猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

ボルダーオパール:Boulder Opal

ボルダーオパール

 

やっと再び紹介し易い宝石として取り扱われるオパールの記事が書けるので、とっても嬉しいのですが、今回は宝石として扱われるオパールの中では比較的に初心者でも楽しめる要素の多い「ボルダ―オパール」の紹介になります。

 

マジでね、ブラックオパールとかファイヤーオパールとかウォータオパールのような正統派の宝石として取り扱われる代表的なオパールって、産地や色合いや彩度や品質や遊色効果やサイズっていうような基準だけでなく、遊色効果のパターンみたいな視覚的な印象が強い事から好みとかも出るじゃんね?

 

そして、宝石としても有名で多くの愛好家さんや蒐集家さんがおり、そうした中での価値も含めた評価基準とか産地特性とか細かな話しを書く程、どうしても経験的な価値観や品質基準なんかが入っちゃうんですよね。

 

あたしはあたしの経験や感覚やなんかで客観的な評価と主観的な評価を持っているんだけど、それはそれでして、基本的に誰もが自分の感覚で気に入った宝石を見付けたり、選んだりして欲しいっす。

 

 

なんとなく雑談

四半世紀以上もジュエリーの業界に携わってきたので、良くも悪くも固定概念とか定説とか慣習とかの垢にまみれちゃってるから、それはそれで経験や知識として消し去る事はできないんだけど、人生の多くの時間をジュエリーや宝石なんかに費やしてきただけに純粋に美しいとか単純に気に入ったとかの感覚だけで宝石を愛して欲しいっていう初心的な気持ちの大切さを実感しているんだよ。

 

そりゃ、まぁ、こういうお仕事をしていれば常に上位を追求し続けなきゃいけない部分もあるし、もっと素晴らしいもの、もっともっと素晴らしいものと高価で稀少でハイエンドな宝石のルースを買い付けたり、取り扱ったりするようになるものですが、宝石やジュエリーの魅力って突き詰めて考えると何らかの想い出や何らかの出来事なんかを象徴する永遠のアイテムって部分もあると思うんだね。

 

あたしはジュエリー製作と宝石や稀少宝石なんかの蒐集が人生の縮図みたいな生き方をしてきたので、それはそれで満足、素晴らしい人生だと感じていますが、そうじゃない生き方や違う価値観に基づいた人生を送っている人も同じように素晴らしいと思っているっちゅ~か、もう逆に尊敬しちゃっているくらいなんです。

 

だから、大多数の人は欲しいと思っても購入できないようなハイエンドの宝石やマニアックな稀少宝石なんかは別に世の中に存在しなくてもいいと思っているんだけど、あたし自身、個人的にはハイエンドの宝石やマニアックな稀少宝石の存在しない世界、そういうものに興味が持てない人生なんて自分にとっては何の意味もないと思ったりもしているんです。

 

ちゅ~ような感じで、こちらのブログでは基本的に無駄話はあまり書かないようにしているのですが、何か話しが脱線しちゃってごめんよ~って事で、ボルダーオパールの紹介になります。

 

 

ボルダ―オパールってどんな宝石なんなの?

もともと本来はオパールの産出形状を表現する専門用語でしたが、現在ではオパールという宝石の中でのカテゴリー的な名称として用いられているんだよ。

 

ボルダーオパール

 

宝石として取り扱われるオパールの中では、もっともグレードの低いタイプとして取り扱われる事が多かったのですが、同じ主産地となるブラックオパールの産出量の減少やメキシコオパールとして代表的だったファイヤーやウォーターオパール等が品質的には劣るものの新たな産地としてエチオピアから大量に産出するようになった時代的な背景や影響もあり、現在では必ずしも宝石として取り扱われるオパールの中で格下として扱われる訳ではなくなりました。

 

ボルダーオパールはブラックオパール同様に主要な産地がオーストラリアとなり、「リモナイト(和名:褐鉄鉱)」の塊状をした母岩の内部や隙間部分に遊色効果を持ったプレシャスオパールが付着したり入り込んだりしているものを母岩ごと採掘してカット研磨したオパールとなるんだよ。

 

ちゅ~ような事から、大胆なフォルムの不定形の研磨石や自然の作り出した神秘性や幻想性を感じる景観美を持ったルースが多く、特に見た目の印象が重視される傾向が強いオパールとなっているんだね。

 

 

ボルダーオパールの参考的な情報や数値データ

ボルダーオパールの場合、母岩をどの程度まで残してカット研磨されたか、表面がカボッション状やフラット状や凹凸感のある状態なのか、オパール層の厚みや専有面積がどの程度なのか等、多くの部分で個体差がある事から、本当に参考程度として記載しておきますね。

 

ボルダーオパール

 

 

【 ボルダ―オパール:Boulder Opal 】

 

  • 鉱物名:天然オパール
  • 宝石名:ボルダ―オパール
  • カラー:不透明 遊色効果
  • 産地:主にオーストラリア
  • 光沢:ガラス光沢、樹脂光沢
  • モース硬度:5.5~6.5程度(参考値)
  • 劈開:なし
  • 断口:貝殻状(オパール部分のみ)
  • 屈折率:1.44~1.42程度(参考値)
  • 偏光性:単屈折性
  • 多色性:省略の記載
  • 蛍光性:認めず
  • 比重:省略の記載
  • 分光性:特に必要な吸収を認めず
  • 拡大検査:特有の遊色斑
  • 備考:底部に褐鉄鉱を認む
  • 代表的なカット研磨のスタイル:不定形研磨

