猫車通信

糸魚川ヒスイと稀少石のお店「猫車(nekoguruma)」by Jewellery Studio Ijeluna

ペッツォタイト:Pezzottaite(俗称:ラズベリル)

ペッツォタイト

 

今回は少しばかり華やかで彩りを感じる「稀少宝石:ペッツォタイト」について記事を書いていこうと思いますよん。

 

華やかで彩りを感じる印象に残る宝石や稀少宝石って、どんなんがいいかぁ・・・って一瞬、考えちゃったものの感覚的に「ペッツォタイト」が思い浮かんだんだよ。

 

 

ペッツォタイトとはどんな宝石なの?

 

ペッツォタイトという宝石は鉱物的には天然ベリルの変種となり、天然ベリルの主成分であるベリリウムがセシウムとリチウムに一部、置き換わっている鉱物です。

 

その為、鉱物名は天然ベリルではなくて天然ペッツォタイト、宝石名もペッツォタイトとなるネオンピンクみたいな色合いをした2000年代初頭に登場した比較的に新しい宝石になるんですね。

 

真紅のレッドベリル(ビクスバイト)と淡ピンク色をした「モルガナイト」の中間的な色合いをしたネオンピンクカラーをした固有の宝石名となります。

 

2000年初頭のツーソンで登場し、宝石としては「パライバトルマリン」や「タンザナイト」等に続く新宝石として注目を集めた比較的に登場してから歴史の浅い稀少宝石になりますね。

 

登場した当初は見た目の印象と鉱物的にはベリルである事から、ラズベリルといった通称で呼ばれる事もありましたが、稀産稀少な宝石で他のベリル系の宝石に比べて安定的な市場供給ができなかった事もあり、正式な宝石名である「ペッツォタイト」が現在では一般的な名称となっていますよ。

 

セシウムが含まれたベリルの事をセシウム・ベリルというのですが、宝石学上ではベリルの変種として扱われ、このペッツォタイトであったり、独特の結晶形が特徴の淡青色系のボロビエバイト等なんかが有名なんじゃないかしら?

 

ちゅ~ような雑談、経緯もありつつ、その中で生まれた通称や俗称もありますので、ペッツォタイトという稀少宝石に関する説明を簡単にしておきますよん。

 

【ペッツォタイトについての予備知識】

  • 鉱物名:天然ペッツォタイト
  • 宝石名:ペッツォタイト
  • 通称や俗称:ラズベリル、ピンクベリル
  • 注記1:最近はペッツォタイトに統一されつつあります。
  • 注記2:カタカナ読みでは発音の微妙に異なる名称の場合もあります。
  • カラー:鮮やかなネオンカラー、濃淡のあるピンク系カラー
  • 特徴1:産出量が非常に少ない稀少な宝石
  • 特徴2:エメラルド同様に内部に瑕疵やインクルージョンが存在
  • 特徴3:透明感のある高彩度のものは極めて稀産
  • 産地:マダガスカルのみ
  • バリエーション:キャッツアイ効果を持ったタイプ
  • 屈折率:1.62~1.61程度
  • 偏光性:複屈折性
  • 多色性:認む
  • 蛍光性:認む
  • 比重:約 3.10
  • 分光性:特に必要な吸収を認めず
  • 拡大検査:管状包有物、液膜包有物といった包有物

 

個々のルースによって特性等に微妙な差異があると思いますが、産地が決まっており、産出量が極めて少なく、透明感が高く鮮やかな色合いをした高品質なタイプは限られている事から、似た数値となるかと思いますよ。

 

 

ペッツォタイトの選び方と人為的な処理について 

 

ペッツォタイト

 

色石と呼ばれるダイヤモンド以外の宝石としては、ピンク色をした宝石は特に人気が高くなりますが、それほど宝石としてはバリエーションがない為、産出量の少なさや高品質なルースの少なさだけでなく、天然ベリルという鉱物に限らず、宝石として華やかで存在感のあるピンクカラーをした宝石自体が稀少な事から、総合的な稀少性が高いと言えます。

