今回は宝石や天然石に詳しい方よりも逆に鉱物に詳しい方の方が知っているんじゃないかなぁ・・・って感じの鉱物となる「トレモライト:Tremolite」の中で透明感の高い宝石質となる稀少な原石からカット研磨されたコレクター向けのルースを紹介しようと思います。
トレモライト?って何じゃ、それ、どんな石なん?
ちゅ~ような感じで、恐らくジュエリー製作をしている方や知名度の高い宝石や天然石なんかに興味がある方だと馴染みのない名称をした鉱物ちゅ~か、宝石になりますが、実は「トレモナイト」は透明感の高い宝石質をしたタイプこそ珍しい稀少石の扱いになるものの鉱物種としては、何気に馴染みのある鉱物なんですよ。
ま、ちゅ~ような訳で「トレモライト」ちゅ~正式名称を持った鉱物、正式名称を持った宝石の記事で~す。
トレモライトって何なん?
トレモライトは、アンフィボール(和名:角閃石)グループの鉱物のひとつで、結晶構造や化学組成によって様々な鉱物名を持った鉱物に細分化された中のひとつの鉱物名となります。
角閃石のグループ鉱物は、糸魚川でヒスイ探しをしていると何気に様々な種類を採取する事ができる為、宝石や天然石としてだけでなく鉱物としても実は馴染みのある鉱物種になるんですよ。
糸魚川で採取できる角閃石グループの鉱物としては、エデン閃石(エデナイト)や緑閃石(アクチノライト)や苦土リーベック閃石、それに透閃石の和名を持った今回の記事で紹介する「トレモライト」等、多種多様な角閃石グループの鉱物が採取する事ができます。
その殆どは他の鉱物、その中には微細な結晶となるヒスイ輝石も含まれますが、そうした様々な鉱物が混じり合った岩石のようなタイプとなりますが、鉱物的には特別、珍しいものではなく、特に緑閃石:アクチノライトー透閃石:トレモライト系の角閃石には糸魚川では特に珍しい鉱物でもないネフライトなんかも含まれます。
ネフライトは、顕微鏡サイズのトレモライトの結晶が集合した鉱物になり、こうした角閃石系の鉱物は糸魚川ヒスイに興味を持ったり、実際にヒスイ海岸に足を運んだりしていると知らず知らずの内に知る事になるんですね。
ちゅ~ような比較的に何気に馴染みがあるというか、目にしたりする機会が多い角閃石グループの鉱物ですが、他の鉱物が混じっていない透明感の高い宝石質の原石となると非常に稀少性が高くなり、あまり目にする機会がなくなってしまうんです。
トレモライトの場合も鉱物標本として流通している原石の多くは無色~白色系の不透明なファイバー状の構造をしたタイプとなり、宝石質のトレモライトは殆ど見掛けません。
このトレモライトのルースは、緑閃石:アクチノライトが含有している為、このようなダークグリーン系の色合いをしており、和名では「透角閃石」と呼ばれるタイプになります。
トレモライト:透閃石で鉄分の含有量が高くなると鉱物的にはアクチノライト:緑閃石となり、化学組成上、鉄がマグネシウムより多く含有すると鉄緑閃石となりますが、透明感の高い宝石質をした角閃石としては、トレモライト、アクチノライト、ネフライトの辺りに限られ、アンフィボール:角閃石やアクチノライト:緑閃石は水晶などのインクルージョンとして内包された状態で見られる事も多いですね。
この角閃石グループの鉱物は様々なタイプがありますが、透明感の高い宝石質のタイプが限られている事から、多くの場合、色合いを重視した不透明な鉱物・宝石として、ルースにカット研磨される際には主にカボッションカットとなります。
トレモライトの特徴や数値といったデータについて
多種多様なグループ鉱物が存在する角閃石(アンフィボール)グループの鉱物は、基本的にカット研磨されたルースの状態で宝石鑑別機関による成分分析をして宝石鑑別書の作成をしないと正確な鉱物名や宝石名が分かりません。
透明感の高い宝石質の原石が少ないもののアクチノライトとの区別は肉眼では困難ですし、糸魚川で比較的に簡単に発見できるような不透明な岩石みたいな原石と違って透明感の高い宝石質の原石が少ないだけに逆に何という鉱物なのか分からないと思います。
あたしの個人的な経験ちゅ~か知識みたいな感じだと、アクチノライトは耳にする機会や目にする機会があり、トレモライトよりは知名度が高いように思うのですが、トレモライトは知っているけどアクチノライトは知らないなぁ・・・って人っているのかしら?
【 トレモライトの特徴や数値について 】
- 鉱物名:天然トレモライト
- 宝石名:トレモライト
- 和名:透角閃石、透閃石
- 広義での鉱物名:天然アンフィボール
- 結晶系:単斜晶系
- 産出形状:柱状結晶、葉状結晶、繊維状結晶、塊状、粒状
- カラー:無色、白色、灰色、淡緑色、緑色、ピンク色、褐色、ラベンダー色等
- 透明度:透明または不透明
- 光沢:ガラス光沢または絹糸光沢
- モース硬度:5~6程度
- 劈開:2方向に明瞭
- 断口:不平坦状
- 比重:2.9~3.2
- 偏光性:複屈折性
- 屈折率:1.560~1.643程度(不透明石の場合:0.017~0.027)
- 多色性:強い三色性
- 分光性:特有の吸収を認む
- インクルージョン:液体包有物、針状包有物、結晶包有物、成長線等
- 産地:タンザニア、ミャンマー、アメリカ、カナダ、イタリア、スイス等
コレクター向けのカットルースに限ってとなりますが、透明な緑色系をしたタイプは主にタンザニアが産地となり、キャッツアイタイプがカナダで僅かに産出します。
【 トレモライトのカラーバリエーション 】
- トレモライト:主に透明緑色系の色合いをしたタイプ
- グラマタイト:無色のトレモライト
- ヘキサゴナイト:ラベンダー色のトレモライト
トレモライト・インクルージョンについて
角閃石(アンフィボール)グループの鉱物なので、アンフィボール、アクチノライト等と同様に他の鉱物にインクルージョンとして内包された状態で見られる事もあります。
トレモライトの特徴や数値についてのところで、産出形状として柱状結晶、葉状結晶、繊維状結晶、塊状、粒状と書きましたが、透明感の高い宝石質のタイプは基本的に柱状結晶か塊状になり、葉状結晶や繊維状結晶の場合はインクルージョンとして有名なところではジンバブウェ産のエメラルド等の特徴的なインクルージョンとして内包されますよ。
角閃石グループの鉱物は書き出すと終わりがないし、モノによっては糸魚川ヒスイの四方山話みたいな記事とも重なる部分があるので、ま、ちょっとずつ気が向いた時に紹介していく感じでいきますね。
ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。
ΦωΦ
途中で糸魚川ヒスイの方に脱線しそうになったね。
ΘεΘ
危なかった。
ΦωΦ
よく耐えた。
ΘεΘ
踏み止まった。
ΦωΦ