糸魚川ヒスイに限らず「翡翠」という鉱物には、様々なカラーバリエーションや柄模様、それに石肌の細かさや透光性の有無、透光色の色合いといった石質なんかによって多様性があるのが特徴になります。
これは「翡翠」という鉱物が、厳密には微小な「ヒスイ輝石」という結晶の集合体である為、それが他の鉱物と一緒に混じり合った状態になる事や「オンファス輝石」や「コスモクロア輝石」、それに他の元素といった成分が含有する事で多彩で表情豊かな様々な翡翠の原石となるからなんですね。
そうした理由に加え、ヒスイ輝石の含有率が高いもの~それ程でもないものまで品質的な差異も大きくなり、ヒスイ輝石の含有率が高くても透明感を感じるもの~透明感を感じないものまで石質の差異も大きい為、同じ糸魚川ヒスイの原石であっても多種多様なタイプがあるんです。
「翡翠:ジェダイト」として宝石鑑別書が作成できる宝石としての「翡翠」の場合、ヒスイ輝石の含有率が高く、単色か透明感の高いものに限定され、なかなか混色系のタイプや透明感の低いタイプは鑑別するのが難しく、カット研磨されたルース以外の原石で「翡翠」としての宝石鑑別書を作成するのは難しかったりします。
ちゅ~ような訳で、糸魚川ヒスイの原石に関しても透明感が高いものや単色系のものは「翡翠」として宝石鑑別書が作成できる場合があるものの多くの場合、原石に関しては「ヒスイ輝岩石」を意味してて、ヒスイ輝石が含まれた岩石という曖昧な表現になるんですね。
そんな糸魚川ヒスイの原石だけに品質やサイズや色目や柄模様といった様々な楽しみ方ができちゃい、もちろん宝石質の透明感の高い高品質なものを発見できると嬉しさは倍増どころか大喜びしちゃいますが、そうでないヒスイ輝岩石にも糸魚川ヒスイらしい自然美や鉱物的な面白さがあるんですよ。
ちゅ~ような感じで、今回はそんな糸魚川ヒスイの原石から独特の黒い線が入っている事から「糸巻き翡翠」と呼ばれるタイプのものを紹介したいと思います。
糸巻き翡翠について
糸巻き翡翠に見られる黒色をした線状の柄は主に石墨によるものになり、その影響もあって糸巻き翡翠の多くはヒスイ輝石そのものに石墨が混じる事によって灰色系の色合いをしたタイプが多くなります。(純粋なヒスイ輝石は白色)
また、これは産地特有というか糸巻き翡翠はフォッサマグナという地質的に特殊な地殻環境の影響をダイレクトに受けちゃった辺りの地帯で比較的に多く見られるタイプになり、地殻変動といった特殊な環境下で集合体になったヒスイの塊りやヒスイ輝岩石の塊りが破砕したり、再結晶化したりし易いエリアで見付かる事が多い気がするんですよね。
これは、もしかすると、あたしの主観的な感触かもしれないで、確かな事ではありませんが、あたしの採取してきた糸巻き翡翠の原石は殆どが同じエリアで採取してて、それらを眺めると確率的に破砕して再結晶化した痕跡や他の鉱物が混じって石質の違った部分が含まれているタイプが多いんですよね。
ま、海は広いし、波や海流の関係もあるし、自然ちゅ~のは神秘的で謎めいた部分もあるから、それは単なる偶然ですって可能性も否めませんけどね。
ちゅ~ような事もあり、糸巻き翡翠そのものは特徴的な柄模様になり個性的で面白いタイプとなりますが、ベースカラーが地味な灰色系という事や石質的に不均一な原石が多い事もあって、以前は非常に低い評価で扱われていたんですよ。
最近は、こうした糸巻き翡翠のようなタイプでも以前のように採取できない程、糸魚川ヒスイが取れなくなってしまったので、以前のように低評価ではなくなったものの気持ち的には色鮮やかなタイプや透明感のあるタイプや結晶がキラキラしたタイプの方が嬉しいと思う人が多いので、こうして敢えて紹介して糸巻き翡翠も魅力的ですよ。って感じのPRをしているんだね。
ま、ちゅ~ても何と言っても個人の好みってのがあると思うので、それはそれで好きな感じの糸魚川ヒスイの原石だけを追求する楽しみ方もありです。
いろいろな糸巻き翡翠の原石
比較的に灰色系のベースカラーで石質的に不均一なタイプが多い気がしますが、海岸採取で採取できる糸魚川ヒスイの原石としては大き目のサイズが多いと思います。
もちろん、小さなものもありますけどね、でも、小さいのは気付かない事もあるから大きいのが多く感じるのかしら?
