猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

パパラチア・サファイア(パパラチャ・サファイア):Padparacha Sapphire

パパラチアサファイア

 

あたし的には個人的にもっとも好きな宝石となるのが、サファイアなのですが、好きなものは後に残しておく派、そういうタイプだって事もあり、こっちのブログでは現時点では殆どサファイアって宝石についての記事を書いてなかったっすね。

 

ま、一般的には「サファイア」って宝石のイメージカラーって青色をしたタイプだと思うんっすが、実際には単色の赤を除く多彩なカラーバリエーションのものがあり、複数の色合いが混在したパーティカラード(バイカラーと呼ばれる事もあるっす)タイプ、キャッツアイやスター効果を持ったタイプ、カラーチェンジ効果のあるタイプ等、その種類的にも幅広いバリエーションがあるっすよ。

 

鉱物的には「天然コランダム」 となり、この中で単色の赤色をしたものだけが「ルビー」の宝石名となり、それ以外の色合いのものは全て「サファイア」の宝石名となるので、ルビーとサファイアは鉱物的には同じ鉱物になるんっすね。

 

ちゅ~ような感じのサファイアですが、宝石としては古くからダイヤモンド&ルビー&エメラルドと並んで珍重されてきた代表的な宝石のひとつになり、そんなに宝石やジュエリー等に興味がない方であっても知っているくらい知名度の高い宝石じゃないかしら?

 

本当だったらスタンダードな青色をしたブルーサファイアを紹介するところですが、古くから珍重されてきた代表的な宝石であるって事は、それだけ歴史が古く、単に色合いだけでは紹介し切れないところがあって、色合いやタイプや産地や時代によって様々な情報があるので、ま、ここは紹介し易いって訳でもね~なぁ・・・ね~けど、ま、固有の名称を持ったタイプのサファイアから紹介していく事にしたって訳なんっすね。

 

今回、ご紹介するのは「サファイア」という宝石の中で唯一、固有の宝石名(厳密には固有の色名称)を持った「パパラチア・サファイアパパラチャ・サファイア)」になるんですが、これはこれで様々な歴史があり、繰り返しになるっすけど簡単に紹介する事が難しいんっすよ。

 

大雑把に説明をしておくと「パパラチア」とはサファイアだけに用いられる特殊な色合いの事になりまして、基本的にはややオレンジ色を帯びたピンク色の事になり、パパラチアというのはスリランカの言葉で蓮の花を意味してて、その名の通り蓮の花のような色合いをしたサファイアの事になってるんっすよ。

 

この「パパラチア・サファイア」っちゅ~タイプのサファイアはね、その独特の色合いや華やかな美しさから極めて人気が高かったのですが、スリランカ産に続いて登場したマダガスカル産を中心とした同系色のサファイアがね、世の中にパ~っとパパラチア・サファイアとして宝石鑑別書が作成され市場に流通したんっすよ。

 

でも残念、その大部分が「ベリリウム表面拡散処理」という表面にベリリウムの加熱処理をして見た目の色合いを変えたものだったって事が判明しちゃってさ、それ以来、宝石鑑別機関での「パパラチア・サファイア」の表記が入る鑑別書の作成ルールが大きく見直されたんっすよ。

 

現在でも宝石鑑別機関によって「パパラチア・サファイア」の記載がされる色合い等の条件っていうか傾向みたいなんが微妙に異なってるし、宝石鑑別機関による基準の違いというか基準の厳しさの違いがある為、こうした理由からサファイアの中で唯一、固有の宝石名を持ったタイプであるにも関わらず、紹介するのが何気に難しい宝石となってるんっすね。

 

いろいろな宝石がある中でも特にサファイアのようなスタンダードで代表的な宝石としては、かなり稀少性が高い事からブラジル産のパライバトルマリンやロシア産のホーステール・インクルージョンの入った濃緑色のデマントイドガーネット等と並んで人気が高く高価な宝石となっているっすよ。

