ほれ、何となく前回の記事では、イメージ的に緑色をした宝石の東洋版の代表格みたいな感じの翡翠の話しをしちゃったので、これまた何となく西洋版の緑色をした宝石の代表格として知られるエメラルドについての記事を書いちゃおうと思った訳なんですが、ま、何となくスタンダードなエメラルドじゃなくて稀少宝石の扱いとなる「トラピッチェ・エメラルド」をフュ~チャ~した内容にしちゃいますよ。
また改めてその内にスタンダードなエメラルドの記事も書くと思いますが、今回はトラピッチェ・エメラルドで~す。
トラピッチェ・エメラルドって何なん?
トラピッチェ・エメラルドを紹介するには、まず最初に「トラピッチェ」という言葉の意味を知っておかないといけないっすから、ちゅ~ような事から書き始めたいと思っちょります。
【トラピッチェとは何の事なん?】
トラピッチェは、日本語読みだとトラピチェとかトラピッチュとか読まれる事もある言葉ですが、スペイン語でサトウキビの絞り機を意味する言葉になり、その歯車の形に似た放射線状の結晶形が見られる宝石に冠する形容詞的なフレーズです。
中心の六角形の結晶柱面から6個の六角形や台形状の結晶が外側に向かって放射状に成長している特異系のタイプになります。
中心部の六角形のサイズが小さいと中心から6条の放射線状の筋が見られ、中心部の六角形のサイズが大きいと亀甲柄のように見えるのが特徴なんですよ。
トラピッチェタイプの宝石としてもっとも知名度が高いのがエメラルドとなり、このトラピッチェ・エメラルドはコロンビア産でのみ産出しますが、エメラルド以外にもサファイアやダイヤモンド等の宝石とかアメジスト等の水晶なんかでもトラピッチェタイプが存在します。
緑と黒のコントラストの強さや通常のエメラルドよりも高い屈折率という事もあり、珍しく奇妙なタイプの稀少宝石として愛好家さんや蒐集家さんに人気が高い稀少宝石となっているっすよ。
トラピッチェ・エメラルドの場合、その特徴的な柄模様を活かす為に宝石としてはカボッションカットにされますが、鉱物標本等の場合はスライスされた板状タイプも流通しているっすよ。
この写真のようにポロポーションやバランスが良く8ctアップもあるような大粒サイズは完全にジュエリー向けのハイエンドなルースになりますが、こうした大きなルースは極めて稀少性が高くて流通量も限られていますよん。
トラピッチェ・エメラルドの取扱注意点
これは特にトラピッチェタイプに限らず、エメラルドという宝石全般に言える事なのですが、宝石としては非常にデリケートな石となり、特徴的に瑕疵が多い宝石となります。
従って一般的に瑕疵等にオイルを浸透させる含侵処理やキャビティーと呼ばれる結晶の隙間に透明無色の補填処理という人為的な処理が施されています。
現在では、オイル含侵等をしていない未処理石も市場に出ていますが、そうしたルースは殆どが色合いが薄く、宝石としての美しさよりも天然未処理という点をアピールポイントにした左程、品質の良くないルースやコレクション用のサイズの小さなルースが大部分となっています。
オイル含侵や透明無色の補填処理は宝石としての美しさと強度を保つ為の処理となる為、それ自体が大きなマイナスポイントになる事はありませんが、染色や色の付いた補填剤による補填処理をされているものは大きなマイナスポイントになってしまうんだよ。
ちゅ~ような事から、エメラルドは取り扱いに注意が必要で破損や摩耗等をし易いので他の宝石に比べて少しデリケートに扱ってちょんまげ。
雑談:5月の誕生石
昔から言われている誕生石の中で5月の誕生石は「エメラルド」と「ヒスイ」なんですよね。
どちらもイメージ的には緑色をした宝石でヒスイの方はジェダイトという宝石に多種多様なカラーバリエーションが存在しますし、エメラルドの方は鉱物名である「天然ベリル」の中で緑色をしたタイプの宝石名ですが、天然ベリルの場合は色合いによって宝石名が異なって、それぞれが色別に固有の宝石名を持っているところなんかが何だか似た感じがしちゃいますよね。
あたし的には、あまりスピリチュアルな感覚で宝石を蒐集したり販売したりしている訳ではないので、ちょっと正確なところは分からないのですが、トラピッチェ・エメラルドという宝石は10月14日の誕生石らしいですよ。
まぁ、誕生石があんまりしょぼい感じの宝石でも何ですが、トラピッチェ・エメラルドみたいな個性が強くて入手困難な感じの稀少宝石だと、それそれそれで何だか大変な感じっすね・・・
最後にトラピッチェ・エメラルドの鑑別データを紹介しますが、個々のルースによる差異や鑑別機関による差異等があるので、あくまで参考までにって感じでね。
- 鉱物名:天然ベリル
- 宝石名:トラピッチェエメラルド
- 産地:コロンビア
- 透明度と色:透明緑色
- 屈折率:1.58程度
- 偏光性:複屈折性
- カットの形状:大部分はカボッションカット
- 多色性:認む
- 蛍光性:認む
- 比重:約2.72
- 分光性:クロムラインを認む
- 拡大検査:液膜包有物、成長線
ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。
ΦωΦ
ひとつの種類の宝石だけに絞ると書き難い感じだね。
ΘεΘ
かと言ってエメラルドで括っちゃうと詳細説明できないし・・・
ΦωΦ
もうちょっと様子見だね。
ΘεΘ