前回のブログ記事では少しプライベートの事というか過去の想い出なんかの雑談を書いてしまいましたが、過去の事よりも現在や未来について話したり考えたりする事は若者の特権だと思うので、あたしの過去の話しや想い出話しなんかは適当に聞き流して、未来に繋がる現在を大切にしてね。
ちゅ~ような感じですが、今回は「天然ベリル」の中でも淡く優しい色合いが特徴となった「モルガナイト:Morganite」についての記事を書きたいと思います。
天然ベリルは色合いによって正式な固有の宝石名が存在しているのですが、この新ブログを立ち上げて書き始めたばかりの頃に特に深く考えずに正式な固有の宝石名を持った天然ベリルの中でも「エメラルド」や「エメラルド・キャツアイ」、変種となる「ペッツォタイト」といったメジャーな宝石やマニアックな稀少宝石の単独記事を書いてしまいました。
【 過去の天然ベリルの記事 】
これらの各記事の中でベリルの色合いによる宝石名の違いや各宝石の特徴紹介なんかもしてきたのですが、今回は改めて「天然ベリル」という鉱物と色合いの違いによる固有の正式な宝石名につて再度、記載しておきたいと思います。
天然ベリルの色別での正式な宝石名について
鉱物的には 天然ベリルとなる宝石は、非常に知名度の高いタイプからマニアックで興味のある人しか知らないタイプまでいろいろとあります。
【天然ベリルのカラーバリエーションと宝石名】
- 水色~薄青色:アクアマリン
- 淡ピンク色:モルガナイト
- 赤色:ビクスバイト
- 黄色:ヘリオドール(旧:通称)、イエローベリル、ゴールデンベリル等
- 黄緑色~薄緑色:ヘリオドール(通称)、グリーンベリル等
- 透明無色:ゴッシェナイト
天然ベリルについての情報や数値データ
- 鉱物名:天然ベリル
- 宝石名:主に色合いによって固有の正式な宝石名を持っています。
詳しくは、上記の「カラーバリエーションと宝石名」を参照して下さ
い。 - 和名:色合いに関わらず「緑柱石」
- 注記:一般的にベリルと呼ばれるタイプは、正式な固有名称を持たない特殊なベ
リルの事となります。 - カラー:無色、水色、薄いピンク色、濃いピンク色、黄色、黄金色、赤色、淡緑
色、微細な針状包有物が入った特殊な青緑色、イルメナイトやサンスト
ーン等が内包物として入った特殊なタイプ等 - 補足:キャツアイやスター効果、特殊な柄模様を持つタイプが存在します。
- 結晶系:六方晶系
- 産出形状:長柱状結晶・単柱状結晶等
- 透明度:透明~半透明(主にキャッツアイタイプやミルキータイプ)
- 光沢:ガラス光沢
- モース硬度:7.5~8程度(宝石名によって差異があります。)
- 劈開:不明瞭
- 断口:貝殻状または不平坦性
- 比重:2.63~2.83程度
- 偏光性:複屈折性
- 屈折率:1.562~1.602程度
- 多色性:色合いによっては二色性を示す
- 蛍光性:基本的に認めず
- 分光性:基本的に特有の吸収は認めず(宝石によります。)
- インクルージョン:管状、針状、雪花状、イルメナイト、液体、液膜等
- 代表的なカットスタイル:特になし(宝石によります。)
- 産地:宝石によって異なるのものコロンビア、ブラジル、マダガスカル、ナミビ
ア、インド、アメリカ、ロシア、ナイジェリア、スリランカ、ジンバブ
エ、パキスタン、ザンビア、ウクライナ等
今回は、この中で透明薄ピンク色または透明淡ピンク色をした「モルガナイト」について紹介していきますが、上記の各情報や数値とは微妙な差異があります。
モルガナイトとはどんな宝石なの?
