しばらくは単発での記事を書こうと思っていますが、今回は前回に引き続いて有機物の稀少な宝石となる「コンクパール:Conch Pearl」についての記事を書きますよん。
ここ最近、このブログを書き始めたからなのか「Instagram」でギャラリー的にルースなんかの紹介を始めたからなのか分かりませんが、やっぱり天然石として扱われるものと宝石として扱われるものは全くの別物なんだなぁ・・・って改めて実感しています。
あたし個人的には、フィーリングというか気分的なもので宝石でも天然石でも気を惹かれるルースは所有してみる派なのですが、憧れという意味では宝石の方が強いのかもしれませんが、一般的に誰もが購入したり取り扱ったりできる訳ではないので、その意味では天然石の方がより多くの人が手に取ったり扱ったりできる身近なものですね。
ちっとも批判している訳じゃないんですが、いろいろなSNSとかを何気なく眺めていると本当に宝石や稀少宝石やジュエリーが好きな方より、ビジネスとして割り切って使っている方の方が多いなぁ・・・って感じちゃいますね。
ビジネスと割り切っている事に対しては特に何も思いませんが、あたし個人的には、なるべく拘ったルースやジュエリーを扱いたいと思っているのでSNSサービスで入ってくる情報の多くが何の興味も持てない事もあり、徐々に登録しているSNSサービスの整理をしています。
まぁ、宝石にしてもジュエリーにしても上を見ればキリがないし、下を見てもキリがないものですが、少なくても大事に扱って、願わくば娘さんとかお孫さんとかに譲れるようなものにしたいです。
ちゅ~ような感じで、ちょっとばかり雑談的な事を書いてみましたが、「コンクパール」の紹介をします。
確かミキモトさんが大々的なプロモーションをして一躍、女性の憧れの宝石になったような気がしますが、気のせいかもしれません・・・
コンクパールについて
コンクパールは西インド諸島に産する「コンク貝」とか「ピンク貝」とか呼ばれる大きな巻き貝に稀に出現する稀少性の高い主に白系~黄色系~橙色系~ピンク色系をした天然真珠となります。
巻き貝の為、他の真珠のように核を挿入した養殖真珠が作れない事から、その全ては自然のままの何の加工もされていない不定形となり、色合いやサイズ、形状といった要素によって評価が大きく変わるのが特徴です。
真珠の中では特殊なタイプとなりますが、高品質のコンクパールは可愛らしい色合いと独特の火焔模様から特に女性からの人気が高い真珠となっています。
くすんだ色合いのものや火焔模様が肉眼で認識し難いようなものには、それ程の価値はありませんが、自然が生み出し、そのままの状態を楽しめる魅力的な宝石のひとつだと思いますよん。
参考:いろいろな真珠の種類について
コンクパールは真珠としては少し特別なタイプとなりますが、真珠という宝石そのものは誰もが知っている身近な宝石として様々なシーンで特に日本では親しまれている宝石となりますね。
参考程度となりますが、そんな様々な真珠について少しだけ紹介しておきます。
【 いろいろな真珠の種類 】
- 海棲天然真珠:有名なところではペルシャ湾といった海水に生息する貝から採れ
る真珠 - 淡水棲天然真珠:有名なところではミシシッピー川といった淡水河川に生息する
貝から採れる真珠 - 養殖真珠:母貝に人為的に核を挿入し真珠成分の分泌を促進させ真珠層を形成さ
せた真珠 - アコヤ貝真珠:主に日本や中国やベトナム等に生息するアコヤ貝から採れる真珠
(主に養殖、天然もあります。) - 白蝶貝真珠:主にオーストラリアやインドネシアやフィリピン等に生息する白蝶
貝から採れる真珠(養殖、天然もあります。) - 黒蝶貝真珠:主にタヒチに生息する黒蝶貝から採れる真珠
(養殖も天然もあります。) - ケシ真珠:砂といった微細な異物が混入した事によって誕生する無核真珠
(養殖も天然もあります。) - 池蝶貝真珠:淡水真珠の母岩となる代表的な池蝶貝から採れる真珠ですが、海外
産との交配が進んでいる為、ヒレ池蝶貝等もあります。
(主に養殖、天然もあります。) - マベ貝真珠:主に日本やタイやマレーシア等に生息するマベ貝から採れる真珠
(養殖も天然もあります。)
真珠も多種多様な種類がある上、形状や大きさによって固有の通称があり、漂白、加熱、染色、放射線照射といった人為的な処理が施されたタイプも多い為、なかなか奥が深い宝石となり、真珠はダイヤモンド同様に愛好家さんの多い宝石なんですね。
