今回は糸魚川ヒスイではなくミャンマー産の翡翠についての説明やルースの紹介をしたいと思っているのですが、同じ鉱物、同じ宝石でも産地による特性や特徴があり、特に糸魚川ヒスイは国産鉱物というポイントがあるので、日本国内では別物として扱われる事が多くなりますよ。
宝石として取り扱われる翡翠としては、糸魚川ヒスイよりもミャンマー翡翠の方が多くなり、糸魚川ヒスイの記載がない翡翠に関しては、その殆どがミャンマー産となっているんだね。
自然美というか風情や雰囲気の強さが印象的な糸魚川ヒスイとは違ったミャンマー翡翠ならではの魅力や美しさなんかを知ってもらえたらいいのですが、その反面、色石と呼ばれる宝石の中でも翡翠は特に東洋では古くから珍重されてきた事から、模造品や人為的な処理が施されている場合が多くなり、国によって価値観が違っている事からも色石と呼ばれる宝石の中でも特に真贋や状態の見極めが難しいので参考にしてちょんまげ。
まずは、鉱物的&宝石的に翡翠なのか翡翠でない別の鉱物なのかの真贋の見極めが必要で、翡翠であったとしたらカット研磨以外に何の処理もされていないものなのか、一般的に許容範囲として施されるワックスによる艶出し等の処理なのか、評価が下がる着色剤による含侵処理をされたものなのか等、どの程度の人為的な処理が施されているのかを確認する必要があります。
その上、国によって評価基準や評価を指し示すランク付けがある為、ある意味では糸魚川ヒスイよりも慎重にお買い物をする必要があり、そうした様々な点を考えると他の宝石に比べて何かと知識が必要になると思うので、そんな事なんかにも触れながら記事を書いていきますが、ぶっちゃけ、気に入ったんだったらその感覚、フィーリングが一番じゃないかなぁ。
ちゅ~ような感じで、今回は「ミャンマー産のヒスイ」について紹介していきますよん。
糸魚川ヒスイとミャンマー翡翠の違いについて
ま、これは書かなくても分かると思いますが、決定的な違いは産地の違いになりますよね。
もちろん産地が違えば、同じ鉱物でも特性や特徴が違ってくるので、そうした違いについて少し紹介しておきます。
ミャンマー翡翠の特徴について
糸魚川ヒスイの場合、商業的な規模での採掘や採取は基本的におこなえない為、その多くは過去に産出した原石の還流品や趣味として自然採取できる海岸や河川等での比較的に小さな石片が中心になっているのに対して、ミャンマー翡翠の場合、商業的な規模で採掘をしている関係でサイズ的に大きな原石を採取する事ができるっすよ。
ミャンマー翡翠の原石の特徴としては皮被り等と呼ばれる表面が茶褐色~褐色の被膜状になった状態の塊状の原石として採掘されるケースが多い為、その塊状の原石に対して部分的に窓のような感じでカットして内部の色合いや石質を確認できるようにして業者販売され、それをスライスした板状、ブロック状に切断して色合いや透明感や品質をより正確に確認して色合いや石質や大きさに応じた用途に振り分けられますが、取引の中心地が主に香港となる事から一般には分かり難いかもしれませんね。
翡翠としては糸魚川ヒスイが特徴的に石目が多く混色系をしたものが多いのに対して、ミャンマー翡翠の場合は糸魚川ヒスイに比べると石目が少なく赤や橙や黄色といった糸魚川ヒスイでは殆ど見られない単色系でカラーバリエーションの多さが特徴のひとつですが、もちろん混色系のタイプもあるので色合いや石質という意味でも糸魚川ヒスイよりも多様性が感じられるかもしれないっすね。
ミャンマー翡翠の特性について
- 鉱物名:天然ジェダイト
- 宝石名:ジェダイト(ひすい)
- 和名:硬玉、ヒスイ輝石
- 俗称:本ひすい
- 結晶系:単斜晶系
- 光学性:複屈折性
- 劈開:通常なし(劈開方向93°)
- 断口:多片状(靭性大)
- 屈折率:1.66~1.68程度
- 偏光性:潜晶質反応
- 比重:3.25~3.34程度
- モース硬度:6.5~7程度
- カラーバリエーション:緑・白・黒・青・紫・赤・橙・黄・褐色・無色等
- 補足:混色タイプもあり
- 透明度:透明~半透明~不透明まで様々
- 透光性:不透明でも透光性があるタイプもあり
- 透光色:白系~緑系~青系等が多いが様々
基本的に鉱物及び宝石としての翡翠という意味では糸魚川ヒスイと同じような特性を持っていますが、総じて石目が少なく透明感のある宝石質のタイプとなるとミャンマー産のものが中心になっています。
ミャンマー翡翠の注意点について
歴史的に古くから特に東洋で珍重されてきた事から模造品や処理石が多く、それらの品質的な基準が一般的な宝石と異なる場合もあるので、参考までに紹介しておきます。
