猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

ファイヤーオパール:Fire Opal & Mexican Opal

ファイヤーオパール

 

宝石として取り扱われるオパールの中でブラックオパールと並んで代表的なタイプのオパールが今回の「ファイヤーオパール」になるんだよ。

 

ファイヤーオパールは見た目のイメージから炎を連想する透明度の高い鮮やかなオレンジカラー系の地色をしたオパールの宝石名となりますが、ちょっと説明がややこしくなっちゃうんだけどファイヤーオパールという宝石名を持つオパールってのは、遊色効果の有無は関係なく、基本的に地色の色合いがオレンジや赤色系のタイプの総称となるんですね。

 

その上で宝石として高い評価となる高品質なタイプが鮮やかな地色に加え、さらに揺らぐような幻想的な遊色効果を持ったファイヤーオパールとなるんですよ。

 

そうした宝石の鑑別機関による宝石学的な基準とは別にファイヤーオパールのような透明度の高いプレシャスオパールの代表的な産地がメキシコとなる事から慣例的にメキシコ産の透明度が高い美しいオパールを「メキシコ・オパール」という通称で呼ばれているんですが、もちろんメキシコ産じゃないとメキシコオパールとは呼べません。

 

そして、そんなメキシコオパールの中で炎のような鮮やかな透明感のあるオレンジ系の地色に幻想的な遊色効果が見られるものを「ファイヤーオパール」と呼び、水のように透明感のあるクリアな地色に幻想的な遊色効果が見られるものを「ウォーターオパール」と呼び、これらふたつのオパールで産地がメキシコであれば「メキシコオパール」という感じにまとめる場合もあるんです。

 

ちゅ~ような事もあり、あたしの携わっている宝石学的な考えに基づいて、こちらのブログでは産地を基準にしたカテゴライズではなく、あくまで正式な宝石名として「ファイヤーオパール」となるものの紹介となりますよん。

 

 

ファイヤーオパールってどんな宝石なんなの?

主たる定義としては、鮮やかな透明度の高い黄色~橙色~赤色系の暖色系の地色をしたプレシャスオパールの事になります。

 

宝石としてファイヤーオパールの扱いとなるのは地色の色調と鮮やかさで遊色効果の有無に関わらず、鮮やかな暖色系の透明度の高いオパールは「ファイヤーオパール」となります。

 

タイプ的には主たる産地がメキシコとなる事から「メキシコオパール」の通称で呼ばれる事もありますが、メキシコオパールで呼ばれる場合の「ファイヤーオパール」は地色の色合いと透明度の高さだけでなく遊色効果を持ったタイプに限定される事が多いんだよ。

 

ちゅ~ような感じで、ファイヤーオパールの場合、まず石の地色、その色合いや彩度に加え、遊色効果の有無や産地によって記載方法が変わる事があるので、そんな事も頭の片隅に残しながら読んでもらえるといいっす。

 

fireopal

 

こちらは産地的にもメキシコ産となり、色合い的にも透明感のある鮮やかなオレンジ色で遊色効果も見られる文句なしに「ファイヤーオパール」でも「メキシコオパール」でも通用するグレードのルースになり、このグレードになると正式な宝石名である「ファイヤーオパール」と呼ばれる傾向が強くなりますね。

 

ちゅ~のも、このグレードになってくるとメキシコ以外の産地では殆ど産出しないからで、産地名の記載をしなくても判断できちゃうからなんですよ。

 

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ファイヤーオパール

 

こちらは遊色効果がないものの宝石名としては「ファイヤーオパール」の扱いになる地色を持ったタイプとなり、こちらも産地はメキシコとなりますが、遊色効果がない為、宝石としての評価は下がってしまうんですね。

 

 

ファイヤーオパールの詳細説明

オパールという宝石の中ではブラックオパールと並んで代表的なファイヤーオパールですが、宝石としてはブラックオパールに次ぐ格付けとなっています。

 

ファイヤーオパールやウォーターオパールのようなタイプのプレシャスオパールはデリケートで気温や湿度といった環境的な要素による劣化が生じ易い宝石となり、メキシコ産の高品質なタイプでも多少の注意は必要ですから、他の産地のタイプともなるとメキシコ産よりも取り扱いには注意が必要になりますよ。

 

どんな宝石でも多少の経年劣化は生じますが、ひび割れのような致命的な欠陥が突然、生じる可能性があるのが欠点ですが、高品質なメキシコ産は比較的に安心してお使いになれると思います。

 

fire Opal

 

こちらも同じくメキシコ産の遊色効果が見られる高品質なファイヤーオパールを使ったリングとなりますが、ブラックオパールに次ぐ代表的な宝石としてのオパールになる為、こうしたグレードのファイヤーオパールはゴールドやプラチナ等の貴金属地金とダイヤモンドを使った宝飾系のジュエリー向けの宝石となります。