コンクパールという真珠についての特徴や数値データ
コンクパールは大型の巻き貝から稀に産出する真珠となり、その他の真珠と違って母貝が二枚貝ではない為、母貝に異物を挿入して真珠成分の分泌を促進して挿核した異物に真珠層を形成される養殖されるタイプがないのが特徴です。
こちらが稀にコンクパールが採取できる主にバハマ諸島や西インド諸島やカリブ海の近海で採取できるコンクシェル(コンク貝やピンクシェルとも言います。となり、現地では主に食用の貝となっていましたが、乱獲を防止する為に現在では採取を禁止する地域もあり、コンクシェルそのものも国内への輸入が制限されているようです。
あたしは随分と以前に海外で買い付けてきたのですが、ともかく大きいし、貝なので割れたり破損したりし易い為、とっても国内に持ってくるのが大変でした・・・
食用貝ながら非常に美しく大きさのある貝なので、貝そのものをカボッションにカット研磨したコンクシェルのルース、カメオのような装飾品としても珍重されています。
ま、あたし的には加工するつもりがなかったので、お気に入りで交流のある尊敬している方にプレゼントという名目で整理しちゃいましたが、海や貝が似合う元気な子なので似合うんじゃないかなぁ。
【 コンクパールの基本的な情報や数値について 】
- 鉱物名:有機物になるので鉱物名はありません。
- 宝石名:コンク本真珠
- 名称補足:コンクパール、コンク真珠
- 和名:コンク真珠
- 結晶系:有機物となるので結晶形はありません。
- 産出形状:自然の生み出した宝石となるので主に不定形等
- カラー:ピンク色系、オレンジ色系、淡褐色系、淡黄褐色系、白色系等
- 透明度:半透明
- 光沢:陶器のような艶やかな絹糸状光沢、無艶、ガラス状光沢等
- モース硬度:2.5~4程度
- 劈開:なし
- 断口:なし
- 比重:2.81~2.87程度
- 偏光性:省略
- 屈折率:測定不可
- 多色性:省略
- 分光性:省略
- 拡大検査:特有の構造、火焔(フレーム)模様を認む
- 産地:バハマ諸島近海、西インド諸島近海、カリブ海近海
- 代表的なカット:自然の生み出した形状になるので特になし。
コンクパールそのものはコンクシェルの大きさに比べて非常に小さいのが特徴で、それ程、大粒サイズのコンクパールはありません。
その分、評価のポイントとなるのは、色合い、形状、光沢感、彩度、独特の火焔(フレーム)模様の明瞭さとなります。
総合的には、艶やかで華やかさを感じるピンク色系のもので形状が整っていて明瞭な火焔模様が肉眼で容易に見られるタイプとなります。
大きさや色艶や形状といったポイントは好みもあると思いますが、もっとも一般的に評価の高いコンクパールのルースとなります。
女性にとって憧れの宝石のひとつとなり、高品質なコンクパールとなると大きさの割に高価な宝石の部類に入ると思いますが、優し気な色合いと雰囲気は日本人にも似合う宝石となり、使い勝手は良いと思いますよ。
真珠や珊瑚のような有機物の宝石は比較的にデリケートなので、着用した際は水洗い等をした上で柔らかい布等で水分を取る程度のメンテナンスをする事をお薦めします。
コンクパールを使ったジュエリー
比較的に小粒とは言っても稀少性が高く、高品質で形状の整った色艶の良い火焔模様が明瞭なルースとなると非常に限らている為、そうした高品質のコンクパールは宝飾系のジュエリーに加工されます。
こちらは、コンクパールとしては大粒となる「1.86ct」の大きさで自然の生み出した「ティアドロップ(雫型)」をした色艶が良く、特徴的な火焔模様が明瞭な高品質なルースを使ったプラチナリングとなります。
コンクパールにしては大粒サイズという事もあり、リングの腕部分にはメレダイヤをセッティングした上品なイメージにしてみました。
女性的な印象の強い宝石となり、宝石が好きな方にとっては憧れのコンクパールですが、やはり最近は高品質で良質のものが少なくなってきている為、少し地味な色合い、くすんで見える色合い、形状が良くないもの、火焔模様が不明瞭なものが多くなり、そうしたタイプは比較的にリーズナブルな価格でになっていますよ。
ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。
ΦωΦ
世の中には美しい宝石がいろいろあるね。
ΘεΘ
自然美や自然の生み出した造形美がポイントだね。
ΦωΦ
あまり所有していないですが、とても綺麗です。
ΘεΘ