猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

パロット・クリソベリル:Parrot Chrysoberyl

パロットクリソベリル

 

最初の予定よりも長いシリーズになってしまった感じのある「クリソベリル」ですが、やはり宝石として古くから多くの人に愛されてきただけの事はあり、それをひとつの記事で全て書こうって事がそもそも間違っていました・・・反省。

 

ま、いろいろ試行錯誤も必要でしょうし、コンディションとか気分とかもあるので、そんなに深く考えていませんけどね。

 

ちゅ~ような感じで「クリソベリル」という宝石の中でも「アレキサンドライト」や「キャッツアイ」とも違った特殊性を持ったタイプとなる「パロット・クリソベリル」の紹介をしていくっすよ。

 

パロット・クリソベリルって何なん?

前々回の記事で「クリソベリル」という鉱物の基本的な特性や特徴について記載しましたが、そこでは鉱物的には同じである特色系の「パロット・クリソベリル」も含まれた広義でのクリソベリルの紹介になっていました。

 

ちゅ~ような訳で、同じクリソベリルという事で重複する点が多いのですが、パロット・クリソベリルについても同様に記載しておきますね。

 

【 パロット・クリソベリル / Parrot Chrysoberyl 】

  • 鉱物名:天然クリソベリル
  • 宝石名:クリソベリル
  • 通称:パロット・クリソベリルと呼ばれる。
  • 和名:金緑石
  • 結晶系:斜方晶系
  • 産出形状:柱状結晶・双晶・三連晶・稀に礫状
  • カラー:帯黄緑色・帯緑黄色・黄緑色・緑黄色・緑色
  • 補足:シルク光沢を持ったシルキータイプが存在
  • 透明度:透明~半透明
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:8.5程度
  • 劈開:1方向に対して明瞭ないし不明瞭
  • 断口:貝殻状
  • 比重:3.68~3.73程度
  • 偏光性:複屈折性
  • 多色性:強い三色性(個体差あり)
  • 分光性:アイアンバンド
  • 産地:インド(オリッサ州チンタバリ鉱山)のみ
  • 代表的なカット:特になし

 

 

通常のクリソベリルと異なる点は、上記の赤文字部分となり、特に「カラー」に関しては、クリソベリルの宝石名はギリシャ語で黄金を意味する言葉が語源となったイエロー系の代表的な宝石のひとつとなっているのに対して、パロット・クリソベリルは主に黄緑~緑黄~緑色系の蛍光性を感じる色合いをしたものに限られています。

 

 

パロットクリソベリル

 

この独特の華やかさを感じる明るめのグリーン系の色合いが鮮やかな色彩を持った鳥の「オウム」を意味する「パロット」という表現で呼ばれるようになったんですね。

 

また、クリソベリルという宝石自体は宝石としては極端に少ない産出量の鉱物という訳ではないのですが、このパロットカラーと呼ばれるタイプの色合いをしたクリソベリルはインドの限られた地域で1990年代後半~2000年代前半までの非常に短い期間、非常に限られた産出量しか採掘できなかった事、同じクリソベリルに比べて稀少性に大きな差がある事も関係し、パロット・クリソベリルという固有の通称で取り扱われているんですよ。

 

鉱物学的に見れば、同じ鉱物となりますが、カット研磨された状態のルースとしての宝石やジュエリー向けの宝石としては、同一に扱う事ができない稀少性と特殊性を持っている事から、今回の記事も個別での扱いとした訳なんですね。 

 

ちなみに以前に「多種多様なカラーバリエーションのトルマリン」という記事で「美しい色合いは鳥や鳥の羽のような色柄に喩えられる事があります。」とも書きましたが、オウムも色合いの美しさや華やかさから宝石に限らず様々なものに「パロットカラー」というような感じで表現される事があります。

 

 

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パロット・クリソベリルの魅力やカラーバリエーション

稀少性の高さやタイミングもあって、あたし自身も他の宝石に比べると取り扱ってきた数量が少ないタイプの宝石となりますが、やはり印象的なのは通常のクリソベリルとは明らかに違ったグリーン系の色合いをしている事になりますね。

 

クリソベリルは高品質なルースは通常タイプのクリソベリルでも鮮やかで華やかな透明感のある美しいイエロー系の色合いをしていて、独特の艶やかな光沢感も加わり、目を奪われる程に魅力的な要素を持っていますが、パロット・クリソベリルも色合いがグリーン系というだけで他の要素では宝石として魅力を感じる素晴らしい美しさがあります。

 

シルキーパロットクリソベリル

 

カラーバリエーションが限定的で色相が同じようなタイプに限られる為、グリーンニッシュイエローとかイエロニッシュグリーンとかのような比較的に優しい色合いをしていますが、シルキーな光沢感を持った薄っすらと靄の掛かったような神秘的で幻想的なタイプが存在しますよ。

 

まぁ、シルキーな光沢感や質感を持った代表的な宝石というと「カシミール産のサファイア」とか「フーシャサファイア」と呼ばれる極めて稀少なタイプの歴史的なサファイアなんかが有名ですが、ちょっとサファイアは好きな宝石だし、かなりの数量のルースを取り扱っている事もあるので、もっと先、もう少し落ち着いてから記事を書こうと思っています。

 

あぁ、また、ちょっと話しが脱線しちゃう傾向が出てきましたねぇ・・・

 

シルキーベールに包まれたような宝石は見た目が幻想的だったり、神秘的だったりする事もありますが、強過ぎると透明感が薄れてしまう為、美しさと透明感を兼ね備えたルースは稀少性が高く、宝石の種類によっては産地特性となっていたりするんですよ。

 

パロットクリソベリル

 

パロット・クリソベリルは非加熱未処理のカット研磨以外は何にも人の手が加わっていない宝石なので同じシルキータイプにも様々な表情があり、どれも個性的な美しさを持っていますよ。

 

そんなに市場流通性がなく、あまり見掛ける事がない稀少なタイプの宝石ですが、もし目にする機会があったら、実物の色合いや質感や光沢感や透明感なんかを堪能して楽しんで下さいね。

 

ちゅ~ような感じで、やっと次回は「アレキサンドライト・キャッツアイ」です。

 

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ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

この宝石は人気がある。

ΘεΘ

 

入荷予定はないけどね。

ΦωΦ