猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

糸魚川ヒスイのルース:Jadeite(ジェダイト)

糸魚川翡翠のルース

 

国産鉱物の代表格と言っても過言ではない糸魚川ヒスイですが、あたし的には「イトイガー」って通称で呼んでいます。

 

ちゅ~ような事は別にして、今回は「糸魚川ヒスイを使ったルース」について紹介したいと思っていますが、ルースというのは裸石という意味でジュエリー等の装飾品に加工する為にカット研磨された状態の事なんだよ。

 

糸魚川産に限らず翡翠の場合は特徴的にカボッションカットという丸みを帯びた表面をしたカットスタイルにされ、ダイヤモンドとかみたいな多面体になったファセットカットにされる事は殆どありません。

 

 

何故、翡翠のルースはカボッションカットが多いのか?

以前に糸魚川ヒスイについての記事を書きましたが、翡翠という鉱物はヒスイ輝石という微細な結晶の集合体になる為、その成長過程で他の鉱物や成分が混じり合う事で多種多様な色柄模様のタイプが誕生すると共にヒスイ輝石の含有率にバラつきが生じる事から極めて高品質で宝石質のヒスイは限られたものになります。

 

各宝石の鑑別機関でも翡翠に関しては個別の専門的な分析をした上でないと「ジェダイト(ひすい)」という宝石名での鑑別書が作成できないくらいに特殊な鉱物であり宝石だったりするのです。

 

ロウカンヒスイ

 

ちゅ~ような中、画像の翡翠のように非常に古くから珍重されてきた美しい緑色をしたタイプ等、高品質な宝石質の翡翠として扱われるものは特に色合いと透明度と独特の光沢感が優れたものに限られており、その中でも最大の特徴が艶やかでとろみを感じる光沢感になるんだね。

 

そうした翡翠の色合いや透明感や光沢感はカボッションカットのような滑らかでフォルムを重視したカット研磨や加工品の方が翡翠の持つ奥行きのある魅力が引き立つ事から、ジュエリー向けとしてはカボッションカットが主流となり、そうでない装飾品の場合は勾玉や何や分からない珍妙な大陸の縁起物みたいな動植物とかをモチーフにした彫刻的な加工品になる事が多いのです。

 

糸魚川ヒスイを使った翡翠のルース

最初に書いちゃいますけど、宝石としての品質という意味合いでは比率的に糸魚川産の翡翠原石よりもミャンマー産の翡翠原石の方が良質なタイプが多くなります。

 

ちゅ~のも糸魚川ヒスイの場合、特徴的に石目等と呼ばれるひび割れのように見える筋が多い事と大規模に商業採掘している訳ではないので採取や採掘できる総量が少ないからなのですが、もちろん糸魚川産の翡翠でも素晴らしい宝石質のタイプもあります。

 

ちゅ~ても近年は国産鉱物の価値が見直され、様々な国産鉱物が再評価されている背景と糸魚川ヒスイ特有の石目や色合い等も含めた自然美に目を向ける人も増えてきたので、逆にミャンマー産とは違った糸魚川ヒスイらしい個性や美しさが感じられるルースが存在感を増してきているんだよ。

 

糸魚川翡翠ルース

昔ながらの琅玕タイプと呼ばれるインペリアルジェードが好きって人も多いですが、素朴さの中に趣きを感じる自然美を持った糸魚川ヒスイのルースを好む人も増えてきて、ちゅ~ような中に選択肢や好みの多様性なんかを感じる事ができて良い時代になったもんだなぁ~。

 

いろいろな糸魚川ヒスイのルース

ちゅ~ような感じで何種類か糸魚川ヒスイのルースを紹介しちゃいますよん。

 

入りコン沢ヒスイ

こちらは糸魚川ヒスイの中でも愛好家さんや蒐集家さんの多い入りコン沢の青翡翠を使ったルースになりますね。

 

糸魚川ヒスイには様々なカラーバリエーションがあり、その中でも青色系は採取できる地域による特性が分かり易く、入りコン沢の青翡翠はブルーのインクが滲んだような色合い的には濃いのに透明感を感じる独特の色合いで原石の状態だと表面部分が錆び色や褐色の皮殻に覆われている為、透明感のある白系の色合い部分に少し茶色っぽい色が入っている感じなんだよ。

 

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小滝産青翡翠

同じく青翡翠となりますが、こちらは小滝産の青翡翠となり白地の部分に透明感がないので青色と白色のコントラストや混色した雰囲気が特徴となったルースです。

 

小滝といった河川採取の糸魚川ヒスイに関しては上流から流れ着いたものもあるので必ずしも統一した色柄のタイプとはなりませんが、混色系のタイプは糸魚川ヒスイの魅力が感じられるんじゃないかな。

 