 

市場での流通性が少ない事から、あまり比較対象する事ができないものの色の薄いルースや個性に乏しいルースは避けた方が良いかもしれないっす。

 

鉱物的には天然ペッツォタイトとなり、ベリル系の鉱物の場合は色合いによって異なる固有の宝石名を持っているのが特徴で、その中でも鉱物的としてはエメラルドと類似点が多く、瑕疵やインクルージョンの多さや質感や光沢感があり、一般的にルースの丈夫さを改善する為にオイル含侵処理や透明感を良くする為の無色透明剤の含侵処理が施されています。

 

取り扱いに関しての注意点としては、エメラルド同様に石の内部に瑕疵や内包物が多い事からデリケートな宝石となる点となりますよ。

 

天然未処理のルースは殆ど存在しない為、必要に応じて鮮やかな色合いや光沢感を蘇らせる技術はありますが、衝撃等で破損したり欠けてしまったりすると元通りにはないないので、そうした意味では取り扱いに少し注意が必要かと思いまが、とても華やかで印象に残る稀少宝石なんだね。

 

 

ペッツォタイトの魅力

 

ペッツォタイト

shop-nekoguruma.com

 

 

ペッツォタイトは特徴的に石の内部に瑕疵や様々なインクルージョンが内包していますが、そんなインクルージョンの関係もあり、どんなルースであっても比較的に個性的なものとなっています。

 

産出量が少ない為、小さ過ぎて何だか分からない場合や薄い色合い等のボケた色合いの場合は実感し難いと思いますが、管状包有物とか液膜包有物とかが内包する事で美しい光のラインや光彩効果が見られちゃいます。

 

ベリル系の稀少宝石としては産質量の少なさから知名度は必ずしも高くはありませんが、一目見て美しく素晴らしい宝石であると分かるだけの存在感がある上、現在のところ流通量が増える予兆もない事から特別な稀少宝石として大切にし続ける事ができると思いますよ。

 

 

キャツアイタイプのペッツォタイト

 

ペッツォタイトの中でも特に稀少性が高いタイプがシャトヤンシー効果(キャッツアイ効果)を持った「ペッツォタイト・キャッツアイ」と鑑別書に記載されるタイプのルースとなり、殆ど見掛ける事がない稀少なタイプとなっています。

 

この理由はひとつは大粒サイズのルースが殆どない事、キャッアイ効果の起因になる規則的に管状包有物が内包していない事によるものですが、他のキャッツアイ効果が生じる宝石に比べると色合い的に鮮やかさが保たれ、美しく華やかな色合いを持っている事となります。

 

ペッツォタイトキャツアイ

 

品質やサイズやカット研磨によって価値は異なりますが、宝石質のルースは非常に稀少で少ない為、あたしも過去に何度も海外仕入れや展示会に買い付けに行きましたが、この記事で紹介した3点のルース以上に魅力的なものとは出会う事がありませんでした。

 

稀少宝石とは、ただでさえも稀少な宝石の中でもさらに稀少性が高い宝石となる為、タイミングや縁がないと出会う事すらできないルースが多いのですが、そうした素晴らしい出会いを夢見て多くの石に興味を持って探し続ける事はとても楽しくて幸せなことですね。

 

さすがにペッツォタイトに関しては希望に沿うような素晴らしいルースとの出会いは限られてしまうと感じていますが、また何らかのご縁やタイミングが合って出会えたらいいなぁ・・・って思ってしまう、あたしにとっては特別な稀少宝石になります。

 

ま、今後も所有してきた以上のペッツォタイトのルースに巡り会える気がしませんけどね。

 

ちゅ~ような感じで、ち~ゆ~。

 

 

ΦωΦ

 

 

いろいろな稀少宝石と巡り会ってきたけどペッツォタイトは特別な稀少宝石のひとつなんだよぅ。

ΘεΘ

 

理由は不明だけど心を惹かれる宝石ってあるもんね。

ΦωΦ