猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

マリ・ガーネット:Mali Garnet

マリ・ガーネット

 

前回の記事では「マラヤ・ガーネット」を紹介しちゃったので、何となくの成り行きちゅ~か、気分で今回は「マリ・ガーネット:Mali Garnet」の記事を書きたいと思います。

 

基本的な6種類のガーネットの中で未紹介のタイプもあるのですが、ちょっと脱線しちゃって中間タイプが続いてしまうものの「マリ・ガーネット」は前回のマラヤ・ガーネットに比べると特徴的な印象を持ったタイプのガーネットなので少しだけ書き易いというか、書き応えがあるような予感がします。

 

ま、予感ですけどね。

 

ちゅ~ような感じで、早速ですが「マリ・ガーネット」の紹介をしていきますよ。

 

 

 

マリ・ガーネットって、どんなガーネットなの?

何だか可愛らしい名称の「マリ・ガーネット 」とは、1990年代半ばに市場に登場し始めたガーネットの中では珍しい変わった色合いが特徴となったガーネットの通称となりまして、産地である「マリ共和国」が名称の由来となっています。

 

成分的には「グロッシュラー・ガーネット」と「アンドラダイト・ガーネット」の中間的なタイプとなり、その成分比率によって赤色系~緑色系までの比較的にカラーレンジの広いガーネットになりますが、その中でも代表的なカラーがレモンのような黄緑色系をした「マリ・ガーネット」と呼ばれるタイプになりますよん。

 

また、パーティカラードやバイカラー的な感じで複数の色合いが混在したタイプがあり、透明感の高いガーネットとしては珍しいタイプになっているんですよ。

 

ガーネットの中でも透明度や彩度に優れるグロッシュラー・ガーネットと高い屈折率と重厚感のある色味が特徴となるアンドラダイト・ガーネットの中間タイプになる為、このタイプのガーネットには何気に多彩なカラーバリエーションがありますが、マリ・ガーネットのような代表的なイメージカラーがあり、鮮やかな色合いの鮮やかさや透明度の高さ、それにカット研磨したルースならではの煌びやかな輝きは宝石として十分に目を惹かれるものだと思います。

 

あまり大粒サイズのルースがないのが残念なところですが、ガーネットのタイプとしては新しく見付かったものなのでハイエンドと感じられる大粒のルースが出てくる可能性に期待しています。

 

 

【 マリ・ガーネット / Mali Garnet 】

  • 鉱物名:天然ガーネット
  • 宝石名:グロッシュラー / アンドラダイト・ガーネット
  • 通称:マリ・ガーネット(Mali Garnet)
  • 特徴:ガーネットの中では珍しい色合い
  • 和名:中間タイプになる為、特に正式な和名はなし
  • 結晶系:等軸晶系
  • 産出形状:菱形十二面体結晶、偏菱二十四面体結晶等
  • カラー:淡黄緑色、黄緑色、緑色、黄金色、淡褐色、褐色、茶褐色、赤褐色等の
        様々な色合いが存在
  • カラー補足:パーティカラードやバイカラー等の混色タイプもあります。
  • 透明度:透明
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:7程度(タイプや色合いによる個体差があります。)
  • 劈開:なし(但し、裂開は一方向に明瞭)
  • 断口:亜貝殻状または不平坦状
  • 比重:3.60~3.66程度(個体差があります。)
  • 偏光性:単屈折性(異常複屈折)
  • 多色性:認めず
  • 分光性:タイプや色合いによって異なります
  • インクルージョン:針状、管状、粒子状、塊状、結晶、液体等
  • 産地:マリ共和国、タンザニア、マダガスカル、スリランカ等
  • 代表的なカット:特になし

 

 

成分的にグロッシュラー・ガーネット寄りなのか、アンドラダイト・ガーネット寄りなのかによって個体差が生じるので、参考程度になります。

 

あくまで「マリ・ガーネット」は通称というか、コマーシャルネームのような呼称になる為、宝石鑑別書には特に記載されませんが、グロッシュラー / アンドラダイト・ガーネットという宝石名が記載されるので分かり易いと思います。