 

ま、ちゅ~てもサファイアって宝石の中では、パパラチア・サファイアよりも稀少性の高いタイプのものがありまして、そうしたサファイアは価格が付かないものも含まれるので、その意味では「パパラチア・サファイア」は予算さえあれば入手できる分だけマシなんっすけどね・・・

 

ちゅ~ような感じで、今回は「パパラチア・サファイア」について紹介してきたいと思いますよん。

 

 

パパラチア・サファイアについて

パパラチアサファイア

 

上の画像は天然未処理の非加熱タイプのパパラチア・サファイアのルースになりますが、あたしが好んで使っている宝石鑑別機関である中央宝石研究所では気持ちピンク色っぽさが強い色合いのものの方がパパラチア・サファイアとして鑑別される傾向があるっすよ。

 

おおまかな事は冒頭に書いた感じっすが、宝石鑑別機関もパパラチア・サファイアの鑑別書の作成には苦い記憶が残っている、そういう微妙な空気感があるから、パパラチア・サファイアと表記された鑑別書が付いたものはね、非加熱ルースでも一般加熱処理をされたルースでも高額で取引されますが、ベリリウム表面拡散処理が施されたものは評価も価値も大きく下がってしまうんっすよ。

 

一般的には加熱処理されたものが多く、非加熱未処理のルースの場合は褪色し易いっていう特徴があるものの太陽光を当てる事で色合いが戻るという不思議な特性があるっすよ。

 

また基準が厳しい上に宝石鑑別機関による違いもある為、例え天然未処理の非加熱ルースや一般加熱処理をされたルースであっても鑑別機関によって「パパラチア・サファイア」となるか否かが変わってきちゃいます。

 

ちゅ~ような意味では、なかなかルース選びが難しい宝石になるっすね。

 

【 パパラチア・サファイアの特徴や数値について 】 

  • 鉱物名:天然コランダム
  • 宝石名:サファイア
  • 別名:パパラチア・サファイア(パパラチャ・サファイア)
  • 結晶系:六方晶系(三方晶系)
  • 産出形状:六角柱状結晶、複六角錐結晶、樽型結晶、礫状
  • カラー:パパラチア色(オレンジピンク~ピンキッシュオレンジ)
  • 透明度:透明
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:9程度
  • 劈開:なし
  • 断口:貝殻状
  • 比重:3.99~4.05程度
  • 偏光性:複屈折性
  • 屈折率:1.757~1.776程度
  • 多色性:やや強い二色性
  • 分光性:特に必要な吸収を認めず
  • インクルージョン:液体包有物、管状包有物、針状包有物、結晶包有物等
  • 産地:スリランカ

 

パパラチア・サファイアは、何と言っても独特のオレンジっぽいピンク色が魅力になりますが、基本的に色溜まり(部分的に濃い色合いになっている)や色ムラ、彩度、明度、微妙な色調といった細かな基準を満たしている必要がある為、パパラチア・サファイアに関しては信頼できる宝石鑑別機関の発行した宝石鑑別書が付属したもの以外はお薦めしないっす。

 

ネームバリューがあり、人気が高い為、宝石鑑別書の付属していないものや知名度の低いマイナーな宝石鑑別機関の宝石鑑別書が付属しているものなんかが市場に多く流通していますが、リスクが高いので注意してちょんまげ。

 

 

ピンク系のパパラチア・サファイアのルース

あたし個人的にはオレンジ系のピンク色をした何とも言えない独特の色合いをしたものが好みなのですが、パパラチア(蓮の花)を連想するようなオレンジ色が抑え気味のピンク色をしたタイプの方が名前の通りというか、一般的には好まれる方が多いかもしれないっすね。

 

中央宝石研究所で宝石鑑別書を作成してもらう際にもパパラチア・サファイアとして宝石鑑別書が作成できる確率が高いのもピンク系のタイプとなるっすよ。

 