天然ベリルの中で透明薄ピンク色または透明淡ピンク色をしたものが「モルガナイト」と呼ばれる宝石となります。
発色の起因となっているのは「マンガン」と「セシウム」と考えられており、色の改善を目的とした放射線照射が施されたタイプも存在します。
モルガナイトの名称は宝石愛好家の銀行家J.Pモルガンに因んで宝石学の権威であるG.Fクンツ博士によって命名されました。
現在ではモルガンというとモルガンスタンレー、株価操作をするのが上手な投資機関ってイメージしかないんだけど、ま、それはそれ、宝石愛好家であり蒐集家だったモルガン氏は素晴らしい数々のコレクションを博物館等に寄贈したりしたんだよ。
そんなモルガナイトの石質としては、同じ天然ベリルの中でもアクアマリンに近い瑕疵等の内包物が少ない傾向があり、エメラルドやペッツォタイトのようなタイプの天然ベリルよりも脆さを感じないと思います。
ベリル系の宝石の中では大粒サイズが産出しますが、天然ベリルの中では比較的に高価な宝石として扱われています。
【 モルガナイトについての情報や数値 】
- 鉱物名:天然ベリル
- 宝石名:モルガナイト
- カラー:薄ピンク色、淡ピンク色
- 結晶系:六方晶系
- 産出形状:長柱状結晶・単柱状結晶等
- 透明度:透明
- 光沢:ガラス光沢
- モース硬度:7.5程度
- 劈開:不明瞭
- 断口:貝殻状または不平坦性
- 比重:2.72程度
- 屈折率:1.58~1.59程度
- 偏光性:複屈折性
- 多色性:認む(二色性)
- 蛍光性:認めず
- 比重:約 3.10
- 分光性:特に必要な吸収を認めず
- インクルージョン:管状包有物、液膜包有物といった包有物
- 産地:ブラジル、アフガニスタン等
- 主なカットスタイル:特になし
モルガナイトの場合、色の改善を目的とした放射線照射処理が施される事がある事や放射性物質が成分として含まれる為、宝石鑑別機関では「シンチエーションカウンター(放射線測定器)」を使って、人体への影響のないレベルかどうかを確認していますよ。
同じく放射能を帯びた鉱物となるジルコンも同様ですが、基準値を超えた放射線量が確認されたルースは基本的に宝石鑑別書の作成はできません。
モルガナイトの魅力について
天然ベリルの中ではアクアマリンと並んでモース硬度だけでなく丈夫なタイプとなるので、あまり神経質にならずに着用できる事があります。
ピンク系の色合いとしては同じく天然ベリルの「ペッツォタイト」のような鮮やかさがないものの優し気な印象の薄く淡いピンク色をしているのも使い勝手の良さかもしれません。
同系統のピンク色となると「天然スポジュメン」の中でピンク色をした「クンツァイト」が比較的に近い色合いをしていますが、クンツァイトの方は強い蛍光性があり、大粒サイズで色合いの鮮やかなものが好まれるのに対し、モルガナイトは薄い色合い(殆ど透明無色に見える程の色合い)をしたものも好まれます。
これが宝石としての存在感というか格なのかもしれませんが、大粒サイズで高品質なモルガナイトはピンク系の宝石を好まれる方にとっては憧れの宝石のひとつかもしれませんね。
モルガナイトのルースやジュエリー
こちらのルースはサイズ的には「1ct」アップの大きさですが、やや強めのピンク色をしたルースとなり、色合いとしては「透明淡ピンク色」となるタイプです。
基本的にモルガナイトはカット研磨の良質なルースが多い傾向がありますよ。
こちらのルースは、大粒サイズのモルガナイトで「5ct」アップのサイズがあります。
色合いとしては「透明薄ピンク色」となるピンク色の色味が弱いタイプとなり、大人っぽさや上品さが強くなる事から、このタイプの色合いを好まれる方は非常に多いです。
こちらはモルガナイトを使った気持ち宝飾寄りのペンダントになりますが、モルガナイトの繊細で透明感のある色合いを重視してK18ホワイトゴールドを使っています。
モルガナイトは、ルースにもよりますが、見る角度によって違った色合いが見える二色性を持った宝石になる為、殆ど透明無色~ピンク色の色合いを楽しめます。
いろいろなジェムショーなんかで気に入ったルースや何か惹かれるルースを買い付けてきたのですが、モルガナイトはなかなか気に入るルースがなくて所有数が少ない宝石になっているんです。
あたしが今の年齢になってみるとモルガナイトという宝石の持つ魅力や素晴らしさを実感するようになりましたが、その当時はどちらかというと存在感のある個性的な宝石を好んで買い付けしていたんですね。
ある程度の宝石やジュエリーは時代や年齢に左右されず末長く愛用する事ができるのですが、やはり、年齢相応というか基本的な好みが大きく変わる事は少ないにしても何となく落ち着いた上品なものを愛用するようになってくるものなのかもしれません。
ちゅ~ような感じの事を思いながら、ち~ゆ~。
ΦωΦ
今じゃ好きな宝石のひとつだもんね。
ΘεΘ
女性的な印象の強い宝石だから男性だと難しいけどね。
ΦωΦ