 

 

マリ・ガーネットのルース

発見されたのが比較的に最近となるガーネットなのでサイズよりも見た目の印象、色合いや煌きやカット研磨のスタイルを重視して代表的なイメージカラーのものと変わったタイプのものを紹介しますね。

 

マリ・ガーネット

 

このルースのようなレモンのような色合いが代表的なマリ・ガーネットのイメージカラーになっています。

 

グロッシュラーとアンドラダイトの2つのガーネットの中間タイプになるので、アンドラダイド寄りになる程、赤褐色~褐色系になりますが、その分、アンドラダイドの持つ高い屈折率が感じられるので煌びやかな輝きを楽しめます。

 

発見された時代やガーネットとしての特徴が重視される事もあり、マリ・ガーネットは他のガーネットに比べると細かな多面体になるような丁寧なカット研磨が施されたルースが多いかもしれません。

 

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マリガーネット

 

こちらのルースも同じスリランカ産のマリ・ガーネットになりますが、ツァボライトに代表されるグロッシュラー系のグリーン・ガーネットとデマントイドに代表されるようなアンドラダイト系のグリーン・ガーネットのハイエンドと言える別格クラスのグリーン・ガーネットに近い美しい鮮やかな透明感のある緑色をしています。

 

あたし個人としては、サイズ的に小粒だと感じるものの他のガーネットでは見られる事の少ないパーティカラードというかバイカラー系の色合いをしていて、緑色と少し黄色っぽい黄緑色が混在した神秘的な印象のルースでお気に入りなんですよ。

 

緑色系のマリ・ガーネットは殆ど市場に出ない為、かなり稀少なタイプとなっています。

 

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褐色系や赤褐色系は他のガーネットでも類似色が多く、より大粒サイズのルースがあるので個人的には少し興味が薄いのですが、イエロー系やグリーン系で美しいガーネットのルースとなると直感的に買い付けちゃってましたね。

 

 

マリ・ガーネットを使って製作したジュエリー

マリガーネットリング

 

現在は体調が悪い為、ジュエリー製作は休止していますが、マリ・ガーネットを使ったジュエリーも製作していたんですね。

 

イメージカラーとなるタイプのマリ・ガーネットとしては大粒サイズだったので、石を主役にしてシンプルなデザインにしています。

 

いろいろ悩んだ挙句、特別配合のイエローゴールドとホワイトゴールドの中間的な色合いをしたK10の地金を作って、それを使ってみました。

 

もう、こんな拘ったジュエリー製作はできないかもしれないですが、とても出来映えに満足している指輪なんですよ。

 

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ガーネットはモース硬度も高めでジュエリー等の装飾品として身に着けるにも適している宝石となり、カラーバリエーションも豊富なので楽しみが多いですね。 

 

 

マリ・ガーネットの魅力

「マリ・ガーネット」や「マラヤ・ガーネット」のような中間タイプのガーネットは基本的に宝石好きの愛好家さんや蒐集家さん等、スタンダードなガーネットを既に所有している方から支持される傾向があると思います。

 

そんな傾向がある中、ハッ!と目を惹かれ、ガーネットの一種だとは知らなかった人でも魅了する不思議な魅力がマリ・ガーネットにはあるんですよね。

 

あたしも仕事柄、多種多様な宝石や稀少宝石なんかを目にして気に入ったものは可能な限り買い付けてきましたが、その多くは別格クラスの大きさを持つものだったのですが、マリ・ガーネットはあたしの感覚の中では決して大きなサイズではないものの後ろ髪を引かれるというか妙に心に残ってしまう宝石のひとつでした。

 

本当に宝石って不思議ですよね。

 

ちゅ~ような感じで、まだまだガーネットのシリーズが続くよ。

 

ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

可愛い宝石だねぇ。

ΘεΘ

 

愛嬌があるね。

ΦωΦ

 

うん。

ΘεΘ