 

 

基本的にオパール部分に関する各情報や数値となるので、母岩の褐鉄鉱が一緒になっている状態での各情報や数値は一概には言えないんですよ。

 

 

いろいろなボルダーオパールのルース達

ブラックオパールやメキシコオパールのようなオパールの中でも代表的な宝石として扱われるタイプと違い、ボルダ―オパールの場合は宝石として取り扱われるグレードのタイプから鉱物標本やアクセサリー等に用いられるグレードのタイプまで幅広く存在しますよ。

 

もちろんブラックオパールやメキシコオパールでもハイエンドな宝石から鉱物標本やアクセサリー等に用いられるものまでありますが、基本的に宝石としての稀少性や価値が高い事から、品質の良し悪しによるランク分けの傾向が強くなるのに対して、ボルダ―オパールの場合は見た目の印象やサイズによる部分が大きい為、より選択肢が多いオパールと言えるんじゃないかなぁ。

 

ボルダーオパール

 

こちらのルースは表面が立体的な凹凸感がある大粒サイズのボルダ―オパールとなり、ボルダ―オパールとしても個性的な表情と多彩に煌く遊色効果が特徴的なルースになっています。 

 

そりゃ~まぁ、宝石として扱われるグレードのボルダ―オパールなので遊色効果が見られる事は必須条件になるもののボルダ―オパール場合は基本的に単色系のオパール層となったタイプが多い為、このルースのように多彩な色合いが見えるものは稀少ですよ。

 

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ボルダーオパール

 

こちらのルースもかなりの大きさを持ったルースとなり、やはり表面は波打つように立体的な凹凸感があるボルダーオパールになっていますよ。

 

色合いとしては母岩の褐鉄鉱に乳白色の不透明~半透明のオパール層に青色の粒子状の遊色効果が見られるオパール層が混在したように見えるタイプで、乳白色のオパール層がひび割れて中から青色のオパール層が見える感じなんかが面白い表情になっていますね。

 

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ボルダーオパール

 

こちらは透明度の高い乳白色~青色~紫色が混じり合ったようなオパール層が 特徴になった、かなり大きなルースとなっていて、主に褐鉄鉱の左側部分と主にオパール層の右側部分のコントラストが個性的ですね。

 

母岩の褐鉄鉱は、その名前の通り鉄鉱なので酸化する事で赤みを帯びたり強い褐色になったりし、鉄分の含有量によっては黄土色に見える事もあるので、ボルダ―オパールの場合は母岩の褐鉄鉱の色合いも全体的な印象に影響してくるんですよ。

 

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ボルダーオパール

 

このルースは比較的に形の整った長方形をしたボルダーオパールとなりますが、側面から見ると緩やかな曲線となった立体的な形状となっているルースですね。

 

正面から見ると少し青っぽい乳白色のところどころに鮮やかなグリーンの遊色効果が見られ、表面全体の4分の1くらいが濃褐色~黒色になった褐鉄鉱の母岩が見えていて、気象地図のような印象を持っているんですよ。

 

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ボルダーオパール

 

このボルダ―オパールはタイプとしては殆ど見る事がない珍しい印象のルースとなり、母岩の褐鉄鉱の上に陶芸の釉薬のように淡く透明感のある乳白色系の薄いオパール層が覆ったタイプで部分的に鮮やかなグリーンやブルーの遊色効果が見られますね。

 

日本的というか、侘び寂びを感じる通好みというか玄人好みのルースとなっており、表面も比較的にフラットで形状的にも整ったボルダーオパールで個人的には妙に気に入っていたりします。

 

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こちらのボルダ―オパールは、ビルダーオパールとしては見掛ける機会が多いルースの両サイドから母岩となる褐鉄鉱に挟まれたような意匠でカット研磨されたルースとなります。

 

とても不思議なオパール層で何とも表現できない独特の個性を持った遊色効果を感じられますが、表面はフラットな状態ではなく緩やかな曲線状になっていますよ。

 

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ちゅ~ような感じで、オパールという宝石は正式な宝石名に関わらず多種多様で個性的なルースが多いのが特徴ですが、その中ではボルダ――オパールはサイズ感もあり、ブラックオパールやメキシコオパールに比べると価格的にもリーズナブルですし、バリエーションも豊富なので、オパールの入門的なタイプと言えるかもしれないっすね。

 

また母岩の褐鉄鉱が一緒にカット研磨されているので、他のオパールよりも少し頑丈なのもポイントです。

 

前面の全体的がオパール層に覆われていて、色柄模様や遊色効果の強い神秘的な印象や幻想的な印象のルースとなるとそれなりの価格となりますが、比較的に市場流通性も高いのでお気に入りのルースが見るかるといいですね。

 

ちゅ~訳で、次回はオパールシリーズの最終回となる、その他の様々なオパールについての記事となります。

 

ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

厳密にはボルダ―オパールも奥が深いんだけどね。

ΘεΘ

 

でも見た目の印象が強いのも確かじゃん。

ΦωΦ

 

気に入った石が一番ですもんね。

ΘεΘ