本当は「ゾイサイト」の前に書きたいと思っていた「タンザナイト:ブルーゾイサイト」の記事だったのですが、タンザナイトはゾイサイトの中でも唯一固有の宝石名が定着している宝石だった事もあり、先に「タンザナイト」の記事を書く事にしちゃったもんだから順番が狂ってしまったのです・・・
ちゅ~感じで、今回は「タンザナイト:ブルーゾイサイト」に特化した記事を書きたいと思います。
前回の「ゾイサイト:Zoisite」の記事で書いたようにゾイサイトというのは鉱物種の名称になり、その品質から宝石タイプから天然石タイプまでバリエーションがあってね。
おまけに天然石タイプであっても一般的に通称として認知されいる俗称がある事から宝石タイプの中でも特にカラーバリエーションが透明青色~透明青紫色等の色相を持った「タンザナイト」という固有の宝石名を持ったタイプは個別で紹介する方が分かり易いのではないかと思ったんですよね。
もともとは1960年にタンザニアで発見された美しい青色系をしたブルー・ゾイサイトは、1960年の半ば過ぎに有名なジュエリーブランドの「ティファニー」によって商業的なコマーシャルネームとして「タンザナイト」と名付けられた宝石になりますが、現在では「ブルー・ゾイサイト」という名称よりも「タンザナイト」とう宝石名の方が一般的に認知されています。
タンザナイト(ブルー・ゾイサイト)って鉱物ってのは何なん?
基本的には鉱物としては「タンザナイト」と同種となっており、異なる点はサファイアに匹敵する美しい透明感のある青色~青紫色をしている事です。
タンザナイトとして取り扱われるのは基本的に透明度の高い宝石タイプのみとなり、天然石タイプは品質が劣る不透明なタイプに限られているのが特徴です。
ティファニーがプロモーションをした事による影響は少なくありますませんが、同じ宝石タイプの「ゾイサイト」の中でも固有の宝石名となるタイプは「タンザナイト」に限られ、稀少性ではグリーン・ゾイサイトには及ばないもの比較的に大粒サイズのルースからブルー系の色合いといっても色の濃淡や光沢感といったバリエーションがある為、稀少宝石という扱いではなく宝石という扱いで市場流通性もあり、個性的な美しさとイメージを有しています。
グリーン・ゾイサイトやバイカラー或いはパーティカラードの透明化のある宝石タイプのゾイサイトは他にも存在しますが、タンザナイトのみが固有の宝石名を持っている事からも知名度やイメージが明確な宝石だと言えますね。
こちらのルースは、イエロー系のゾイサイトとのバイカラータイプのタンザナイトになりますが、天然石タイプと違って透明度があり美しい色合いをしているルースになります。
【 タンザナイト / Tanzanite 】
- 鉱物名:天然ゾイサイト
- 宝石名:ブルー・ゾイサイト
- 通称(一般的な固有の宝石名):タンザナイト
- ゾイサイトの和名:灰簾石、黝簾石
- 鉱物グループ:広義では緑簾石グループ
- 結晶系:斜方晶系
- 産出形状:柱状結晶・短柱状結晶・不透明なタイプは塊状
- カラー:透明青色・透明青紫色・透明紫青色
- 透明度:透明
- 補足:透明
- 光沢:ガラス光沢
- モース硬度:6~7程度
- 劈開:1方向に完全
- 断口:貝殻状、不平坦状(鋸刃状)
- 比重:3.15~3.38程度
- 偏光性:複屈折性
- 多色性:強い三色性
- 分光性:特に必要な吸収を認めず
- 産地:透明度と色合いによる
- 代表的なカット:特になし
比較的に鮮やかな透明青色をした宝石は、有名なところでは一部のサファイアが代表的ですが、それ以外の宝石では、アウェインやベニトアイト等の稀少宝石が多く、それらの稀少宝石は結晶のサイズが小さい事から大粒サイズのルースは殆ど存在しないんだよね。
そんな中では、タンザナイトは稀少宝石としては扱われないものの比較的に大粒サイズのルースが存在し、サファイアに匹敵する程の美しい透明感のある青色をしている上、三色性という特殊な光彩効果を持つ事からサファイアとは違った個性を持った宝石として扱われています。