 

そういう意味ではブラックオパールと比較する事には意味はなく、いろいろな宝石の中でも個性的な派手やかさを持った特別な宝石となりますよ。

 

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ちゅ~ような感じで、ファイヤーオパールって宝石の参考的な情報や数値を記載しておきますね。

 

 

【 ファイヤーオパール:Fire Opal 】 

 

  • 鉱物名:天然オパール
  • 宝石名:ファイヤーオパール
  • カラー:透明黄色~透明オレンジ色~透明赤色
  • 補足:遊色効果の有無は問わず
  • 産地:主にメキシコ
  • バリエーション:クリア系の色目はウォーターオパール
  • 光沢:ガラス光沢、樹脂光沢
  • モース硬度:5.5~6.5程度
  • 劈開:なし
  • 断口:貝殻状
  • 屈折率:1.43~1.42程度
  • 偏光性:単屈折性
  • 多色性:省略の記載または認めず
  • 蛍光性:認めず
  • 比重:2.00程度
  • 分光性:特に必要な吸収を認めず
  • 拡大検査:特有の遊色斑
  • 代表的なカット研磨のスタイル:カボッションカット、不定形研磨

 

 

個々のルースによって特性等に微妙な差異があると思いますが、主たる産地が決まっており、透明感が高く鮮やかな色合いの遊色効果を持った高品質なタイプのルースは限られている事から、似た数値となるかと思いますよ。

 

 

美しいファイヤーオパールのルース

ファイヤーオパール

 

こちらのルースは地色よりも多彩で派手やかな遊色効果が特徴となったハイエンドなルースとなり、ここまで華やかな彩りをしたファイヤーオパールはとても稀少なんですね。

 

もちろん産地はメキシコとなり、あまりの遊色効果で分かり難いかもしれませんが地色も鮮やかな透明感のあるオレンジ色をしていますよ。

 

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エッグインオパール

 

こちらは不定形研磨されたジュエリー向けというよりも愛好家さんや蒐集家さん向けのコレクションタイプの巨大なルースとなりますが、とても稀少性の高い「エッグ・イン・オパール」と呼ばれる白い包有物が内包されたタイプとなっています。

 

かなり稀少なタイプとなり、メキシコ産の強い遊色効果を持ったエッグ・イン・オパールは殆ど市場に出る事がないんですが、最近だとエチオピア産のオパールで同タイプのものを見る機会が増えましたね。

 

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エッグインオパール

 

こちらも稀少タイプとなる「エッグ・イン・オパール」で遊色効果がないメキシコ産のファイヤーオパールとなり、どれだけの確率で誕生したのか想像もできないくらいに形とサイズと色合いが揃った原石だった事から丁寧で美しいモディファイドトライアンギュラーカボッションカットという極めて珍しい特殊なカット研磨のスタイルになっています。

 

もう言葉にならないくらいに可愛らしいっす・・・

 

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その他のファイヤーオパール系のメキシコオパールのルース

宝石の鑑別機関では色合い的に薄いタイプのファイヤーオパール系のルースは宝石名としては「ファイヤーオパール」とはならず、普通に「オパール」と宝石鑑別書には記載されちゃうんですよ。

 

これら正式にファイヤーオパールとは言えないオパールは主に産地を冠した名称でよばれるので「メキシコオパール」と呼ばれる事になりますが、先に書いたようにメキシコ産じゃないものは当然ですけどメキシコオパールではないです。

 

メキシコオパール

 

こちらは地色が薄いオレンジ色になる為、基準の厳しい宝石の鑑別機関となる中央宝石研究所での宝石鑑別書ではファイヤーオパールの扱いにならなかったルースなんです。

 

もっと基準の甘い宝石鑑別機関ならファイヤーオパールの扱いになるレベルですが、ルースによって宝石の鑑別機関を変えるのって何だかやらしい感じがするので、あたしは基本的に中央宝石研究所で宝石の鑑別をしてもらっていますよ。

 

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まぁ、こうしてファイヤーオパールといっても何気に様々なタイプがあり、極端な話し、ファイヤーオパールの定義やメキシコオパールといった慣習的な表現もあって、ある意味、オパールという宝石はややこしい感じが特徴なのか?

 

ちゅ~ように感じちゃうかもしれませんが、そうした部分も楽々と超越した遊色効果という独特の光彩効果、それにブラック、ホワイト、ファイヤー、ウォーター等々といったタイプ別の異なる個性がある魅力的な宝石なんですよ。

 

次回は、ファイヤーオパールと対になるウォーターオパールの記事です。

 

ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ 

 

 

ファイヤーオパールはじわじわ好きさが増す系だね。

ΘεΘ

 

絶対的な個性があるからねぇ。

ΦωΦ