- 天然未処理:最終仕上げの艶出しでワックスが使われている程度までの翡翠でA貨
とかA-Jade等の通称で呼ばれる事もあります。 - 樹脂含侵処理:翡翠はヒスイ輝石という微細な結晶の集合体となった鉱物になる
為、含侵や着色が容易なのですが、その中でも色や透明度の改善
を目的とした無色透明の樹脂含侵が施された翡翠でB貨とかB-Jade
等の通称で呼ばれる事もあります。 - 着色&染色処理:色合いの変化や彩度を持たせる為に着色料を使った含侵処理や
染色処理をされた翡翠でC貨とかC-Jadeの通称で呼ばれる事が
あります。 - 漂白処理:翡翠が白色に見えるように漂白する人為的な処理となり、程度によっ
て評価が変わるものの上記の樹脂含侵や着色&染色処理と組み合わさ
れる事も多く評価としてはB貨(B-Jade)~C貨(C-Jade)の通称で呼
ばれるタイプの翡翠になります。 - その他:品質の異なる翡翠を貼り合わせる等をした加工翡翠でD貨とかD-Jadeの
通称で呼ばれる事があります。
上記のような品質的な基準がありますが、翡翠自体が微細なヒスイ輝石の集合体となる鉱物であり宝石になるので、色合いや柄模様、産地、大きさ、サイズ、装飾品等に加工されたものであればデザイン等があり、それに対してどの程度の人為的な処理が施されているかというのが確認ポイントになりますが、色合いや柄模様や透明度といった点では糸魚川ヒスイも同じですが基本的にひとつひとつ微妙に違っている為、そうした意味では完全に好みで決めちゃってもいいと思うんだよ。
ちなみに他の鉱物を翡翠に似せて着色&染色&漂白等をしたものや見た目の印象的に翡翠みたいに見える違う鉱物なんかは、そもそも翡翠ではないので翡翠としての評価対象外になりますから、真贋については注意が必要ですが、ま、それが気に入ったものだったら、それはそれでフィーリングが合っているんじゃないかなぁ~って思います。
ミャンマー翡翠を使った様々な加工品
西洋的なジュエリーという意味合いでは主にカボッションカットが施されたルース(裸石)が中心になりますが、もともと東洋で古くから珍重されてきた歴史がある事から、様々な縁起物や動物や植物、神獣といったモチーフの彫刻品なども多く、身飾り品から飾り物や器といったものまで様々な加工品に用いられますよ。
ただ、東洋の中でも特に中国では玉として珍重されているのは必ずしもジェダイト(硬玉)に限らず、ネフライト(軟玉)等の中でも翡翠と同じように珍重されている事から、鉱物として翡翠かどうかは特に中国で流通しているものは分かり難いというか解釈の違いがある為、ちょっとややこしかったりします。
鉱物&宝石として翡翠となるものは世界共通の一定の価値や稀少性があるものの特定の国や地域でのみ高い評価を得ている鉱物は中国や翡翠に限らず多々あるので、良し悪しだけでなく好き好きって部分も大きいのが石の世界ですもんね。
ミャンマー翡翠を使ったリング
糸魚川ヒスイに比べるとジュエリー向けのルースとしては流通量が多いミャンマー翡翠の場合、色合いや透明感や柄模様といった選択肢が多くなり、鉱物的にも頑丈なので装身具として使うにも適しているっすよ。
何となくの気分で糸魚川ヒスイ的な要素を感じる混色系の趣きのあるルースを使った特別配合したK5(5金)のリングになります。
透光性もあり、白と緑のコントラストが特徴の翡翠らしさちゅ~か、何となくイメージが浮かび易い印象のルースですが、やはり翡翠はゴールド色の地金が似合うような気がしますが、そうでもないのかしら?
姉妹作というか似た印象のルースがあったのでリングのデザインを変えて製作したものです。
同じく透光性がある白と緑の混色系のミャンマー翡翠ですが、見た目的に透明感のあるとろみを感じるようなルースだと地金素材的には同じくゴールドでも品位を上げてK18を使う方がマッチするんじゃないかなぁ。
どちらのリングも日常的に使えるような感じにしていますが、K18だとゴージャスになり過ぎるちゅ~か、こうした不透明な混色系でルースに趣きが感じられるような翡翠だったら少し金色を抑えたK10(10金)やK5(5金)とかの方が落ち着いた感じになるっすね。
ちゅ~ような感じで、次回はルースの紹介でもします。
ち~ゆ~。
ΦωΦ
糸魚川ヒスイとは違った魅力があるねぇ。
ΘεΘ
勾玉とかは糸魚川ヒスイの方が野趣味が感じられるっすけどね。
ΦωΦ
ジュエリー用のルースだとミャンマー翡翠は美しいっす。
ΘεΘ
勾玉に比べて小さいもんね。
ΦωΦ