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横川ヒスイ

こちらも糸魚川産の青翡翠としては代表的な横川ヒスイと呼ばれるタイプのルースで白~灰色の地に青い筋模様が入っているのが特徴です。

 

あまり透光性が高くないもののコントラストが明瞭で青色の色合いも濃い事から人気がありますよ。

 

このルースは青海川で採取された原石なので横川ヒスイとは言いませんが、タイプ的には横川ヒスイのような特徴をもったルースになっています。

 

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糸魚川青翡翠

こちらの青翡翠は海岸採取した高品質な透明感と独特の光沢感を持った原石からカット研磨したルースになります。

 

恐らく海底に沈んでいた原石が割れて偶然に海岸で採取できたんだと思いますが、この品質の糸魚川ヒスイは現在では滅多に採取できない稀少なタイプになります。

 

海岸採取なので厳密な産地が不明ですが、こんな綺麗な糸魚川ヒスイがまた拾えたらラッキーだなぁ・・・

 

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入りコン沢青翡翠

こちらのルースも入りコン沢の青翡翠になりますが、色コン沢ヒスイ独特の錆び掛かった半透明な白色の部分をメインにしてカット研磨したルースになります。

 

糸魚川ヒスイだと海中採取で海底に沈んでいる翡翠原石も特有の潮焼け等と呼ばれる黄ばんだような不思議な色合いを帯びていますが、こうした自然美は本来の宝石としての翡翠からは外れた魅力になっていたりします。

 

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青海産白緑黒混色翡翠

これぞ糸魚川ヒスイのスタンダードって感じの白緑黒の混色タイプとなった青海川で河川採取した原石からカット研磨されたルースです。

 

ヒスイという鉱物は構造上、非常に頑丈で硬い鉱物になる為、ともかく磨けば磨く程に艶やかな光沢感が出てくるのですが、あまり光沢感を出し過ぎると色合いがボケる為、カット研磨する職人さんや勾玉等を製作される作家さんは石質や色合いによって仕上げを変えて石の持つベストの表情を出すように苦心されているんだよ。

 

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青海産翡翠

こちらも同じく青海川で河川採取された糸魚川ヒスイの原石からカット研磨されたスタンダードな白地に薄い緑色が混じった大粒ルースです。

 

ものによって違いますが、翡翠は透光性という特徴を有している事が多く、このように見た目には光が通らなさそうな不透明の状態にも関わらず、ペンライト等で照らすと光が透けて独特の透光色を楽しむ事ができたりするのです。

 

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糸魚川ヒスイの楽しみ方

今回はルースというジュエリー向けにカット研磨された状態の糸魚川ヒスイを何種類か紹介しましたが、ヒスイ=緑色をした石っていうイメージが覆ってしまった人もいちゃったりするのかしら?

 

一般的に昔から翡翠のイメージは緑色でバブリーなゴールドのジュエリーとかを想像されちゃうかもしれませんが、最近では逆にそうしたタイプの翡翠やジュエリーは見掛ける機会も少なくなってきたんじゃないかな? 

 

どんな宝石でも同じですが、同じ宝石でも品質や色合い等には差異があり、極端な話し宝石の代表格とも言えるダイヤモンドでさえも透明無色である事が唯一の価値ではなくなり、カラーダイヤモンドや特殊なカット研磨が施されたダイヤモンド等の個性的なタイプのニーズが増えていたりします。

 

ちゅ~ような中で糸魚川ヒスイは、宝石としての翡翠と国産鉱物としての翡翠とふたつのイメージがあり、原石から観賞用の磨き石から勾玉等の装飾品からジュエリーまで幅広いニーズに応えてきたのですが、近年は護岸工事等の影響等もあり年々と採取できる量も質も下がってきています。

 

圧砕ヒスイ

あたし自身は自由気まま好き勝手に好きか嫌いかで物事を判断しちゃう悪癖があって以前までは翡翠という宝石も糸魚川ヒスイという存在にも左程の興味がなかったのですが、世界中の様々な宝石や稀少宝石、稀少石、天然石を買い付けて個人的にも蒐集してきた中で現在は糸魚川ヒスイの持つ自然美や素朴さや趣きに強く惹き付けられています。

 

もちろん普通の宝石や稀少宝石や稀少石なんかも大好きですけどね。

 

ちゅ~ような感じで、もしかすると翡翠という宝石や勾玉等の装飾品に抵抗を感じている人であっても現在のように多様性に富んだ時代の中では気にならないんじゃないかなぁ~って思ったりしてて、ま、後は好きか嫌いかって話しになると思うんだけど、何事も経験っていうか、何にでも楽しみは見い出せるものだから楽しんで欲しいっす。

 

ちゅ~訳で、これからも時々、糸魚川ヒスイに関する記事を書いちゃいますよ。

 

ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

ま~ま~頑張って書いたね。

ΘεΘ

 

もっと褒めろよ。

ΦωΦ