少しばかり多種多様な天然ガーネットの紹介が続いており、ベーシックなガーネットから少しばかりマニアックなガーネットまで何回かの記事に分けています。
今回はちょっと気分を変えて亜種というか中間的なタイプのガーネットのひとつ「マラヤ・ガーネット:Malaya Garnet」の紹介をしようと思います。
これまでのシリーズ化しちゃっているガーネットの記事に比べると情報量が少ないライトな記事になると思いますが、その理由は「マラヤ・ガーネット」は、あたしの好む高品質の宝石らしい貫禄のある大粒サイズのルースに何故か巡り会う機会が少なかった為、それ程の数量を所有していない事とハイエンドと感じられるようなルースないからなんですね。
何せ本業のジュエリー製作の傍らで世界各地のジェムショーに買い付けや出展してきた関係で、もともと鉱物的に結晶サイズが小さい稀少宝石や稀少石であれば小粒なサイズでも仕方がないし、そうした稀少宝石や稀少石はそもそも滅多に出会う事がないのですが、このタイプの中間的なガーネットは特別な何かを感じないと微妙じゃないっすか?
マラヤ・ガーネットの場合、そんなに稀産で流通量が少ないと感じる訳でもないというか「スペサルティン・ガーネット」と「アルマンディン・ガーネット」と「パイロープ・ガーネット」の中間タイプとなる為、「マラヤ・ガーネット」と言えば何色という印象がなく、どちらかと言えば曖昧なニュアンスカラーをしたタイプが多いのです。
ちゅ~ても、ひとつのガーネットのタイプとして俗称的な呼称ではあるものの「マラヤ・ガーネット」という名称があり、他のガーネットとは区別されているので、紹介しない訳にもいかないのかなぁ・・・という緩い感じで、ちょっと書いてみたいと思いますので、結果的にどんな記事になるのか定かではないもの息抜き的な感じで読んで下さいませ。
マラヤ・ガーネットって、どんなガーネットなの?
スペサルティンとアルマンディンとパイロープ等の複数のガーネットの中間タイプというだけの事はあって、比較的に地味な色合いが中心ながらもカラーバリエーションとしては、天然ガーネットの中でも多くて、多様性に富んだガーネットになります。
あたしの好む宝石は基本的に鮮明な色合いや個性がある大粒ルースとなり、どんな宝石でも代表的なカラーを中心にバリエーションを増やすスタイルなので、いまいち掴みどころがないというか、固有の宝石としてフォーカスし難いんですね。
ところが、これは逆に考えるとガーネットという鉱物を象徴している部分もあり、代表的なカラーが分かり難い反面で同じ「マラヤ・ガーネット」でも個々のルースとしては個性的なので、きっと、あたしとの相性とかご縁が稀薄なだけだと思います。
【 マラヤ・ガーネット / Malaya Garnet 】
- 鉱物名:天然ガーネット
- 宝石名:ガーネット
- 宝石名補足:様々なガーネットの固溶体となる為、ガーネットと表記されます。
- 通称:ウンバライト(Umbarite)
- 通称:マラヤ・ガーネット(Malaya Garnet)
- 特徴:複数の天然ガーネットの固溶体タイプ
- 和名:タイプが多岐に亘る為、特に正式な和名はなし
- 結晶系:等軸晶系
- 産出形状:菱形十二面体結晶、偏菱二十四面体結晶等
- カラー:赤褐色、褐ピンク色、褐オレンジ色、淡ピンク色、褐赤紫色、淡褐色、
褐色、茶褐色等の様々な色合いが存在 - カラー補足:若干のカラーチェンジ効果を持つタイプがあります。
- 透明度:透明
- 光沢:ガラス光沢(タイプや色合いによる個体差があります。)
- モース硬度:7程度(タイプや色合いによる個体差があります。)
- 劈開:なし(但し、裂開は一方向に明瞭)
- 断口:亜貝殻状または不平坦状
- 比重:タイプや色合いによって異なります。
- 偏光性:単屈折性(異常複屈折)
- 多色性:認めず
- 分光性:タイプや色合いによって異なります
- インクルージョン:針状、管状、粒子状、塊状、結晶、波状液体等
- 産地:タンザニア、ケニア、マダガスカル等
- 代表的なカット:特になし
基本的な6種類のガーネットの内、2つから3つのタイプが混じり合ったガーネットになる為、全ての面で個体差が生じる為、アバウトな参考にしかなりませんね。
ちなみに「マラヤ・ガーネット」は特定の地域で印象の良くないスラングとなる事から、「ウンバライト」が提唱されているものの言葉の響きや日本国内での認知度としては「マラヤ・ガーネット」として流通するケースが殆どです。
マラヤ・ガーネットのルース
あたし自身、あまりマラヤ・ガーネットの魅力やポイントが見極めきれない為、少しでも華やかさを感じる色合いのものやカラーチェンジ効果とまでは明記できないまでも若干のカラーチェンジ効果を持ったルースくらいしか蒐集していませんし、そんなにバリエーションを増やしていく予定もありません。
それ程、大粒サイズで高品質の結晶は産出量が少ないようで比較的に小粒サイズのルースが中心となっています。
1970年代の後期から1980年代にかけて発見された新種石ですが、現在は宝石としてよりもコレクション向けとなっているルースが多くなっている気がしますね。
マラヤ・ガーネットを使って製作してみたジュエリー
石の色合いが淡赤紫系だったのでゴールドの地金を使って製作してみましたが、地金の色が反射して石の色合いが分かり難くなってしまいました・・・
やや分かり易いカラーチェンジ効果を持っているルースだったので白熱灯や炎といった光源の下では赤みを感じる色合いに見えますが、やはり少し地味というか色合いに鮮やかさが欠ける事から、とっても使い難いガーネットでした。
マラヤ・ガーネットの魅力
ジュエリー製作をしている立場で考えると宝石としての魅力に関しては少しばかり物足りなさを感じる部分はありますが、ガーネットのコレクションをしている蒐集家さんにとってはポイントが高いのではないかと思います。
より多彩で多くのカラーバリエーションを揃えていきたいと考えているなら、中間色やニュアンスカラーが多く、あまり他の天然ガーネットでは見掛けない色合いをしたものが多く存在するので、揃え甲斐がありそうですね。
あたしの感覚的には、ガーネットの中では特別高価なタイプではない(大粒サイズで宝石質の鮮やかな色合いのルースが少ない為)と感じるので、それこそ1ct未満のルースであればお求め易いガーネットだと感じます。
これまでの他のガーネットの記事に比べて薄っぺらい内容の記事となってしまいましたが、いくら仕事とはいっても自分が魅力を感じられない宝石って積極的に扱う事はできないので、こんな感じになってしまったの・・・
あくまで個人的な感覚なので、何の魅力もない宝石だと言うつもりはありませんので、フィーリングが合って、興味や魅力を感じたら、それはきっと何かしらのご縁があるからだと思うので、直感や印象を重視してね。
ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。
ΦωΦ
これは今までの記事でもっとも微妙・・・
ΘεΘ
分かってます・・・
ΦωΦ
ま、正直なところは評価するよ。
ΘεΘ
すまぬ。
ΦωΦ