ちゅ~のも、糸巻き模様は特徴的なので探してて見付け易いって事もあると思いますが、数多くの糸魚川ヒスイの原石を蒐集されている方は別として、糸魚川にヒスイ探しに行ける機会が限られている多くの方にとっては、純白の白翡翠と並んで採取できる可能性が高いですし、何気に見飽きる事がない不思議な面白さや魅力があるんですよ。
糸魚川にヒスイ探しに行ってもヒスイが見付からない事の方が圧倒的に多いので、純白の白翡翠と共に意識的に気にして探すと見付かるかもしれないのもポイントですね。
こちらは最初に紹介した画像の糸巻き翡翠と似た感じのタイプながらも灰色系のベースに全体的に淡い緑色が滲んだように入っている糸巻き翡翠の原石になります。
最初に紹介した糸巻き翡翠も部分的に淡い緑色が入っているのですが、よく見ないと分からない程度なのに対して、こちらは一目瞭然って感じですね。
こちらは何気に珍しいというか、こんな糸巻き翡翠だったら逆に嬉しい気持ちになる端の部分が青緑色をした青緑と灰色の混色系の糸巻き翡翠になります。
きめ細かな石肌をした見栄えの良い色と形と大きさの糸魚川ヒスイの原石ですが、透光性がないのが残念なところです。
ま、あんまり欲張ったらいけませんね。
この糸魚川ヒスイの原石は糸巻き翡翠という柄模様を持った透光性のあるきめ細かな石質のお餅のような白色のベースカラーをした立派な糸魚川ヒスイの原石になります。
多くの場合が灰色系のベースカラーで、白色系のタイプのものがあっても恐ろしく小粒サイズだったり、透光性がなかったりする中で、こうした品質の糸巻き翡翠は何気に喜びな感じなんですよね。
この品質であれば純白系の単色の糸魚川ヒスイ原石よりも嬉しいんだよ。
最後に:糸巻き翡翠もいいもんだよ。
あたしがヒスイ探しを始めた最初の頃に見付けた大きなヒスイが、この記事で最初に紹介した糸巻き翡翠でしたが、おにぎりみたいな形をしてて刻み海苔みたいな柄模様が気に入って毎日のように眺めていたものです。
ヒスイ探しにも慣れて、今ではタイミングや何かもありますが、行けば1日、ちゅ~ても10時間くらい掛けて10個くらいは採取できるようになり、何気に宝石質のタイプや美しい色合いの原石なんかも増えてきましたが、お気に入りのものは紹介せずに寝かしてあるのです。
でも、そろそろ少しずつお気に入りの原石なんかも紹介したり、ショップに出したりしています。
カット研磨された宝石のルースが好きなあたしの中で原石が好きって感じるのは糸魚川ヒスイや糸魚川で採取した自然を感じる様々な鉱物くらいかもしか。
観賞石は観賞石で好きなんだけど場所を取るし、そう何個も飾る場所もないから、何だかんだで原石としてはヒスイ海岸で採取した原石が一番好きかなぁ。
ちゅ~感じで、糸魚川ヒスイに関しては単発でこんな感じで気が向いた時に紹介していきますね。
今回は2回続いちゃったけど。
ち~ゆ~。
ΦωΦ
糸巻きってネーミングが可愛い。
ΘεΘ
渋い感じがいい。
ΦωΦ
王道じゃないところがいい。
ΘεΘ