猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

糸魚川ヒスイの勾玉(装飾性の高い個性的な勾玉等)

糸魚川翡翠勾玉

 

 

前回の記事では何となく誰もが勾玉って聞くとイメージしちゃう感じのスタンダードなタイプの勾玉について書いてみましたが、今回は少しばかり装飾性の高い勾玉や異形タイプの勾玉なんか等、ちょっとばかり違った雰囲気の「糸魚川ヒスイ:その他の勾玉」について書いていきますよん。

 

糸魚川ヒスイは古代から装飾品としての勾玉の代表的な素材のひとつでしたが、最初はデザイン性というよりも見た目の美しさや実用的な頑丈さ等の要素から装飾品として扱われてきたと思います。

 

まぁ、あたしが勝手にそう思っているだけですけどね。

 

ちゅ~ような中、古代の思想とか文化とか宗教的なものとか様々な要因が加わって、勾玉という特異なデザインと何らかの用途を持った装飾品として定着、発展していったと思われるのですが、歴史的には古墳時代で勾玉という装飾品は徐々に姿を消していったんですよね。

 

以降も家紋や旗印等の中に勾玉を連想させる意匠が見られますが、文明の発展や文化の変化といった時流の波に飲まれるように装飾品のスタイルや意匠も多様化していき、現在では勾玉というモチーフ的な扱いや糸魚川ヒスイを使った装飾品のひとつとして扱われています。

 

もちろんスピリチュアルな要素やなんかで好む人もいると思いますが、あたしはスピリチュアルとかパワーストーン的な事に対して特別な興味がないので分かりません。

 

そんな歴史やロマンなんかが味わえる太古の勾玉という装飾品ですが、一般的に何となくイメージする勾玉のフォルム以外にも様々なバリエーションを持った装飾性の高い勾玉なんかも古墳等から出土しており、勾玉ってのは一体何なんだろうね?って素朴な疑問を感じながらも不思議と愛好家さんが絶える事がないんですね。

 

そんなに誰もが普通に身に着けるような装飾品でもないのに細々とした状態であれ勾玉を製作される方や愛用される方がいる理由のひとつは糸魚川ヒスイという日本を代表する国産鉱物との親和性が高いという理由もあるんじゃないかな。

 

ちゅ~ような感じで、古代から装飾品として存在してきた勾玉の中でも装飾性の高い少しばかり変わったデザインの糸魚川ヒスイを使った勾玉なんかを紹介していきますね。

 

【 禽獣首型勾玉 】 

糸魚川翡翠異形勾玉

 

こちらは勾玉の中でも特に装飾性の強い「禽獣首型勾玉」と呼ばれる異形勾玉となり、その名称の通り禽獣、鳥や獣の頭部を連想させる個性的でインパクトの強いデザインをした勾玉になります。

 

このデザインの勾玉は遺跡から出土したタイプで現代の勾玉作家さん達の生み出したアレンジではなく、太古の時代に勾玉のバリエーションのひとつとして存在していたものとなり、今回の記事で取り上げる各種の勾玉は主に細かなデザインの違いはあっても基本的には太古からあったタイプの勾玉となっていますよ。

 

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いろいろな装飾的なデザイン性を持った勾玉 

 

その多くは遺跡や古墳等からの出土品がオリジナルのデザインとなりますが、現在のように様々な加工機械や道具がない時代に製作されたものになる上、長い年月を経ている事もあり、糸魚川ヒスイ等の頑丈な鉱物であっても経年劣化がある事から、必然的に現在、勾玉作家さんや愛好家さん達が作り出しているものは洗練されたり、アレンジされたりしているものになります。

 

それでも基本的に装飾性の高い勾玉であってもシンボリックな勾玉がベースになっている事から、スタイルによって名称的なものがあります。

 

【 いろいろな装飾的な勾玉の名称 】

 

  • 子持ち勾玉:勾玉の湾曲した内側(お腹の部分)や外側(背中の部分)に小型
          の勾玉が組み合わさっている勾玉

  • 櫛形勾玉:勾玉の湾曲した内側部分に出っ張りがあるアルファベットの「E」の
         文字のような形をした勾玉

  • 獣型勾玉:櫛形勾玉と似た形ですが出っ張りが頭と尾を入れて4つある四つ足の
         獣のような形をした勾玉

  • 禽獣首形勾玉:鳥や獣を連想する異形の頭部を持った大振りで力強い印象の勾玉

 