ま、蓮の花って実際にこんな感じの色っすよね。って感じのピンクい感じのタイプから、イメージ的に神秘的な印象、ちゅ~ような感じがする蓮の花ってこんな感じの色じゃないっすかね?ってオレンジっぽさのあるピンクいタイプまでがアバウトなパパラチアの目安っすが、普通のピンクとは何気にまったく違う感じの色合いっすよ。

 

パパラチアサファイア

 

このルースはね、オレンジ色を強く感じるインパクトの強いタイプよりも優しい印象の色合いになっていますが、通常のピンクサファイアと比較すると確かにオレンジっぽい感じのピンク色に見えますよ。

 

サファイアは二色性を有する為、見る角度なんかによって色合いが違って見えるんですが、とても個性的な色合いとなり、ちょっと残念なのが大粒サイズのルースが非常に少ない事かしら?

 

オレンジっぽさが強いタイプもピンクっぽさが強いタイプもどちらも稀少でブルーサファイヤよりも色合い的には淡いというか優しい事から液膜や液体、結晶等のインクルージョンが目立ちますが、どちらかといえば小さ目のルースが中心になっているので色合いとサイズを重視して感覚的にお好みのをチョイスした方が良いっすよ。

 

パパラチアサファイア

 

こちらのルースは非加熱タイプとなり、色合い的もサイズ的にもパパラチア・サファイアの魅力を堪能できると思いますよん。

 

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余談:パパラチアカラー 

ちゅ~ような感じで、基準が厳しくなって現在ではパパラチア・サファイアって何気に記載され難くなってしまったっすけど色溜まりや微妙な色調の違い程度だと気にしなければ肉眼では分かり難い場合が多くて、パパラチア・サファイア自体がサイズ的にも大粒サイズが少ないから、パッと見のイメージっていうか印象的な感じでパパラチア・サファイアっぽいサファイアは実際のところ日常的に身に着けるジュエリーとしては狙い目だったりすっすよ。

 

ちゅ~ても、パパラチア・サファイアが好き、じゃないと嫌やねん。ちゅ~感じで、パパラチア愛が強いのであれば、そこは譲れないポイントになるから、微妙なところを狙うんじゃなくてど真ん中を狙いませう。

 

パパラチア

 

これは色ムラと彩度が引っ掛かってパパラチア・サファイアの扱いにならなかったサファイアになりますが、何色なのか訊かれたらパパラチアカラーって言うしかない、それかパパラチアカラーに似た感じの可愛らしい色って紹介するしかない感じのルースを使用しているっすね。

 

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パパラチア

 

こちらのリングに使ってるのは、石のカットスタイルが違うってのもあるし、そもそもルースのサイズが小さいんっすけど、ま、正統派な感じのパパラチア・サファイアになるっすね。

 

あんまり大きなサイズのルースがないものの小さくても華やかっていうか、普通のピンクサファイアとは違った不思議な存在感があるのがパパラチア・サファイアの魅力っす。

 

豊富なカラーバリエーションとタイプバリエーションのあるサファイアの中でも唯一、固有の宝石名を持っているっちゅ~か、固有の色名称を冠している「パパラチア・サファイア」は宝石好きの方だったら絶対にアンテナに引っ掛かる、ビンビンに感じちゃう宝石のひとつだと思いますが、何気に希望のサイズや雰囲気のルースとの出会いは稀じゃないっすかね? 

 

宝石っちゅ~のは、マジ、縁とかタイミングっすから、特に色石、ダイヤモンド以外の宝石の事ね、って出会いが全てなんすよ。

 

ちゅ~感じで、ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

パパラチア大好き。

ΘεΘ

 

女性的な色合いっすね。

ΦωΦ

 

男性的な色合いの宝石って何なん?

ΘεΘ

 

さっぱり分からん・・・

ΦωΦ