猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

ジェムシリカ:Gemsilica

ジェムシリカ

 

こちらの新:猫車通信のブログも記事数が100、アメブロで書いていたっていうか、今でも時々、書いている旧:猫車通信の方のブログと違い、それなりにちゃんとした記事を書くように心掛けている事もあって、臨時休業中だった時の下書きして予約投稿していた頃は気にならなかったんだけど、こうしてリアルタイムに記事を書いていると何気に大変っていうか、何を紹介するかとか、どんな感じの内容にするかとか考えたりしちゃって、こうしたブログを書くのって思っていたよりも難しいね。

 

ちゅ~ような事を思いながらも、ま、記事数なんて増えていくものだから100とかいっても単なる通過点だよなぁ・・・って事で、特に深く考えずに何となく普段通りの感じで書く事にした今回の記事は「ジェムシリカ:Gemsilica」になります。

 

ジェムシリカっていうのは厳密には通称になり、でも通称であるジェムシリカが一般的に広く認知された流通名になっているので、今回は敢えて通称となるジェムシリカという名称で紹介しますね。

 

 

ジェムシリカについて

ジェムシリカというのは通称なんですよって書きましたが、これは鉱物的には珪酸銅(クリソコラ成分)が石英(クォーツ)や石英を含んだ玉髄(カルセドニー)といった鉱物に浸透する事によって、クリソコラ(クリソコーラでも通じます)の銅成分に起因した青~緑~青緑系の色合いをした透明~半透明の色合いをした鉱物になるんですね。

 

その為、宝石鑑別機関で宝石鑑別書を作成すると一般的には鉱物名:天然クォーツ、宝石名:クリソコラカルセドニーといった記載がされる事が多いのですが、様々な鉱物や成分が混ざり合っている事から、かなり曖昧な鉱物名と宝石名になっているんです。

 

基本的にクリソコラ(珪孔雀石)が産出する一部の地域でのみ産出する事から、主な産地のひとつとなるアメリカで通常の不透明なクリソコラと区別してジェムシリカという通称で準宝石~宝石的な扱いをされる稀少石として珍重され、この通称が一般的に使われるようになったんですよ。

 

ジェムシリカ

 

産地的には比較的に限られているものの色合いや透明度によって見た目の印象に違いがあり、基本的に透明感の高いもの程、宝石として扱われる傾向が強くなり、透明度が低いものは準宝石的な扱いになるのですが、不透明の通常タイプのクリソコラに比べて産出量が少ない事もあり、そこまで厳密に区別される事は少ないかもしれません。

 

色合いとしては、ターコイズやクリソコラといった銅を含んだ鉱物と同様に銅成分の含有率が高いとブルー系の色合いになり、鉄成分の含有率が高くなるに従ってグリーン系の色合いになります。

 

また不純物の少ない石英(クォーツ)の浸透率が高い程、透明感が強くなり、不純物を含んだ石英(厳密には玉髄:カルセドニー)の浸透率が高い程、透明感が弱くなりますが、色合いと透明感の組み合わせや微妙な違い、それにカット研磨のスタイルやサイズ感といった要素によって雰囲気が違うので、その辺りは好みの問題になると思います。

 

透明感の高いタイプは、クリソコラクォーツと呼ばれ、透明感の低いタイプはクリソコラカルセドニーやクリソコラアゲートというように呼ばれる事もありますが、透明と半透明の中間的なタイプのように透明感というのは感覚的な要素も含まれる為、鉱物としては広義となる天然クォーツ、宝石名としても広義となるクリソコラカルセドニーという感じで扱われる事から、もう、それだったら逆に分かり易くて知名度のあるジェムシリカでいいんじゃない?って感じになっているんですね。

 

鉱物名や宝石名が定まっているクリソコラやマラカイトとなるタイプは基本的には不透明な鉱物になり、縞模様やマーブル模様のような柄模様があってもなくてもクリソコラはクリソコラ、マラカイトはマラカイトですが、透明感を持ったクリソコラの場合は特殊な稀少鉱物になる為、こんな感じで扱われています。

 

 

ジェムシリカの特徴や情報について

様々な鉱物が混ざり合っている上、色合いや透明感の違いもあるので参考的な内容となりますが、クリソコラとは多くの点で特徴や数値といった違いがあります。

 

ジェムシリカ

 