こうした様々な名称は後から付けれたものになり、ここには記載していないタイプの勾玉もありますが、その見た目の印象等から一般的に誰もが連想するようなシンプルな勾玉も含めて、勾玉という装飾品にはどのような意味合いがあったのか、勾玉の形とは何を象徴しているのか等の謎が多く、そういった部分で勾玉については諸説の意見があるんですね。 

 

 

【 雑談:勾玉の起源や象徴すると考えられている様々な説 】

 

  • 原始の装身具を模した「獣牙起源説」や「禽獣起源説」

  • 海洋民族としての「魚形起源説」や「釣針起源説」

  • 海洋民族的な要素も含まれる潮の満ち欠けに関連した「月神起源説」

  • 種族の保存や繁栄を願った「胎児模倣説」

  

これら以外にも様々な説があり、あたし的には様々な説よりも現代に勾玉を愛用される方が自由に思い込みでも構わないから、こういう意味を込めて愛用しているって感じでいいんじゃないかなぁ・・・って思っています。 

 

【 丁字形勾玉・丁字頭形勾玉 】 

丁字形勾玉

 

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装飾的なデザインの勾玉としては、もっともシンプルで基本のスタンダードなフォルムに近いタイプとなりますね。

 

勾玉の頭の部分に刻みが入ったデザインで古代の勾玉としては初期に派生したアレンジデザインのものとなっています。

 

丁字頭形勾玉

 

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シンボリックでシンプルな勾玉を好まれ方なんかだと、この丁字形勾玉とか丁字頭形勾玉とかくらいの装飾性のある勾玉くらいが許容範囲になるかもしれませんね。

 

丁字形勾玉・丁字頭形勾玉でもベースとなる勾玉のフォルムや使われている糸魚川ヒスイの色柄模様なんかによって印象が違ってくるので、そういう意味では装飾性のある勾玉の中ではバリエーションが豊富なタイプかもしれません。

 

丁字頭形勾玉

 

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ひとつ前の画像の丁字型(丁字頭形)勾玉よりもベースとなる勾玉に角度の付いた「くの字型勾玉」のスタイルで力強い印象がより感じられるかと思います。

 

あまりアレンジし過ぎると勾玉らしさが感じられ難くなるのですが、きちんと勾玉の形や装飾性のある勾玉のパターンを理解していて、いろいろな遺跡や古墳等から出土した勾玉の情報等までチェックされている勾玉作家さんの作品はバランス感やフォルムも洗練されたものが多いですね。

 

 

【 獣型勾玉~櫛形勾玉系 】 

獣型勾玉

 

こちらはアルファベットの「E」の文字のような形をした櫛形勾玉になりますが、全体のアウトラインと細かな刻みを入れる事によって変則的な獣型勾玉となった糸魚川の青翡翠を使った作品です。

 

作家さんの作風や感性が出ていて、通常ならば削り落としてしまう茶褐色の錆びを動物の模様に見立てているのが特徴です。

 

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【 子持ち勾玉 】 

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こちらは勾玉の内側に当たるお腹の部分に小型の勾玉が引っ付いているような子持ち勾玉となります。

 

子持ち勾玉は小型の勾玉が引っ付いているのが、内側のお腹部分の場合もあれば外側の背中部分の場合もあり、その数も画像の作品のように1個だけの子持ちだけでなく複数個の小型勾玉が引っ付いているものもあり、何気にバリエーションも多く、小型の勾玉のサイズや引っ付いている位置や数によって印象が全く異なるんですよ。

 

 

誰もが何となくイメージする勾玉とは少し印象が違った装飾的な勾玉もいろいろなバリエーションがあって興味深いですし、面白いものだと思いますよん。

 

勾玉作家さんの中には突飛なデザインのオリジナル性の高い作品を製作されている方もみえますが、不思議とスタンダードな勾玉や実際に出土した勾玉の方が魅力を感じるのは、あたしだけなのかしら?

 

ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

もう少し取り扱いのバリエーション増やさない?

ΘεΘ

 

心が惹かれる勾玉作家さんがいないかな?

ΦωΦ

 

そういうのも縁や運だもんね。

ΘεΘ