今回はですね、基本的な6種類の天然ガーネットのひとつとなる「スペサルティン・ガーネット:Spessartine Garnet」の紹介になりますが、このガーネットは「スペサータイト・ガーネット:Spessartite Garnet」という2つの正式な固有の宝石名で呼ばれる事があるんですよ。
その理由は、この種類のガーネットは1800年代の半ばに発見された産地であるドイツの「Spessart」という産地に由来した正式な宝石名となる為、ドイツ語表記での日本語読みが「スペサルティン・ガーネット:Spessartine Garnet」になるのに対して、ドイツ語を英語表記にした日本語読みが「スペサータイト(或いはスぺサルタイト)ガーネット:Spessartite Garnet」となるからで、どちらも正しい呼び方で正式な固有の宝石名として認知されています。
いくつかの産地があるもののガーネットの種類の中では、もっとも宝石品質となる原石が少ないタイプとなっている為、ガーネットの中では市場流通量は少なくなり、鮮やかな色合いで透明度の高い高品質な大粒ルースは非常に稀少性が高いんですね。
カラーバリエーション的には何パターンかが存在しますが、代表的な色合いは鮮やかなオレンジ系のカラーとなり、宝石として扱われる高品質なルースとなるとガーネットの様々なタイプの中でも上位に入る種類のガーネットとなっていますよ。
高品質な宝石として扱われるものは非常に少ないものの天然石レベルの品質を持ったタイプも産出する事から、市場で流通している「スペサルティン・ガーネット」の印象としては特別なガーネットという感覚は実感し難いと思いますが、宝石品質の大粒サイズのスペサルティン・ガーネットを取り扱っているショップさんや業者さんは筋金入りというか本格的というか、ちゅ~ような感じの宝石屋さんやジュエリーショップと判断できると思いますよ。
ガーネットといえば独特の赤色系の石をイメージされる方が多いと思いますが、特に宝石として取り扱われるガーネットは、オレンジ系、ゴールド系、グリーン系となり、どの色合いも鮮やかで透明感と光沢感がある上、それ程、大きな原石や結晶がない事から大粒サイズのカット研磨の素晴らしいルースはハイエンドな宝石として別格の扱いと評価がされているんですね。
同じ宝石でも良し悪しやサイズ感によってピンキリなので、そこは個人的な趣味嗜好や好みの問題だと思いますが、どんなものでも価格相応の品質や稀少性となるのは確かなんですよ。
ちゅ~ような感じで、スペサルティン・ガーネット(ここからは英語読みのスペサルティン・ガーネットに統一していきますね)について紹介していきま~す。
宝石品質のスペサルティン・ガーネット
ガーネットの種類の中では極端に宝石品質となるタイプが少ないものの天然石レベルの品質のもの等を加えると鉱物的には稀産という訳ではありません。
その為、様々な品質のスペサルティン・ガーネットが市場に流通していますが、スペサルティン・ガーネットの宝石としての美しさや魅力を堪能できるものは限られていて、そうした宝石品質の美しいルースはゴールドやプラチナ等の貴金属地金を使い、メレダイヤ等をあしらった宝飾系のジュエリーに加工されるか、愛好家さんや蒐集家さんがルースの状態でコレクションされる事が殆どです。
カット研磨のスタイルやルースの大きさによって華やかさを持たせる事や重厚感のあ宝石ならではの存在感をアピールする事ができるのが、ガーネットの魅力となり、スペサルティン・ガーネットの場合、その代表的な色合いがオレンジ系となる為、他の種類のガーネットや他の宝石とは違った美しさが楽しめます。
ガーネットは鉱物としても、モース硬度も高めで美しい光沢感と質感があり、屈折率や分散率といった要素でも原石となる結晶の品質さえ良ければ、鮮やかな色合いや高い透明度やカット研磨による煌きや輝きといった多くの要素から見映えの良さが感じられるんですよ。
宝石品質のルースとなると稀少性が高いのも魅力で、あまり見られない宝石という点でもジュエリーや宝石といった部分で愛着が湧く要素になると思います。
スペサルティン・ガーネットの代表的な色合いは美しいオレンジ系となりますが、その中でも赤橙色のような濃い色合いをしたタイプは通称で「タンジェリン・ガーネット」と呼ばれていますが、こうした通称はコマーシャルネームのようなものなので正式な宝石名とはならず、宝石鑑別書でも記載されませんよ。
この濃い目の赤みを感じるオレンジカラーがタンジェリン・ガーネットの通称で呼ばれるルースになりますね。
こちらのルースは、少し黄色っぽさを感じるオレンジ色をしたスペサルティン・ガーネットのルースとなり、このタイプの色目をしたものは通称で「マンダリン・ガーネット」と呼ばれますが、タンジェリンと同様にコマーシャルネームのようなものなので宝石鑑別書への記載はされません。
