以前に「トラピッチェ・エメラルド」の記事を書きましたが、今回は不変の世界四大宝石のひとつで代表的な緑色をした宝石となる「エメラルド」の記事になりますよ。
あたしの場合、取り扱っているルースが大粒サイズという事もって、取り扱い数量も限られているのですが、そんな事もあってエメラルドに関してはサイズ感が買い付けしていた頃の重要なポイントになっていたんだよ。
もちろん色合いの鮮やかさや品質とかも重視していますが、そんなに数量を取り揃えるつもりがなかった事もあり、大き目サイズのルースを中心にしちゃったのですが、やっぱりエメラルドの緑色って色石の中で映えるし、大きいと見た目の特徴や印象なんかは分かり易くて最高です。
どちらかと言えば、先にスタンダードな「エメラルド」の記事を書くのが普通なのに何故かインパクトがあって個人的にも印象が強くて想い出深い「トラピッチェ・エメラルド」の方を先に書いちゃったんですよね・・・
ちゅ~ような感じで宝石の王道、緑色の宝石の象徴であるエメラルドについて書いていきますよん。
エメラルドという宝石について
ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドの4つの宝石名くらいは誰もが何かしらで聞いた事があって知っていると思いますが、ちょっとエメラルドという宝石についての簡単な説明を書いておきますね。
【 エメラルド / Emerald 】
- 鉱物名:天然ベリル
- 宝石名:エメラルド
- 和名:緑柱石
- 結晶系:六方晶系
- 産出形状:長柱状結晶・短柱状結晶
- カラー:緑色のみ
- 透明度:透明
- 光沢:ガラス光沢
- モース硬度:7.5~8
- 劈開:不明瞭
- 断口:貝殻状もしくは不平坦状
- 比重:2.68~2.78
- 偏光性:複屈折性
- 多色性:二色性
- 分光性:クロムライン
- 産地:コロンビア、ブラジル、タンザニア、ロシア、ザンビア、マダガスカル、
パキスタン、モザンピーク、南アフリカ共和国、アフガニスタン等 - 代表的なカット:カットコーナーレクタンギュラーステップカット
(通称:エメラルドカット)
特徴的なのは、天然ベリルという鉱物の中でも緑色をしたタイプだけがエメラルドという固有の宝石名になっている事になるかしら?
天然ベリルという鉱物は様々な成分に起因した色合いのバリエーションがあり、その多くが何らかの固有の宝石名を持った宝石となっているんだけど、ちゅ~ような様々なタイプやカラーバリエーションがある中で緑色のエメラルドだけは宝石として別格の扱いになっているのは、ベリルに限らず多種多様な鉱物の中でも光の三原色のひとつになる緑色をしたものは少ない上、さらに透明感のある稀少性の高い鉱物になるからなんですよね。
雑談:天然ベリルのカラーバリエーションと宝石名
- 水色~薄青色:アクアマリン
- 淡ピンク色:モルガナイト
- ピンク色:ペッツォタイト(ベリルの変種になり鉱物名:天然ペッツォタイト)
- 赤色:ビクスバイト
- 黄色:ヘリオドール(旧:通称)、イエローベリル、ゴールデンベリル等
- 黄緑色~薄緑色:ヘリオドール(通称)、グリーンベリル等
- 透明無色:ゴッシェナイト
ちょっと扱いが難しいのが、黄色や黄緑色や薄緑色をしたベリルとなってて、古くは黄色系のベリルは太陽を意味するヘリオが由来となったヘリオドールという名称で呼ばれていたのですが、現在はイエローベリルやゴールデンベリル等と呼ばれるのが一般的になり、ヘリオドールは主に黄緑色や薄緑色をしたベリルの通称となったのですが、これまた微妙な色合いや成分によってグリーベリルとかライムベリル等の通称で呼ばれる事があるんです・・・
ちゅ~か、これまた何故か変種となるピンク色をした「ペッツォタイト」の記事も以前に書いていましたが、ま、その内に全ての種類のベリルを紹介する事になるので気にしないで下さいませ。
美しい透明感のある緑色の宝石「エメラルド」のルース
エメラルドは特徴的に瑕疵や黒色インクルージョンを内包した宝石になる為、ルースの表面に達していない瑕疵やインクルージョンは大きなマイナス評価にならず、逆に天然の証しとされます。
昔からエメラルドを見る時には内部にカラスがあるか確認すると言われていたくらいで、説明は不要でしょうが、カラスとは黒色のインクルージョンの事っすよ。
エメラルドの代表的なカットスタイルであるカットコーナーレクタンギュラーステップカットは、エメラルドカットと呼ばれるくらいにスタンダードなエメラルドのカット形状になるのですが、これはエメラルドの結晶を最大限に活かす為に追求されてきたスタイルになり、もっとも鮮やかな結晶の表層部分をテーブル面にするようにカット研磨されています。
特性的に瑕疵やインクルージョン等の内包物が多い事への対策にもなっていて、歩留まりも良く考え尽されたカット研磨のスタイルで隅切り八角形とも呼ばれます。
カットコーナーレクタンギュラータイプでも長方形から正方形、角となる部分のバランス等で様々なアレンジがありますが、基本的にはエメラルドカットか角に面を作らない四角形をしたスクエアカットとなっていますよ。
確かにエメラルドの持つ独特の透明感のある緑色は他の宝石とは違った美しさがあり、特徴的な瑕疵やインクルージョン等の内包物が多い事や比較的にデリケートな扱いを求められる宝石であっても特別扱いされるだけの存在感がありますねぇ・・・
稀少種:エメラルド・キャッツアイ
エメラルドにもシャトヤンシー効果が見られる稀少種となるキャッツアイタイプのルースがありますよ。
他の宝石よりもキャッツアイタイプとなる原石や結晶が少ない事から、愛好家さんや蒐集家さんが好まれる宝石となります。
ちゅ~ような感じで、スタンダードな王道の宝石となるエメラルドについての記事を書いてみましたが、書いてて気が付いちゃったんだよね・・・
鉱物としてベリルのいろいろな宝石の事を書いたり、トラピッチュ・エメラルドみたいな稀少種の話しを書いたりするのに比べて歴史的にも古く、誰もが知っているスタンダードな宝石の話しって特に目新しい内容にならないって事にね・・・
これ多分、ルビーとかも同じパターンに陥るだろうと思うんだけど、カラーバリエーションが特定の一色だけしかない有名な宝石って何気に情報がいっぱいあるから書く必要がないんじゃないかって思った次第です。
ま、いろいろ書いてると分かってくるもんだねぇ~ちゅ~感じで、ち~ゆ~。
ΦωΦ
ま、でしょうね。って思いました。
ΘεΘ
いや、思ってた以上に書けませんでした・・・
ΦωΦ