塊状、粒状、劈開状等
- カラー:透明無色、白色系、黄色系、ピンク系、濃青色系、褐色系、赤褐色等
- 補足:キャッツアイやレインボー等の特殊な光彩効果を示すものは除きます。
また特定の成分含有率の高い端的なタイプも除きます。 - 透明度:透明~半透明
- 光沢:ガラス光沢
- モース硬度:6程度
- 劈開:2方向に明瞭
- 断口:貝殻状または不平坦状
- 比重:2.50~2.74程度(成分比により変動)
- 偏光性:複屈折性
- 屈折率:1.549~1.579程度
- 蛍光性:個体によって強弱はあるが蛍光性を認める
- 分光性:ピンク系とパープル系はクロムラインを認む場合がある。
その他の色合いは特に必要な吸収を認めず - 産地:スリランカ、タンザニア、ビルマ(極めて稀)等
- 代表的なカット:カボッションカット
一般的に見掛けるタイプは褐色から赤褐色をした不透明なタイプとなりますが、それ以外の色合いに関しては基本的に稀少性が高く稀少宝石として扱われる事がおおくなり、主に観賞用のコレクションストートンとして珍重されます。
カラーレス以外のスキャポライトキャッツアイのルース
見た目がお月様のように見えるカラーレスや特に優し気な印象で稀少性の高いペールピンク系のスキャポライトキャッツアイは逆に珍しいタイプとなりますが、それ以外に青色系の稀少色を持ったスキャポライトキャッツアイや一般的にスキャポライトキャツアイの代表色となている褐色~赤褐色をしたスキャポライトキャッツアイも紹介しておきますね。
こちらはスリランカ産のダークブルー(キャツアイ効果が見られない部分は黒色系)をした稀少色となっているスキャポライトキャッツアイとなります。
カラーレスのスキャポライトキャッツアイと違って、粒子状に見える内包物が包有されている事もあり、透明度が低い変わりに存在感のある色合いをしているのが特徴となっています。
蛍光性も蛍光色もありますが、殆ど存在しない稀少色となる為、内緒です。(笑)
こちらのような褐色~赤褐色をしたタイプがもっとも代表的なスキャポライトキャッツアイの色合いとなており、このタイプの色合いのルースは比較的に流通量が多いかもしれません。
色合いが鮮やかで透明感のあり、キャッツアイ効果が明瞭なものをお薦めします。
レインボー効果を示すスキャポライトのルース
以前よりカラーレス系のスキャポライトに茶褐色~褐色の筋模様が入ったタイプが存在していたのですが、見た目の美しさを損なっていた為、どちらかというと安価な扱いとなっていたスキャポライトとなります。
その後、かなり暗い環境で強い光を照射すると虹色のレインボーカラーの光彩効果を示す事が分かり、一躍、スキャポライトの中でも人気のあるタイプに躍り出たのが、このレインボータイプのスキャポライトになります。
こちらはファセットカットが施されたタイプとなりますが、レインボー効果が生じなければ普通に地味というか個性的ではあるものの現在のように人気は出なかったと思います。
周囲の環境を暗くした上で比較的に強い光を照射しないと特有の虹色に煌くレインボー効果が感じ難いものの確かに美しさを感じますね。
レインボー効果の状態は記載していませんが、上記のリングと同じように美しく幻想的な虹色に煌くレインボー効果が生じるルースになりますよ。
レインボースキャポライトに関しては、カット研磨のスタイルに特に決まりがないので、ファセットカットでもカボッションカットでもルース自体は存在します。
それぞれ個性的で魅力的なレインボー効果が生じるので、カット研磨に関しては好みで良いと思いますよ。
稀少色となる特殊なレインボー・スキャポライト
スキャポライトキャツアイとレインボースキャポライトは一応、同じスキャポライトとは言っても特徴的に違いが大きい事から、別々に紹介してきましたが、同じブログ記事で紹介した理由は、この特殊な稀少色となるレインボースキャポライトがあったからなのです。
お陰で長々とした記事になってしまいましたが、このルースが最後の紹介となるので我慢して下さい。
色合い的には少し薄褐ピンク色をしたスリランカ産のピンク・スキャポライトキャッツアイとなり、色合い的にはスキャポライトの中でパープル系と並んで人気の高い稀少色となるピンク系をしている「6.548ct」のルースになります。
色合いだけでも稀少色、キャッツアイ効果を示すだけでも稀少性が高いにも関わらず、こちらのルースはレインボー効果も持った極めて稀少なものだんですよ。
地色がカラーレスでなくてピンク系で、カラーレスのルースの場合だと褐色系の縞模様が入っていますが、こちらのルースは淡い色合いの縞模様となる為、レインボー効果としてはカラーレスのタイプ程にインパクトがないものの洗練された上品な美しさと魅力を感じられます。
本当は特定の成分含有率が高いスキャポライトとなる「マリアライト」の宝石名を持つタイプも紹介しちゃいたいのですが、続き物というか連作系のシリーズ記事は書いていて恐ろしく疲れちゃうので、それはまた改めて別の機会に紹介したいと思います。
ちゅ~ような感じで、次回は何の宝石かな?
ち~ゆ~。
ΦωΦ
今回は画像が多かったね。
ΘεΘ
疲れ果てた。
ΦωΦ
たまには自由気まま好き勝手な雑談とかを書きたい?
ΘεΘ
もうすぐ予約配信の下書き保存記事が尽きるから書けるんだよね。
ΦωΦ