スペサルティン・ガーネットは、主に宝石が好きな方に好まれる通好みというか玄人好みなタイプの宝石になるので必ずしも華やかさが重視される訳ではないのですが、明るいオレンジ色をしたマンダリンタイプは一般的にも広く人気がありますね。
個性的なスペサルティン・ガーネット
もともとガーネットの中では個性的な種類となるスペサルティン・ガーネットですが、高品質な宝石質のものが少ない事やタンジェリンやマンダリンのようなキャッチーなコマーシャルネームで知名度が高まった事もあり、じわじわと人気が高まってきましたね。
ガーネット自体が宝石品質やルースのサイズに拘らなければ、カラーバリエーションや種類が多いので鉱物標本も含めてコレクターが増えた事もありますが、以前に比べると正統派な宝石品質のスペサルティン・ガーネットとは違ったタイプの個性的なルースも増えてきましたよん。
このルースなんかはデッドストック状態となっていた相当に古いナミビア産のスペサルティン・ガーネットのルースになり、ずっと貸し金庫の中で眠らせてきましたが最近になって販売を開始した雨降りのように管状包有物が入ったタイプになります。
あたし自身、個性的なルースや特徴的なルースは、正統派の宝石ルースと同じように好きなので、とても趣きがあって気に入っているんですよ。
鮮やかな色合いと高い透明度があっての美しさですが、印象に残るものがありますね。
スペサルティン・ガーネットについて
ありゃりゃ、いつもと紹介する順序が変わってしまいましたが、スペサルティン・ガーネットの情報や数値なんかを紹介しておきますね。
【 スペサルティン・ガーネット / Spessartine Garnet 】
- 鉱物名:天然ガーネット
- 宝石名:スペサルティン・ガーネット(Spessartine Garnet)英語読み
- 宝石名:スペサータイト・ガーネット(Spessartite Garnet)ドイツ語読み
- 俗称等:マンダリンガーネット(明るいオレンジ~鮮やかな黄褐色系)
タンジェリンガーネット(赤みのあるオレンジ~鮮やかな赤褐色系) - 特徴:6種類のガーネットの中では宝石品質がもっとも少ないタイプ
- 和名:満礬柘榴石
- 結晶系:等軸晶系
- 産出形状:斜方十二面体結晶、偏菱二十四面体結晶等
- カラー:オレンジ色、赤色、帯褐赤色、黄褐色、赤褐色等
- 透明度:透明
- 光沢:ガラス光沢
- モース硬度:7.25程度
- 劈開:なし(但し、裂開は一方向に明瞭)
- 断口:亜貝殻状または不平坦状
- 比重:4.12~4.20程度
- 偏光性:単屈折性(異常複屈折)
- 多色性:認めず
- 分光性:マンガンバンドを認む
- インクルージョン:針状、管状、粒子状、塊状、結晶、波状液体等
- 産地:マダガスカル、アメリカ、スリランカ、タンザニア、ミャンマー、
ブラジル、ノルウェー、オーストラリア、ドイツ等 - 代表的なカット:特になし
個々のルースや産地による差異はありますが、基本的には純粋なスペサルティン・ガーネットは淡い黄色系の色合いとなり、他の元素や成分によってオレンジ系~赤褐色系をした暖色系のカラーバリエーションとなっていますよ。
鉱物標本等に興味のある方なら分かるかもしれませんが、アルマンディン・ガーネットやパイロープ・ガーネットやロードライト・ガーネットとは明らかに違った光沢感のある黄褐色~オレンジ色系の結晶となっちいて、それ程、大きな結晶が少ないんです。
補足:カラーチェンジタイプのガーネット
純粋なスペサルティン・ガーネット ではありませんが、スペサルティン・ガーネットとパイロープ・ガーネットの中間的なタイプとなるガーネットの中にはカラーチェンジ・ガーネットと呼ばれるガーネットがあります。
このタイプは、鉱物として2シリーズの中で6種類の基本的なガーネットとして扱われる事よりも「カラーチェンジ効果」という極めて特殊な光彩効果が生じる事と複数の種類のガーネットが入り混じっている事から単独で「カラーチェンジ・ガーネット」として扱われる為、こちらでは省略しています。
カラーチェンジ・ガーネットについては、後日、改めて個別で記事を書く予定で~す。
ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。
ΦωΦ
新ブログも現時点で30記事を超えてる、つまり1ヶ月が経ったって事だね。
ΘεΘ
この記事が公開される頃には50記事くらいになっているでしょ?
ΦωΦ
いつかリアルタイム性のある記事を書いて公開する時がくると思うけど、その時はきっと記事のスタイルも違ってくるんじゃないかな?
ΘεΘ
読んでくれている皆さん、あざ~っす。
ΦωΦ
ちょっとずつ雑談や無駄話も入ってきちゃうでしょうがよろしくね。
ΘεΘ