ちゅ~ような訳でタンザナイトは多くのファンが存在する宝石となり、濃い艶やかなタイプを好まれる人から淡い優し気な印象のタイプを好まれる人まで楽しめる単色系の宝石ではありながら幅広い愛好家さんや蒐集家さんに好まれているんですね。
タンザナイトのルース達
タンザナイトとして宝石鑑別書の作成ができるタイプのみ紹介していきますね。
宝石タイプとなる高い透明度を持つ「タンザナイト 」ですが、色合い的には同じ青色系でも濃淡やカット研磨のスタイルによる見た目の印象にはバリエーションがあります。
こちらのルースは大粒サイズの部類に入る大きさのルースという事もありますが、もっとも色合い濃い紫青色の色合いをしたタイプとなり、濃い目の色合いをしたタイプは見る角度や光の当たり方によって異なる色合いが見える多色性(タンザナイトの場合は3色の色合いが見える三色性)が強く感じられるのが特徴ですよん。
こちらのルースも色合いの濃い紫青色をしたルースですが、ちょっとタンザナイトとしては珍しい「モディファイト・トライアンギュラー」タイプというカット研磨が施されており、石の厚みが先程のルースよりも薄い事からぱっと見の色合いとしては少し薄めとなり、より透明度が高く感じられます。
色合い的に薄めで透明感が強くなる程、多色性は感じ難くなりますが、シンプルに美しい青色を感じたい方なんかは濃い目のタイプよりも色合いの薄いタイプを好まれますね。
こちらは少し角度を持たせて撮影した「クッションファンシーカット」にカット研磨されたルースとなりますが、色の濃さとしては先程のモディファイド・トライアンギュラータイプにカット研磨されたルースと同レベルとなります。
透明感のある宝石タイプになる程、瑕疵等の品質的な要素が明瞭に見える為、その意味では色合いが薄いタイプの方が品質の良し悪しが分かり易いかもしれません。
比較的に大粒サイズのタイプが存在するとはいっても基本的に稀少性の高い宝石として取り扱われるだけにサイズが大きく品質が良いものになる程、より稀少性や価値が上がります。
また、ここで紹介したルースは全て非加熱未処理のタイプになりますが、透明度の高い薄茶系のゾイサイトを加熱処理する事で青みを持ったタンザナイトの色合いになる為、あまり淡い色合いをしたタンザナイトの場合、加熱処理を施されている可能性があります。
そういう意味では、信頼できる宝石鑑別機関の鑑別書が付属したルースやジュエリーを選ぶのが良いかもしれないっすよ。
タンザナイトを使ったジュエリー
あまりモース硬度が高くない宝石になる為、大粒サイズや高さのあるカット研磨をされたものは取り扱いに注意が必要になります。
色合い的に鮮やかで存在感があるので扱い易いのは10ct未満のサイズでカボッションカットのルースも流通していますが、カボッションカットは特徴的な多色性を感じ難いのと内包する瑕疵等が目立つものが多いので、その辺りはフィーリングというか個々の感覚で選んでちょ。
ルースのサイズが小粒であっても写真のように角度によって強い多色性を感じる事ができる上、とても上品で華やかな印象で存在感があるので、あたし的には好きな宝石なんだよね。
あまり頻繁には製作しませんが、宝飾系のデザインにすると一段と華やかで美しさが増すような気がしちゃいます。
ちゅ~ような感じで、「ゾイサイト」の中でも宝石として扱われる透明度の高い美しい「タンザナイト」の紹介でしたが、タンザナイトも最近は品質の悪いカボッションタイプが増えてきちゃったので、そういうタイプのは宝石ではなくて天然石の扱いになっちゃうんだよ。
その辺りはお好みですが、宝石やジュエリーは価格相応だったりしますので、長く愛用できるものが一番じゃないかなぁ~って、あたし的には思っちょります。
ブルーの色石って本当に綺麗で好きなんですね。
ち~ゆ~。
ΦωΦ
モース硬度が高ければ尚良いんだけどね。
ΘεΘ
贅沢は言わない。
ΦωΦ