【 ジェムシリカの特徴や数値について 】 

  • 鉱物名:天然クォーツ(宝石学上の広義での表現)
  • 宝石名:クリソコラカルセドニー(宝石学上の広義での表現)
  • 一般名称:ジェムシリカ(通称)
  • その他の通称:クリソコラクォーツ(透明感の高いタイプ)
  • その他の通称:クリソコラカルセドニー(半透明のタイプ)
  • その他の通称:クリソコラアゲート(クリソコラカルセドニーと同意)
  • 和名:珪孔雀石(クリソコラと同じ和名)
  • 結晶系:斜方晶系
  • 産出形状:塊状
  • カラー:ブルー系、グリーン系、ブルーグリーン系
  • 透明度:透明~半透明(クリソコラは不透明)
  • 光沢:ガラス光沢
  • モース硬度:7程度(不透明のクリソコラはモース硬度:2~4)
  • 劈開:なし
  • 断口:平坦状
  • 比重:2.80~3.20程度
  • 偏光性:複屈折性
  • 屈折率:1.460~1.570程度
  • 多色性:ー
  • 分光性:ー
  • インクルージョン:液体包有物、液膜包有物、結晶包有物等
  • 産地:アメリカ、ペルー、ブラジル等

 

 

ジェムシリカとして扱われるタイプの中で透明感のあるタイプの多くはファセットカットにカット研磨され、透明感は弱いものの色合いが良いタイプはカボッションカットにカット研磨される事が殆どです。

 

ジェムシリカの扱いになるタイプのクリソコラはモース硬度が高くなる為、丁寧で美しいカット研磨が施されるものが多くなりますが、5ctを超えるようなサイズのものは少なく稀少性がより高くなりますよ。

 

 

ジェムシリカのルース

ここまでに2つのジェムシリカのルースの画像を載せていますが、一枚はグリーン系で透明感のあるファセットカットのルースになり、もう一枚はブルー系の透明感の弱いカボッションカットのルースになります。

 

このブルー系の色合いをしたカボッションカットのジェムシリカはネオンカラーをした特に稀少性が高い宝石として扱われるタイプとなり、透明感よりも色合いが重視された別格品になっています。

 

ただ、どちらもサイズ的には、1~2ct弱のサイズとなりますが、ここから紹介するルースはサイズ的に小さなものでも8ctアップ、大きなもので13ctアップという別格サイズとなっており、色合いや透明感、それにカット研磨のスタイルの違いも楽しめると思いますよ。

 

ジェムシリカ

shop-nekoguruma.com

 

こちらが中では、もっとも小さな8ctアップのルースですが、もっとも透明感が高いグリーン系の色合いをしたルースになります。 

 

透明感が高い為、内包する不純物も見えてしまいますが、カット研磨も手の込んだスタイルとなっていますよ。

 

 

ジェムシリカ

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こちらはカット研磨のスタイルは同じですが、サイズ的にはもっとも大きな13ctアップのルースとなります。

 

透明感は少し弱くなりますが、ジェムシリカらしい優しい色合いが強調されたグリーン系のタイプになりますね。

 

 

ジェムシリカ

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こちらのルースは11ctアップのサイズをした少しブルーを感じるグリーン系のジェムシリカとなり、透明感もあり、カット研磨も丁寧な全体的にバランスの良さが特徴となっていますよ。

 

色合い、透明度、カット研磨のスタイル、サイズといった各要素を見比べる機会はあまりないと思いますが、何となく印象が違うのが分かるかしら?

 

 

ジェムシリカ

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こちらは色合い的には、もっともブルー系の強いブルーグリーンのジェムシリカで9ctアップのサイズになっています。

 

カット研磨のスタイル的には特別に珍しいスタイルではありませんし、透明感も弱いものの透明感が弱い分だけ色合いが鮮やかに見えるので、見た目の印象としては強いタイプだと思いますよ。

 

 

ジェムシリカは稀少性もありますが、その色合いや印象が他の鉱物や宝石には少ない独特の個性がある美しさを持っている為、かなり人気の高い稀少石になります。

 

あまり大きなサイズのものが少ないのですが、ファセットカットで8ctオーバーというのは滅多にないと思います。

 

綺麗だなぁ・・・ちゅ~感じで、ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

アイオライトにするかジェムシリカにするかで悩んだね。

ΘεΘ

 

そうなのよ。

ΦωΦ

 

どちらも綺麗だしね。

ΘεΘ